2007年5月
■ 2007年5月31日
リンゴジュースとぜん息との関係
イギリス・南ロンドンの子供たち2640人(5-10歳)を対象にぜん息と果物摂取との関係が調査されました。
その結果、リンゴジュースを1日当たり1回以上摂取していた子供たちは、1ヶ月に1回以下の子供たちと比べて、ぜん息の喘ぎ症状の発生が47%低くいことが分かりました。
喘ぎ症状は、ぜん息の重要なサインの1つです。しかし、リンゴジュースとぜん息との間には直接的な関係は見いだされませんでした。
そのため、研究者らはさらなる研究が必要であるとした上で、ぜん息予防には、ビタミンや抗酸化成分に富んだ食事が大切であることを示す証拠の1つと考えています。
【文献】
Okoko, B. J. et al.: Childhood asthma and fruit consumption in South London. Eur. Respir. J. Online Feb. 14, 2007 [doi: 10.1183/09031936.00097806]
■ 2007年5月30日
穀類由来の食物繊維は2型糖尿病の発症リスクを下げる
穀類由来の食物繊維とマグネシウムの摂取量が多いと2型糖尿病の発症リスクが低くなるとドイツの研究チームが発表しました。
男性9,702人、女性1万5,365人を対象に、平均7年間行った追跡調査と、これまでに発表された食物繊維とマグネシウムに関する研究のメタ解析が行われました。
その結果、穀類由来の食物繊維の摂取量を5分割し、摂取量が最も多かった群は最も少なかった群に比べ、2型糖尿病発症のリスクが28%低いことが分かりました。果物由来の食物繊維や野菜由来の食物繊維の摂取量と2型糖尿病との間には統計的な関連性は認められませんでした。また、メタ解析の結果、穀類由来の食物繊維は2型糖尿病の発症リスクが33%低く、マグネシウムでは23%低くなりました。
【文献】
Schulze, M. B. et al.: Fiber and Magnesium Intake and Incidence of Type 2 Diabetes: A Prospective Study and Meta-analysis. Arch. Intern. Med. 167: 956-965. (2007)
■ 2007年5月29日
火星:スピリットもオポチュニティも、元気に活躍中
2004年に火星に到着した無人火星探査車スピリット(spirit)もオポチュニティ(opportunity)も元気に活躍しています。
最近、スピリットから送られてきたX線画像を解析した結果、シリカ(二酸化ケイ素)を約90%含む土壌が発見されました。シリカを高濃度に含む土壌が作られるためには水が必要なことから、研究者らは、火星に水があったとする今までで最も確実な証拠としています。オポチュニティは、ビクトリアクレーターを探索中です。
スピリットから送られてきた画像は下記のサイトで見られます。
http://www.nasa.gov/mission_pages/mer/images/pia09491.html
火星探査車の活動状況は下記のサイトで読めます。
http://marsrovers.jpl.nasa.gov/mission/status.html
■ 2007年5月28日
インスリン分泌量と体重減少とが関係
インスリン分泌量の多い人は、低グリセミック・ロードの食事で体重の減少が大きいことが分かりました。
グリセミック・ロード(GL)とは、糖質の質及び摂取量を考慮した食品の指標です。GL=「一人前の分量の食物に含まれる糖質のグラム数」×「その食物のGI/100」で計算します。このグリセミック・ロードの計算の元となるグリセミック・インデックス(GI)とは、血糖上昇反応度の指標です。糖質を50g含む食品を摂取した後の血糖値の上昇を、基準となる食品(ブドウ糖50g)を摂取した後の血糖値の上昇と比較し、パーセントで表した数字です。GIが高い食品ほど血糖が急激に上昇し、インスリンの分泌が必要となります。
アメリカ・ボストン小児病院の研究チームは肥満の成人(18-35歳)73人を対象に6カ月の介入試験と12、18カ月後に追跡調査が行われました。被験者の半数は、低グリセミック・ロード食、残りの半数は、低脂肪食を摂取しました。研究開始時に、ブドウ糖負荷試験を行い血液中のインスリンの分泌傾向について調査を行いました。
調査した結果、全体では両群ともに体重の低下が認められましたが統計的に有意の差は認められませんでした。しかし、インスリンの分泌が平均を超える人は、低脂肪食の摂取群では18カ月で体重が2.6ポンド(約1.2kg)減少しましたが、低グリセミック・ロード食では18カ月で12.8ポンド(約5.8kg)と大きな体重の減少がみられました。また、低グリセミック・ロード食群ではHDL-コレステロールおよびトリグリセライド(中性脂肪)の値が大幅に改善されたのに対し、LDL-コレステロールは低脂肪食での改善効果が大きいことが分かりました。
以上の結果から、インスリンの分泌の多い人では、低脂肪食より低グリセミック・ロード食が有効である可能性があると研究者らは考えています。低グリセミック・ロード食は、血糖インデックス(GI)の低い炭水化物を摂取するので、血糖値の上昇がゆるやかで、インスリンの分泌を比較的安定に保つことができます。低グリセミック・ロード食には、果物、野菜、豆類、低精白穀類などが含まれています。
【文献】
Ebbeling, C. B. et al.: Effects of a Low?Glycemic Load vs Low-Fat Diet in Obese Young Adults - A Randomized Trial. JAMA. 297: 2092-2102. (2007)
■ 2007年5月28日
重要な科学情報は見つからない
多くの人が情報を見つけるためにインターネットを利用しています。しかし、重要な科学情報は、ウェブサイト上で見つけるのが難しいことが分かりました。イギリス・オックスフォード大学の研究によれば、主要な科学情報サイトはGoogle検索で上位30番目までに表示されないことが分かりました。
研究では、社会的に重要なHIV/エイズ、気候変動、インターネットなど6項目についの科学情報がウェブ上でどう扱われているかを調査をしました。その結果、ウェブ上の情報は中立的ではないことが分かりました。いくつかのサイトには、他のものよりアクセスしやすくする特定の構造がありました。 そして、この構造はGoogleなどのサーチエンジンによる検索結果に影響を及ぼしています。
そのため、ウェブ上の情報は、明らかではない方法で「勝者と敗者」が決まってしまい、内容に基づいていないと研究者らは考えています。
情報は「目に見えること」が重要ですが、現状では、気候変動などの研究結果を探している人が、最も評価された研究に遭遇することは難しいことが分かりました。
【文献】
The World Wide Web of Science: Emerging Global Sources of Expertise
http://www.esrcsocietytoday.ac.uk/esrcinfocentre/
viewawardpage.aspx?awardnumber=RES-160-25-0031
■ 2007年5月25日
塩分を減らすと心臓病のリスクが低下
塩分を減らすと心血管疾患や冠動脈性心臓病のリスクが減少することがハーバード大学などの研究から分かりました。
アメリカで、約3千人を対象に減塩および食事指導の行った結果、指導を受けた介入群では、塩分の摂取量が10gから7g程度に減りました。その後の調査から、介入後10-15年間え心血管疾患リスクが25%、冠動脈性心臓病リスクが20%低下していたことが分かりました。
この結果は、栄養指導を行うと食事からの塩分の摂取量が有意に減少し、その効果は長期有効であることを示しています。
【文献】
Cook, N. R. et al.: Long term effects of dietary sodium reduction on cardiovascular disease outcomes: observational follow-up of the trials of hypertension prevention (TOHP). BMJ, 334: 885 (2007) [doi:10.1136/bmj.39147.604896.55]
■ 2007年5月23日
DASH摂取プランで体重が大きく減少
アメリカ・ペンシルバニア州立大学などの研究グループは、果物などエネルギー密度の低い食品を摂取するDASH摂取プランで体重が減少すると報告しました。
研究では、50才以上で健康であるが太った(BMI値の平均33.6)男女658人を対象に摂取エネルギー、摂取した食品のエネルギー密度、体重の変化について6カ月調査が行われました。ボランティアを、1)食事の教育セッションを1回受けたグループ、2)食事のカウンセリングについての18のセッションを受け、運動を増やし、摂取エネルギーを減らすように指導されたグループ、3)食事のカウンセリングについての18のセッションを受け、DASH(Dietary Approaches Stop Hypertension)摂取プランの食事指導を受けたグループに分け調査が行われました。
その結果、DASH摂取プランの食事指導を受けたグループは6ヶ月間で体重が大きく減少し(-5.9kg)、他のグループよりも体重の減少幅が大きかった。また、DASH摂取プランの食事指導を受けたグループは、他のグループより果物、野菜、低脂肪の乳製品、食物繊維、ビタミン、ミネラルの摂取量が多く、食事のエネルギー密度も低いことも分かりました。
以上の結果から、研究者らは果物などエネルギー密度の低い食品を摂取するDASH摂取プランは食事の栄養価が高いだけでなく体重を減少するために有効である結論づけています。
【文献】
Ledikwe, J. H. et al.: Reductions in dietary energy density are associated with weight loss in overweight and obese participants in the PREMIER trial. Am. J. Clin. Nutr. 85: 1212-1221. (2007)
■ 2007年5月22日
日本:女性は長寿世界一、男性は2位
世界保健機関(WHO)は「世界保健報告2007(World Health Statistics 2007)」を発表しました。この中で2005年の平均寿命が世界で一番長かったのは、男性はサンマリノの80歳、女性は日本の86歳でした。日本は前回まで男女とも「長寿世界一」でしたが、今回の発表では男性の平均寿命が79歳で2位でした。
その他、男性の平均寿命が長いのはオーストラリア、アイスランド、スウェーデン、スイスで、日本と並ぶ79歳です。女性はモナコが85歳で2位、フランス、サンマリノなど7カ国が84歳で3位でした。世界193カ国(地域も含む)の平均寿命は男性64歳、女性68歳です。
WHOの平均寿命の各国の数値は下記のサイトで読めます。
http://www.who.int/whosis/whostat2007_1mortality.pdf
サンマリノ(San Marino):イタリア半島の中部に位置する国で、周囲は全てイタリア、世界で5番目に小さな国です。
■ 2007年5月21日
カナダ:糖尿病り患率が予測値を上回る
カナダ・オンタリオ州における2005年の糖尿病り患率が、世界保健機関(WHO)の予測値を上回っていると医学雑誌に発表されました。
研究では、オンタリオ州の人口データベースを用いて、1995年から2005年における糖尿病のり患率と死亡率を、また1997年から2003年の成人における新規糖尿病発症者数を求めました。
その結果、糖尿病り患率は1995年から2030年の間に5.2%から8.8%と、69%上昇しており、WHO がカナダにおける同期間の上昇率として予測した65%を上回っていることが分かりました。
WHOの推計では、世界の糖尿病人口は1995年から2030年までに30%、2000年から2030年の間に39%上昇するとされていましたが、オンタリオ州のり患率は、ここ5年間で27%上昇していました。もしこの傾向が続くのであれば、2010年以前に成人人口の10%が糖尿病にり患すると予測されています。
WHOの予測値は肥満率が一定程度にとどまるとの予測に基づいていましたが、それ以上に肥満が増えていることと、州内への移民の増加がり患率上昇につながったと推測しています。異なる環境で生まれ育った移民が、西洋流の高カロリー食や、身体活動量の少ない生活スタイルになるとそれ自体が糖尿病の危険因子となります。
【文献】
Lipscombe, L. L. and Hux, J. E.: Trends in diabetes prevalence, incidence, and mortality in Ontario, Canada 1995?2005: a population-based study. Lancet 369: 750-756. (2007) [DOI: 10.1016/S0140-6736(07)60361-4]
■ 2007年5月15日
女性のアルコール依存症患者は男性より認知症になりやすい
ロシアなどの研究チームは、女性は男性よりアルコールの摂取量が少ないが、 男性より短期間でアルコールよる害が出て認知症などになりやすいと報告しました。 ロシア人の男性アルコール中毒患者78人と女性患者24人、また、健常者68人を 対象に運動機能や視覚機能を測定しました。その結果、女性のアルコール患者は、男 性の患者と比べて、視覚作業、空間認知、問題解決能力、認識の柔軟性が低く、認知 症になりやすいことが分かりました。
【文献】
Flannery, B. et al.: Gender Differences in Neurocognitive Functioning Among Alcohol-Dependent Russian Patients. Alcoholism: Clinic. Exper. Res. 31: 745?754. (2007) [doi: 10.1111/j.1530-0277.2007.00372.x]
■ 2007年5月14日
果物と野菜の摂取は冠動脈心臓病のリスクを下げる
フランスの研究グループは、男性9万1379人と女性12万9701人を対象に、果物と野菜の摂取と冠動脈性心臓病との関連について調査を行いました。この研究は今までに発表されている9つの疫学調査(コホート研究)をメタ分析した報告です。
その結果、1日当たり果物と野菜の摂取量を1単位増やすと冠動脈心臓病のリスクが4%(P=0.0027)減少しました。果物の摂取量を1単位増やすと7%(P<0.0001)、野菜では11%減少しました。
以上の結果から、果物と野菜の摂取は冠動脈心臓病のリスクを下げる働きがあるとしています。
【文献】
Dauchet, L. et al.: Fruit and Vegetable Consumption and Risk of Coronary Heart Disease: A Meta-Analysis of Cohort Studies. J. Nutr. 136: 2588-2593. (2006)
■ 2007年5月12日
植物のビタミンC全生合成経路が明らかに
アメリカ・UCLA化学&生化学の研究者グループが、植物体内でビタミンCが作られる全経路を明らかにしました。
ビタミンCは、植物体内でグルコースから10のステップで合成されていまが、7番目のGDP-L-galactoseからL-galactose 1-phosphate へ変換される過程が不明でしたが、アラビドプシス(Arabidopsis thaliana)を遺伝子操作して、この変換にVTC2と呼ばれる酵素(GDP-L-galactose/GDP-D-glucose phosphorylase)が関与していることを解明しました。
【文献】
Linster, C. L. et al.: Arabidopsis VTC2 encodes a GDP-L-galactose phosphorylase, the last unknown enzyme in the Smirnoff-Wheeler pathway to ascorbic acid in plants. JBC Online Apr. 26 (2007) [doi: 10.1074/jbc.M702094200]
■ 2007年5月9日
1回の高脂肪食で血圧上昇
カナダ・カルガリー大学の研究グループは、高脂肪食を1回摂取するだけで食後に血圧が上がることを報告しました。
高血圧や心臓病の病歴のない18~25歳の健康な30人を対象に、1回に42gの脂肪を摂取する高脂肪食グループと1gしか摂取しない低脂肪食グループに分け、食後に血圧を測定しました。その結果、高脂肪食群は低脂肪食群に比べ、血圧が1.25~1.5倍上昇することが明らかになりました。
【文献】
Jakulj, F. et al.: A High-Fat Meal Increases Cardiovascular Reactivity to Psychological Stress in Healthy Young Adults. J. Nutr. 137: 935-939. (2007)
■ 2007年5月6日
光を当てると結晶が曲がる
紫外線を当てると棒状の結晶が一瞬で縮み、可視光線を当てると元通りに伸びる物質を立教大、九大、大阪市立大の研究グループが見つけました。
長さ0.3mmの棒状の結晶をバットのように使い、微小なガラス球を「打つ」実験にも成功し、その様子がビデオで公開されています。結晶の先端近くに小さなガラス球を置いて、右から紫外線を当てると結晶の右側の紫外線が当たった部分だけ長さが約10%縮むとともに右に曲がり、ガラス球をはじき飛ばしました。そして、可視光線を当てると結晶は再び伸びて元に戻りました。
今までに光で変形する物質はいくつか知られていましたが、固い結晶が変形するのは初めての発見とのことです。この結晶は、研究グループが開発したジアリールエテンと言う物質です。
ミクロレベルの動力源に使える可能性や、非接触で微小な物を操る極小のピンセットなどへの応用が期待されています。
結晶が硝子球を打つビデオは下記のサイトで見られます(このビデオを見るためにはQuickTime Playerが必要です)。
http://www.nature.com/nature/journal/v446/
n7137/extref/nature05669-s6.mov
【文献】
Kobatake, S. et al.: Rapid and reversible shape changes of molecular crystals on photoirradiation. Nature 446: 778-781. (2007) [doi:10.1038/nature05669]
■ 2007年5月5日
アカゲザルのゲノムが解読される
ヒト(2001年)、チンパンジー(2005年)に続いて霊長類のアカゲザルの全ゲノム配列(全遺伝情報)が解読されました。ヒトとチンパンジーが分岐したのは600万年前と比較的新しいが、アカゲザルとの分岐は2,500万年前と考えられています。
チンパンジーとヒトは99%の遺伝子が一致していますが、アカゲザルとヒトでは約97.5%でした。また、進化の過程で変化している遺伝子は約200あり、これが霊長類同士の差を決定していると考えられています。
生物医学の分野ではアカゲザルの研究が広く実施されています。今回決定されたゲノム配列は、エイズや老化などヒトの健康に関する様々な研究に役立つだけでなく、霊長類の進化についても理解を深める手助けになると期待されています。
下記Scienceのサイトでアカゲザルのゲノム情報が公開されています。PDFファイル(62ページ)をダウンロードすることもできます。
http://www.sciencemag.org/cgi/content/full/316/5822/222/DC1
研究プロジェクト(Rhesus Macaque Genome Project)のホームページは下記です。
http://www.hgsc.bcm.tmc.edu/projects/rmacaque/
【文献】
RMGSA Consortium: Gibbs, R. A. et al.: Evolutionary and Biomedical Insights from the Rhesus Macaque Genome. Science 316: 222-234. (2007) [DOI: 10.1126/science.1139247]
■ 2007年5月3日
ビタミンCは胃ガンのリスクを下げる
血液中のビタミンC含量が多いと胃ガンのリスクが低くなるとヨーロッパの研究グループが発表しました。
今まで行われた多くの症例対照研究では、食事からビタミンCを多く摂取していると胃ガンのリスク下がると報告されていますが、前向きコホート研究の結果からはビタミンCの胃ガンに対する効果は限定的であると報告されています。
そこで、ビタミンCと胃ガンとの関係を明らかにするために、ヨーロッパ10ヵ国が参加した研究(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC))が行われました。
その結果、ビタミンCの食事からの摂取量と胃ガンとの関係は観測されませんでしたが、血液中のビタミンC含量が多いと胃ガンのリスクが下がることが明かとなりました。血液中のビタミンC含量が最も高い群は、最も低い群と比べて胃ガンのリスクが45%低いことが分かりました。また、発ガン物質であるニトロソ化合物を増加する可能性がある赤肉と加工肉の摂取量が多い人ほどビタミンCの効果は顕著でした。
以上の結果から、ビタミンCは、赤肉や加工肉の摂取で増加する可能性があるニトロソ化合物の作用を打ち消す働きなどを通じて胃ガンの予防に効果があるのではないかと研究者らは推測しています。
【文献】
Jenab, M. et al.: Plasma and dietary vitamin C levels and risk of gastric cancer in the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC-EURGAST). Carcinogenesis 27: 2250-2257. (2006)
■ 2007年5月2日
最高血圧で脳卒中のリスクを予測
アメリカで行われた研究によると最高血圧は、最小血圧などより脳卒中のリスクを予測する因子として優れていることが分かりました。
男性3295人、女性3462人を対象に15年間の追跡調査が行われました。その結果、最高血圧が脳卒中のリスクを予測する因子として、他の様々な血圧に関するパラメーターより優れていることが分かりました。また、最高血圧が10mmHg増加すると脳卒中のリスクは男性で19%づつ、女性で15%づつ増加することも分かりました。
以前から脳卒中のリスクと最高血圧との関係が指摘されていましたが、今回の結果は、そうした研究を支持しています。
【文献】
Brown, D. W. et al.: Blood Pressure Parameters and Risk of Fatal Stroke, NHANES II Mortality Study. Amer. J. Hyper. 20: 338-341. (2007)
■ 2007年5月1日
肥満は前立腺ガンリスクを高める
アメリカ・シアトルのFred Htchinson Cancer Research Centerの研究チームは、前立腺ガンと診断された肥満男性は、同じく前立腺ガンと診断されたやせている男性より死亡率が高くなると発表しました。
1993-1996年に前立腺ガンと診断された男性752人を対象に平均9.5年間追跡調査を行った結果、BMI値が30以上の肥満体の男性は、前立腺ガンでの死亡率が2.6倍高く、ガンの転移のリスクも3.6倍高いことが分かりました。
以上の結果から、肥満体の男性は前立腺ガンのリスクが高まることが分かったと研究者らは述べています。同時に。前立腺ガンの治療に減量が役立つかについては別の臨床試験が必要であるとしています。
【文献】
Gong, Z. et al.: Obesity is associated with increased risks of prostate cancer metastasis and death after initial cancer diagnosis in middle-aged men. Cancer 109: 1192-1202. (2007)
投稿者
kudamononet
2007年4月
2007/04/29 肥満の予防と治療に対するカナダの新ガイドライン
カナダの医学会誌に、子供と成人に対する肥満の予防と治療に対するガイドラインが発表された(2007/4/10)。この新ガイドラインは医学の専門家と政策立案者により作成され、国として作成された世界で最初のガイドラインである。このガイドラインでは以下のことを推奨している。
・太りすぎや肥満を解消するための最初の処置は、生活習慣(食生活、運動)の改善を行う。もし失敗したら、薬物療法や肥満手術を考える必要がある。
・太りすぎか肥満体であるなら10歳から血糖値やコレステロールなどの測定を定期的に受ける必要がある。
・体重管理プログラムに参加する患者に対して、ライフスタイルを変更するための方法やサポートを受けられるようにする必要がある。
・子供たちの太り過ぎや肥満を防ぐためのプログラムを学校で行う必要がある。また、体育の時間などを通じて毎日の活動を増やすようにする必要がある。
・テレビやビデオ、ゲームなどに使う時間を1日あたり2時間未満に制限する必要がある。
【文献】
Lau, D. C. W. et al.: 2006 Canadian clinical practice guidelines on the management and prevention of obesity in adults and children. CMAJ 176: S1-13. (2007) [doi: 10.1503/cmaj.061409]
下記のサイトで上記要約及び論文全文を読める。
http://www.cmaj.ca/cgi/content/full/176/8/S1/DC1
2007/04/29 朝日新聞茨城版で「果物&健康NEWS」が紹介される
本日の朝日新聞朝刊の茨城版にメールマガジン「果物&健康NEWS」の紹介記事が掲載されました。WEBページにもありますので読んでみてください。
http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000000704290005
もし、まだメールマガジンのご登録がお済みでなかったら、ぜひ、この機会にご登録ください。
2007/04/28 フラボノイドの摂取と心臓関連の死亡率を下げる
アメリカとノルウェーの研究チームは、植物由来のフラボノイドを多く摂取すると心疾患による死亡率が低くなると報告した。
アメリカに住む閉経後の女性34,489人を対象に16年間調査を行った結果、フラボノイドの摂取量が多いと冠動脈心臓病、心血管疾患による死亡率が低くなることが分かった。
フラボノイドは、アントシアニジン、フラバノン、フラボンに分類される。フラバノンの摂取量が多い人は、少ない人と比べて冠動脈心臓病のリスクが22%低く、アントシアニジンの摂取量が多いと摂取していない人と比べ心臓病関連の死亡率が10%低かった。
フラボノイドを多く食品であるリンゴやナシは冠動脈心臓病と心血管疾患のリスクを下げることも分かった。そのほか、グレープルルーツは冠動脈心臓病を、イチゴは心血管疾患をのリスクを下げた。
以上のことから、研究者らはフラボノイドの豊富なしく品を摂取すると冠動脈心臓病や心血管疾患による死亡リスクが下がると述べている。
【文献】
Mink, P. J. et al.: Flavonoid intake and cardiovascular disease mortality: a prospective study in postmenopausal women. Amer. J. Clin. Nutr. 85: 895-909. (2007)
2007/04/27 フラボノールとすい臓ガン予防
すい臓ガンの危険因子としてはっきりしているのは喫煙だけである。アメリカ・カリフォルニアとハワイに住む18万3518人を対象にmすい臓ガン発症とフラボノールの摂取量を調べた結果、フラボノールの摂取量が多い人は、少ない人と比べてすい臓ガンのリスクが23%低いと、カリフォルニア大学などの研究チームが発表した。特に、喫煙者では、フラボノールの摂取量が多いと、少ない人に比べて59%発生のリスクが低いことが分かった。
フラボノールは、ポリフェノールの一種で、リンゴやタマネギ、ベリー、ケール、ブロッコリーなどの果物や野菜に多く含まれている。そのため、研究者らは、植物性食品を食べることはすい臓ガンの予防に対して有効であると述べている。
【文献】
Nothlings, U. et al.: Flavonols and pancreatic cancer risk: The Multiethnic Cohort Study. Amer. Assoc. Cancer Res. Ann. Meeting 2007 abstract No. 856 (2007)
2007/04/26 果物と野菜摂取は頭頸部のガン予防に効果的
アメリカに住む成人49万802人を対象に5年間、食事摂取と頭頸部のガンについて調べた結果、果物と野菜を1日当たり1サービング増やすと頭頸部のガンの発生が低くなることが分かったとアメリカ・国立がんセンターの研究チームが発表した。
果物と野菜を1,000カロリー当たり6サービング摂取している人は、1.5サービングの人と比べて頭頸部ガンの発症が29%低いことが分かった。以上の結果から、1,000カロリー当たり果物か野菜を1サービング増やすと頭頸部のガンのリスクが6%減少すると研究者らは述べている。
【文献】
Freedman, N. D. et al.: Fruit and vegetable intake and head and neck cancer in a large United States prospective cohort study. Amer. Assoc. Cancer Res. Ann. Meeting 2007 abstract No. 849 (2007)
2007/04/25 リンゴを食べた妊婦の子供は小児ぜん息になりにくい
イギリスとオランダの研究チームは、1924人の妊婦に食物頻度アンケートを行い、5年後にその子供1,253人の気道を調べたところ、妊娠中にリンゴを食べた女性から生まれた子供の小児ぜん息のリスクは統計的に有意に低かった。このリンゴ効果は特異的で、喘鳴のリスクが37%、ぜん息のリスクが46%、医者による治療が必要なぜん息のリスクが53%低くなることがわかった。
【文献】
Willers, S. et al.: Maternal food consumption during pregnancy and asthma, respiratory and atopic symptoms in 5-year-old children. Thorax. Online 27 March (2007) [doi: 10.1136/thx.2006.074187]
2007/04/24 果物や野菜、ナッツを摂取するとぜん息予防に効果的
果物や野菜、ナッツを豊富に摂取していると子供のぜん息と呼吸アレルギー予防に効果があると、ギリシャやイギリスなどの研究チームが発表した。
クレタ島に住む7歳から18歳の子供たち690人を対象に調査したところ、80%子供たちは毎日1日に2回以上、リンゴやオレンジ、ブドウなどの果物を摂取していた(野菜は68%であった)。果物や野菜などを沢山摂取していると喘鳴とアレルギー性鼻炎に対する保護作用のあることが示唆された。また、ナッツを多く食べていた子供はぜん息のリスクが低かった。また、果物や野菜の摂取量が多く、脂肪の摂取量の少ない地中海ダイエットはアレルギー性鼻炎に有効であることも分かった。一方、マーガリンの摂取が多いと喘鳴とアレルギー性鼻炎のリスクが高まった。
以上の結果から、果物や野菜、ナッツに含まれている抗酸化成分がぜん息予防に有効ではないかと研究者らは述べている。
【文献】
Chatzi, L. et al.: Protective effect of fruits, vegetables and the Mediterranean diet on asthma and allergies among children in Crete. Thorax. Online 5 April (2007) [doi: 10.1136/thx.2006.069419]
2007/04/23 高血糖の女性はガンになりやすい
高血糖の女性はガンになりやすいとスウェーデン・ウメア大学(Umea Univ,)の研究チームが発表した。
女性3万3293人と男性3万1304人を調査したところ、女性のガンのリスク危険は最も血糖値が低いグループに比較して、最も高いグループは26%リスクが高くなることが分かった。一方、男性ではこうした関係は認められなかった。
以上の結果から、女性では、肥満の如何にかかわらず、血糖値が高い女性はガンのリスクが高くなることから、血糖値の高い女性は生活習慣の改善が必要であると研究者らは述べている。
【文献】
Stattin, P. et al. Prospective study of hyperglycemia and cancer risk. Diabetes Care. 30: 561-567. (2007)
2007/04/20 海外トピックス:ノルウェー議会で果物と野菜に変更
ノルウェーは閣議や会議などで提供される軽食を、従来のお菓子類から果物と野菜に変更するとした内閣府の通達がだされたとAFPが伝えた(07/3/20)。
現在、会議中はクッキーやケーキが提供されているが、果物や野菜など健康にいい食べ物も用意するもので、この通達はあくまで「助言」であって「義務」ではないとのことである。
ニュースの全文は下記のサイトで読める。
http://rawstory.com/news/afp/Serve_fruits_rather_
than_chocolate__03192007.html
2007/04/19 肥満はぜん息発症を促進
過体重および肥満の人は、標準体重の人に比べてぜん息を発症しやすいとアメリカ国立ユダヤ医療研究センターの研究グループが発表した。
ぜん息は気道の炎症および狭窄を伴う慢性疾患で治癒は難しいが管理が可能であることが多い。反復性の喘鳴(ぜんめい)、咳(せき)、アレルギーを起こしやすいなどの症状があり、アメリカの罹患者数は、小児患者900万人を含め約2,000万人といわれる。また、アメリカ人の65%は肥満または過体重であるとされ、ぜん息と肥満との関連性も従来の研究から示唆されていた。
アメリカ、カナダ、ヨーロッパでぜん息とBMI(肥満指数)との関係について1966年~2006年に行われた7つの研究(計33万3,000人以上)を検討した結果、BMIが25以上の人はぜん息発症率が50%高く、体重が増えるに従ってリスクも増大することが分かった。また、男女差は認められなかった。
以上のことから肥満が重度のぜん息の危険因子であると研究者らは述べている。
【文献】
Beuther, D. A. and E. R. Sutherland: Overweight, Obesity, and Incident Asthma
A Meta-analysis of Prospective Epidemiologic Studies. Amer. J. Resp. Crit. Care Med. 175: 661-666. (2007) [doi: 10.1164/rccm.200611-1717OC]
2007/04/18 遺伝子変異の解析から脂肪摂取と肥満との関係解明
脂肪代謝に関連するアポリポタンパク質A5遺伝子(apolipoprotein A5 gene)の1塩基多型(SNP)の遺伝子異型を分析した結果、APOA5-1131Tの遺伝子を持つ人は脂肪の摂取量が多いとMBI値が増加したが、APOA5-1131Cの遺伝子を持つ人にはこうした関係が認められなかったとアメリカ・タフツ大学の研究チームが発表した。
フラミンガム心臓病研究に参加している男性1,073人と女性1,207人を調べた結果、 APOA5-1131Cの遺伝子を持つ人は、APOA5-1131Tの遺伝子を持つ人に比べて肥満のリスクが39%、オーバーウエイトのリスクが37%低いことが分かった。また、APOA5-1131Tの遺伝子を持つ人でも脂肪の摂取量が少ないと肥満やオーバーウエイトのリスクも下がった。
以上のことから、肥満の問題は複雑であるが、SNPを調べることで、個人個人の食事と体重増加との関係を明らかに出来る可能性が広がったと述べている。
【文献】
Corella, D. et al.: APOA5 gene variation modulates the effects of dietary fat intake on body mass index and obesity risk in the Framingham Heart Study. J. Mol. Med. 85: 119-128. (2007) [doi: 10.1007/s00109-006-0147-0]
2007/04/17 肥満のリスクと強く関係したFTO遺伝子変異の発見
世界中で肥満が増大しているが、肥満は2型糖尿病、心臓病、ある種のガンのリスクを高める。
オックスフォード大学などの研究チームは、38,759人のヨーロッパ人を調べ、今までで最も明確に肥満とリンクするFTOと呼ばれる遺伝子の変異を特定した。第16番染色体にあるFTO遺伝子の塩基配列の1カ所がT(チミン)ではなくA(アデニン)の割合が高くなっている人は肥満になるリスクが高くなった。
FTO遺伝子の変異を1つもつ人は持たない人と比べて体重が1.2kg重く、2つもつ人は3kg重く肥満のリスクが67%高くなった。
しかし、「遺伝的な要因だけが、世界的に増加している肥満の原因ではない」と研究者は述べている。肥満には、過剰なカロリー摂取など生活習慣の要因が大きく関与している。適切な体重を維持するためには、肥満を遺伝のせいにすることなく、生活習慣の改善が大切だが、「この遺伝子変異は、体重を落とすことが困難な理由を説明するのではないか」と研究者は予想している。
【文献】
Timothy M. Frayling, T. M. et al.: A Common Variant in the FTO Gene Is Associated with Body Mass Index and Predisposes to Childhood and Adult Obesity. Science Online April 12, (2007) [DOI: 10.1126/science.1141634]
2007/04/15 簡単な質問で子供は果物を食べるようになる
アメリカ・エール大学の研究によると、昼食の時、カフェテリアで並んでいる子供たちに「果物かジュースが欲しい?」と聞くだけ小学生は果物を食べることが分かった。
アメリカでは学食に「アラカルト」のオプションがあり、子供たちはしばしばジャンクフードを選んで食べている。そこで、コネチカットの小学校のカフェテリア・スタッフが子供たちに「果物かジュースが欲しい?」とたずねる実験を行った。その結果、声をかけた子供の90%が果物かジュースを選ぶことが分かった。対照とされた学校では60%しか選ばなかった。
以上の結果から、研究者らは子供たちに言葉をかけることが果物の摂取量を増やす良い方法ではないかと述べている。
【文献】
Schwartz, M. B. et al.: The influence of a verbal prompt on school lunch fruit consumption: a pilot study. Int. J. Behav. Nutr. Physic. Act. 4: 6 (2007) [doi: 10.1186/1479-5868-4-6]
2007/04/14 仕事によるストレスは肥満を増大させる
ロンドン医科大学の調査によると仕事のストレスがためると太ることが分かった。男性6,895人と女性3,413人を対象に19年間調査を行った結果、少なくとも3回仕事のストレスを感じた人は、そうでない人と比べて73%肥満のリスクが高まった。また、ウエストが102cm以上の男性、88cm以上の女性を肥満と定義するとストレスは61%肥満を促進した。
以上の結果から、研究者は、仕事のストレスは肥満の原因にあると結論づけ、ストレスに対する社会的サポートの重要性を指摘している。
【文献】
Brunner, E. J. et al.: Prospective Effect of Job Strain on General and Central Obesity in the Whitehall II Study. Amer. J. Epid. 165: 828-837 (2007) [doi: 10.1093/aje/kwk058]
2007/04/13 果物の摂取量が多く肉の摂取量が少ない人は結腸・直腸ガンになりにくい
アメリカ・ノースカロライナ大学の研究チームは、果物を沢山食べて肉の摂取量を減らすと結腸・直腸ガンの発症リスクが減ると発表した。
大腸内視鏡検査を受けた725人を対象に食事パターンと結腸・直腸ガンとの関係を調査した。調査から、1)果物の摂取量が多く肉の摂取量が少ない食事パターン、2)野菜の摂取量が多く肉の摂取量が中間的である食事パターン、3)肉の摂取量が多い食事パターン(典型的なアメリカ人の食事)の食事パターンに分けられた。
3つの食事パターンを比較した結果、果物の摂取量が多く肉の摂取量が少ない食事パターンの人は統計的に有意にポリープの発生が少ないことが分かった。
以上の結果から、果物の摂取量が多く肉食の摂取量が少ない食事パターンは、結腸ガンを予防に有効であると述べている。
【文献】
Gregory, L. et al.: A Diet High in Fruits and Low in Meats Reduces the Risk of Colorectal Adenomas. J. Nutr. 137: 999-1004. (2007)
2007/04/13 Gmailを使うと携帯電話でメルマガ「果物&健康NEWS」が読める
「果物&健康NEWS」はテキスト形式で送信されているので、メール受信の文字数制限が30kb以上に拡張されてい最新機種では問題なく受信できます(各機種の文字数制限についてはそれぞれの携帯電話各社へおたずね下さい)。
「果物&健康NEWS」のメールサイズは1回当たり20kb(約1万字)前後です。文字数制限がこの数値以下の携帯メールでもメルマガを受信することは可能ですが、制限を超えた分は破棄されてしまうため全文を読むことは出来ません。
携帯メールの文字数制限を回避するには分割転送という方法がありますが一般的ではありませんでした。今度GoogleのウェブメールであるGmailが日本の携帯電話でも使えるようになったため、Gmailのアドレスで「果物&健康NEWS」に登録すれば携帯電話でも全文をお読みいただけます(2007/4/10より)。
Gmailの登録と利用は無料で誰でも使えます。コンピューターのインターネットサイトからGmailのアカウントを得たら、そのアドレスを「果物&健康NEWS」へご登録下さい。そうするとGmailのアドレスへ「果物&健康NEWS」が届きます。次に、携帯電話のインターネット接続画面からGmailのアドレスにアクセスすれば、どこにいてもメルマガを読むことが出来ます。iモード、EZWeb、Yahoo!ケータイに対応しています(一部の機種を除く)。
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http://mail.google.com/mail/help/intl/ja/whatsnew.html
2007/04/12 果物と野菜の摂取量が多いと肥満のリスクが減少する
アメリカで74,063人の女性看護師(38-63歳)を12年間追跡した結果、 年をとるに従って太る傾向があることが分かった。しかし、果物と野菜の摂取量を増やすと肥満のリスクが減少していた。果物と野菜の摂取量が大きく増加したグループは、大きく減少したグループより24%肥満リスク(BMIが30以上)が低かった。
【文献】
He, K. et al.: Changes in intake of fruits and vegetables in relation to risk of obesity and weight gain among middle-aged women. Int. J. Obesity 28: 1569-1574. (2004) [doi: 10.1038/sj.ijo.0802795]
2007/04/11 アメリカ:果物と野菜の摂取量はまだ不十分
アメリカ疾病対策センター(CDC)の調査によれば、多くのアメリカ人は果物と野菜の摂取量が不足していることが分かった。果物と野菜の摂取が健康に有効であることは知られているが、政府の摂取目標(Healthy People 2010)には達していない。
アメリカ政府は、2010年までに果物を1日少なくとも2回以上摂取している人の割合を75%、野菜を1日に少なくとも3回摂取摂取している人の割合を50%にすることを目標としている。しかし、摂取目標値に達している人は果物では32.6%、野菜では27.2%にすぎないことが分かった。
そのため、果物と野菜の摂取を推奨する努力が必要であると結論づけている。
【文献】
Blanck, H. M. et al.: Fruit and Vegetable Consumption Among Adults - United States, 2005. Mor. Mort. Weekly Rep. 56: 213-217. (2007)
投稿者
kudamononet
2007年2-3月
2007/03/16 「本当にすごいくだものの科学」セミナーin余市
くだものの素晴らしい機能性(生活習慣病予防、ダイエット効果)を詳しく、そしてわかりやすく解説する「本当にすごいくだものの科学」セミナーを開催します。受講料は無料。どなたでも参加できます。参加ご希望の方は北海道果樹協会まで、電話でご連絡ください。
「本当にすごいくだものの科学」セミナーin余市
日時 平成19年3月16日(金)15:00から
場所 余市町中央公民館3階会議室(余市町大川町4-143)
講演 農研機構果樹研究所・健康機能性チーム 田中敬一
検討会「すごいくだものの機能性をどう活かすか?」
パネラー: 森元治氏(北海道果樹協会会長)/大島克予氏(コープさっぽろ小樽後志エリア委員長)/石川絢子氏(沢町小学校栄養職員)/田中敬一/コーディネーター:黒川晃次氏(後志農業改善普及センター 主任普及指導員)
2007/03/15 アメリカ・メイヨクリニックが選ぶ健康によい食べ物トップ10
おいしくて、栄養価が高いだけでなく、疾病のリスクを軽減できる食品のトップ10食品をアメリカ・メイヨクリニックが公開している。
リンゴ(ペクチンなど食物繊維はコレステロール値を下げる。また、ビタミンCなど抗酸化成分により体細胞を保護するだけでなく、鉄と葉酸の吸収を助ける。)
アーモンド(食物繊維、リボフラビン、マグネシウム、鉄、カルシウム、ビタミンEなどを多く含むので心疾患のリスク下げる働きがある。また、アーモンドに含まれている脂肪の大部分は不飽和脂肪酸なのでコレステロール値を下げる。
ブルーベリー(食物繊維、ポリフェノールなど抗酸化成分を多く含み低カロリーな食品である。また、老化抑制が期待できる)
そのほか、ブロッコリー、小豆、サケ、ホウレンソウ、サウマイモ、野菜ジュース、麦芽が良いとしている。
【文献】
Mayo Clinic: Top 10 healthy foods and why they're good for you. Mayo Clin Womens Healthsource. 10: 9. (2006)
2007/03/06 ビタミンCで白内障発症リスクが下がる
ビタミンCを食事から摂取している人は、老人性白内障になりにくいことを杏林大学らの研究グループが発表した。白内障は、加齢に伴って水晶体中のタンパク質が酸化することによっておきると考えられる。1995年に45-64歳だった男性16,415人と女性18,771人を対象に調査が行われた。その結果、男性で1日あたり摂取量が最も多い人たち(211mg)は最も少ない人たち(52mg)に比べて、発症のリスクが35%、手術を受けるに至る危険性は30%下がることが分かった。女性では摂取量が最も多い人たち(258mg)は、最も少ない人たち(75mg)に比べ、発症リスクが41%、手術リスクが36%低かった。
【文献】
Yoshida, M. et al.: Prospective study showing that dietary vitamin C reduced the risk of age-related cataracts in a middle-aged Japanese population. Eur. J. Nutr. 46: 118-124 (2007) [doi: 10.1007/s00394-006-0641-8]
2007/03/05 果物の摂取を増やすとダイエットに効果的
カナダ・ラバル大学の研究チームが食事パターンと体重の変化を6年間とその後の追跡調査の結果、果物群の摂取が多いほど、脂肪群の摂取が少ないほど体重が減少していることが分かったと報告した。
248人のボランティアを対象に1989-1994年、1995-2000の2度測定した。その結果、果物群の摂取量が多く、脂肪群の摂取量が少ないグループがBMI値の変化に貢献していることが分かった。さらに詳細に検討すると、スキムミルクと全果の摂取量が多いとBMI値が統計的に有意に低くなることが分かった。
【文献】
Drapeau, V. et al.: Modifications in food-group consumption are related to long-term body-weight changes. Am. J. Clin. Nutr. 80: 29-37. (2004)
2007/03/03 カルシウムとビタミンD不足は心血管疾患リスクを高める
カナダ・ラバル大学の研究チームは、カルシウムが不足していると心血管疾患リスクが高まると発表した。
BMI値が30以上の女性63人を対象に減量プログラムとカルシウムとビタミンDの摂取を組み合わせて15週間調査を行った。実験前のカルシウムの摂取量は、平均700mgで、摂取必要量の1,000mgをかなり下回っていた。実験中は、低カロリーの食事に加えてカルシウムとビタミンDか偽薬のどちらかを1,200mg摂取してもらったところ、カルシウムとビタミンDを摂取したグループは、HDL(善玉コレステロール)が増加し、LDL(悪玉コレステロール)が低下した。
以上の結果から、減量プログラムを実施する場合は、カルシウムとビタミンDを補足する必要があるとしている。
【文献】
Major, G. C. et al.: Supplementation with calcium + vitamin D enhances the beneficial effect of weight loss on plasma lipid and lipoprotein concentrations. Am. J. Clinical Nutrition, 85: 54-59. (2007)
2007/03/02 「発掘!あるある大事典Ⅱ」ねつ造問題について
「発掘!あるある大事典Ⅱ第130回あなたのダイエットフルーツはどっち?みかんorリンゴ」で行われたミカン摂取による実験で血糖値のデータにねつ造があったと関西テレビ調査班が発表した(2007/2/28)。
今回のねつ造があっても果物の健康効果の科学的根拠が揺らぐことはないが、悪影響が出ると困るのでねつ造の問題点をまとめまた。
○関西テレビの検証結果
番組内で紹介された実験で、1日目はパンだけ、2日目は先にミカンを食べた後にパンを食べて測定した被験者二人の血糖値のグラフのうち一人についてねつ造があったと発表した。
○ねつ造の問題点
この実験は、食品のグリセミック・インデックスのデータを得る目的で行われたと考えられるが、グリセミック・インデックス値を比較する場合は、摂取する食品の糖質量を同じにする必要がある。
今回のように、パンだけを食べたときと、ミカンとパンを食べた実験では、摂取した糖質量が違うので、両者の血糖値を比較することに科学的な意味はない。もし比較したいのであれば、ミカンと糖質量が同じ別の食品と比較する必要がある。例えば、パンと食品αを食べたときと、パンとミカンを食べたときを比較し、ミカンを食べると血糖値が下がるかを調べれば、恐らくねつ造の必要はなかったと考えられる。
今回のねつ造はミカンを摂取したときの血糖値データの改変だがが、グリセミック・インデックス値を求める実験のやり方を知らなかったためにおきたと考えられる。
2007/03/01 あるある大事典でミカンの血糖値ねつ造
あるある大事典でミカンの血糖値がねつ造されたと報道された。極めて遺憾である。なぜなら、行われた実験そのものが科学的に正しい実験ではなかったからである。そのため、期待された数値がでないのは当然で、それをねつ造でごまかすのはもってのほかである。詳しくは、本日夜、又は、明日発行のメルマガ「果物&健康NEWS」で報告する。
2007/02/21 講演:落葉果樹における果実の機能性について
神奈川県神奈川県農業義技術センターにおいて神奈川県で果樹農業に携わっている人を対象に「落葉果樹における果実の機能性について」の講演を行った。参加者は約100名で熱心に聞いていただいた。しかし、講演でメルマガ「果物&健康NEWS」の講読も勧めたが、残念ながら新規の登録者はあまりいなかった。残念である。
2007/02/21 減量は肥満の人の心臓機能を高める
オーストラリア・クイーンズランド大学の研究チームによる調査によると肥満のヒトが減量すると心臓の機能が向上することが分かった。心血管疾患ではない106人の肥満の男女に、8週間ライフスタイル改善プログラムにより指導を行った結果、減量度合いが多かった人の血管の機能(ひずみ率、心筋の拡張・弛緩速度など)が向上した。
【文献】
Wong, C. Y. et al.: Effect of Weight Loss Due to Lifestyle Intervention on Subclinical Cardiovascular Dysfunction in Obesity (Body Mass Index >30 kg/m2). Amer. J. Cardiol. 98: 1593-1598. (2006) [doi: 10.1016/j.amjcard.2006.07.037]
2007/02/20 メタボリックシンドロームは心疾患のリスクを高める
アメリカ・メイヨクリニック医科大学の研究グループは、心臓発作と死亡リスクに強く関係していると発表した。
37の研究(172,573人)を対象にメタ分析を行った結果、メタボリックシンドロームの人は、そのリスク要因のない人より、心臓発作か死亡のリスクが78%高いことが分かった。
この結果は、臨床医が患者のライフスタイルについてカウンセリングするとき役立つと研究者らは述べている。
【文献】
Gami, A. S. et al.: Metabolic Syndrome and Risk of Incident Cardiovascular Events and Death: A Systematic Review and Meta-Analysis of Longitudinal Studies. J. Am. Coll. Cardiol. 49: 403-414. (2007) [10.1016/j.jacc.2006.09.032]
2007/02/18 食物繊維は乳がんのリスクを下げる
イギリス・リード大学研究チームは35,792人の女性を7年間追跡調査した結果、毎日、食物繊維を30g以上摂取しているグループは20g以下のグループに比較して乳がんのリスクが0.48と半分になることが分かったと報告した。そして、穀類と果物が食物繊維の供給源として優れているとしている。
そのため、朝食を普通のパンから全粒粉のパンに変えるなどして食物繊維を30g以上摂取することを勧めている。
【文献】
Cade, J. E. et al.:Dietary fibre and risk of breast cancer in the UK Women's Cohort Study. Int. J. Epid. Online on Jan. 24, (2007) [doi:10.1093/ije/dyl295]
2007/02/17 とにかく忙しい
年度末の会議シーズンが半ばを越えた。組織が改編されたため、従来以上に負担が増えた。途中かなり時間的に厳しい時もあったが、多くの方に迷惑をかけながらも何とか乗り切れた。しかひ、ここ数年引いたことのなかった風邪になってしまった。あと半分、元気になってがんばろう。
2007/02/06 「あるある汚染」のアサヒ芸能は大丈夫?
本日発売の週刊アサヒ芸能に「『あるある汚染』番組司会者が弁明」の記事が掲載された。その中で「はなまるマーケット:リンゴでアレルギー予防」を取り上げ異議を唱えている。情報源は医学博士・三好基晴氏で、「『信じている』ことを根拠にする科学者にも、専門家が言うからと言い訳する局にも驚きです」とコメントしている。この人、大丈夫なのか。科学者が信じるのは実験結果に基づく科学的根拠である。リンゴでアレルギー予防については下記にまとめてあるので読んでほしい。
アサヒ芸能も怪しい医学博士の言説を鵜呑みにするのではなく、ちゃんと取材するべきだろう。私たちに実験が最も大切なように、記者にも取材が最も大切なのではなかろうか。こんなことをしているとアサヒ芸能も「あるある汚染」に飲み込まれてしまう。
リンゴがアレルギー予防に効果があることの科学的根拠
http://www.kudamononet.com/LifeStyle/medical/allergy.html
安井至氏が運営している「市民のための環境学ガイド書庫」の中に、日垣隆氏(作家)が三好基晴氏の問題点を指摘している文章が掲載されている。
http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/FridayHigaki.htm
サイト中ほどに三好氏のアトピー論、環境ホルモン論の詐欺的手法が述べられている。
2007/02/02 北陸学院短期大学
石川県金沢にある北陸学院短期大学で「食事バランスガイドと果物がもつ健康機能性」について約90分間講演を行った。大きな講堂が一杯で全部で170人ほどの栄養学科の1,2年生が出席してくれた。
投稿者
kudamononet
2007年1月
2007/01/31 2型糖尿病の予防に生活習慣の改善が有効
生活習慣の改善は2型糖尿病を予防あるい進行を遅らせることができるとイギリスの研究チームが発表した。食事内容を健康的なものにして運動量を増加させると2型糖尿病の発症リスクを半分に出来るとしている。従って、研究者らは糖尿病予防薬ととともに生活習慣の改善が糖尿病を予防するために必要であるとしている。
【文献】
Gillies, C. L. et al.: Pharmacological and lifestyle interventions to prevent or delay type 2 diabetes in people with impaired glucose tolerance: systematic review and meta-analysis. BMJ. Online 19, Jan. 2007 [doi:10.1136/bmj.39063.689375.55]
2007/01/30 産経新聞に「果物」の記事
産経新聞に「見直しましょう“果物” ダイエットに効果 生活習慣病を予防」が掲載された。多くの人に読んでもらえるとうれしい。
WEBサイトにも記事が掲載されている。
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/kenko/070130/knk070130000.htm
2007/01/29 朝食を食べない子供は十代後半で体重が増す
アメリカ・ミリアム病院とブラウン医科大学の研究グループが、アメリカの9,919人の青少年(7学年~12学年まで)を対象に調査を行った結果、朝食を食べない子供とファーストフードをひんぱんに食べる子供は十代後半に体重が増加することが分かった。
【文献】
Niemeier, H. M. et al.: Fast Food Consumption and Breakfast Skipping: Predictors of Weight Gain from Adolescence to Adulthood in a Nationally Representative Sample. J. Adol. Health. 39: 842-849. (2006) [doi: 10.1016/j.jadohealth.2006.07.001]
2007/01/28 肥満患者はやせの患者より急性心不全の回復が早い?
アメリカ・カリフォルニア大学の研究グループが、BMI値が高いほど急性の心臓疾患で入院した患者の病院内の死亡率が低いと発表した。この研究結果は、従来の考え方(BMI値が高く肥満の人ほど心臓病による死亡率が高い)と大きく異なる。そのため、研究論文のタイトルも肥満パラドックスとしている。
研究では108,927人を対象にアメリカ国内263病院で行われた。BMI値に従って4分割(QI:16.0-23.6, QII:23.7-27.7, QIII:27.8-33.3, QIV:33.4-60.0)して調査したところ高いグループは低いグループより死亡率が10%低かった。
肥満の人は新陳代謝が良く回復が早くなり院内の死亡率が低いと示唆されるが、この研究だけでは不足でさらなる研究が必要であるが興味深い研究である。
【文献】
Fonarow, G. C. et al.: An obesity paradox in acute heart failure: Analysis of body mass index and inhospital mortality for 108927 patients in the Acute Decompensated Heart Failure National Registry. Amer. Heat J. 153: 74-81. (2007)
2007/01/27 果物と野菜の摂取はメタボリックシンドローム予防に効果
イランの研究チームがテヘランに住む486人を対象に果物と野菜の摂取とC反応性タンパク質とメタボリックシンドロームとの関係について調べた。被験者の果物の摂取量は、平均で1日当たり228±79g、野菜の摂取量は186±88gであった。血液中のC反応性タンパク質は、果物の摂取量に従って5分割し低い順に1.94、1.79、1.65、1.61、1.56mg/Lであった。また、野菜では順に2.03、1.82、1.58、1.52、1.47mg/Lであった。メタボリックシンドロームとの関係では果物の摂取量が多い人は少ない人よりリスクが34%低く、野菜では30%低かった。
以上の結果より、果物と野菜の摂取はメタボリックシンドロームのリスクを下げることが分かった。その理由としてC反応性タンパク質が関係していると考えられた。従って、果物と野菜の摂取量を増やす必要があると研究者らは述べている。
【文献】
Esmaillzadeh, A. et al.: Fruit and vegetable intakes, C-reactive protein, and the metabolic syndrome. Am. J. Clin. Nutr. 84: 1489-1497. (2006)
2007/01/26 炎症性遺伝子と塩分過敏性高血圧との関連
アメリカ・ジョージア医科大学の研究者らは、高血圧と炎症性遺伝子との関連性を指摘している。研究グループは、高血圧とは炎症性症状の一種であり、高血圧症状を引きおこすのはある種の遺伝子環境における多くの相互作用の結果であるとして研究を行っている。研究者らは、炎症反応と高血圧は、ナトリウムを放出する腎臓の能力と関係があると考えている。
研究の詳細はジョージア医科大学の下記のサイトで読める。
http://www.mcg.edu/news/2006NewsRel/Zhu122706.html
2007/01/25 オリーブオイルはガンのリスクを減らす
オリーブオイルを食事に追加するとガンのリスクが減少するとデンマークの研究チームが発表した。研究では、182人の男性を対象に1日当たりオリーブオイルを2.5ml摂取してもらったところ、細胞の損傷を示すバイオマーカー8oxodGのレベルが下がった。
一方、北ヨーロッパの人は、南ヨーロッパの人と比べて8oxodGのレベルが高いが、この違いはオリーブオイルの摂取量と関係している可能性があると研究者らは述べている。
【文献】
Machowetz, A. et al.: Effect of olive oils on biomarkers of oxidative DNA stress in Northern and Southern Europeans. FASEB J. Online Nov. 16, (2006) [doi: 10.1096/fj.06-6328com]
2007/01/24 ねつ造事件と視聴率
昨日発売された週刊朝日に「納豆ダイエット「ウソだった!」(112: 18-24. (2007) 2/2号)」が掲載された。この記事を読むと、関西テレビが主張している「部分的には事実と異なる内容を放送してしまったが、番組全体については学説に基づいて制作した」としていることも怪しくなる。納豆と体重との関係を調べたデータが本当にあるのだろうか。また、被験者の体重を本当に減少したのかも疑問を感じる。相当に悪質な事例である可能性がある。
今回のねつ造事件は、番組の評価を視聴率という1つの数字だけからみることと関係しているのではないかと思う。視聴率が良いとは視聴者の要求を満たす番組である。視聴者の要求を満たす番組が良い番組であり、視聴者の要求を満たせない番組は悪い番組であるとなる。この論理からすると視聴率の良かった納豆ダイエットの番組内のデータのねつ造も許容されてしまう。視聴者は、番組を見て満足したのだから文句を言う筋合いはないとなる。再発防止は視聴率に頼らない番組評価に改めることが必要ではないかと思う。
2007/01/23 混濁リンゴジュースはポリフェノールが多い
ポリフェノールは、心臓病やガンのリスクを下がることが知られている。ポーランドの研究者らが、リンゴの混濁ジュースと清澄ジュースを分析したところ、混濁ジュースのポリフェノール含量は清澄ジュースと比較して2倍多く含まれていることが分かった。
【文献】
Oszmianski, J. et al.: Comparative study of polyphenolic content and antiradical activity of cloudy and clear apple juices. J. Sci. Food Agri. Online: 15 Jan (2007) [DOI: 10.1002/jsfa.2707]
2007/01/22 「発掘!あるある大事典Ⅱ」のデータねつ造と果物との関係
本サイトで紹介している果物のガン予防とリンゴなど果物のダイエット効果についても番組内で取り上げられている。この点についての科学的根拠は充分にあり、「あるある大事典」の検証結果の如何に関わらず本サイトの記事を変更する必要はないと考えている。
リンゴなど果物のダイエット効果は、カロリーが少なくて、重さに比べてボリュームが大きく、水分や食物繊維を多く含むためである。例えば、リンゴの食物繊維は、水を吸収すると体積が12~38倍にも大きくなる。このように食物繊維は、ボリュームを大きくする力が強いため満腹感が得られ、結果として摂取する食事の量が減り、体重を減らす効果がある。
果物とガン予防は下記にまとめた。
http://www.kudamononet.com/LifeStyle/medical/cancer.html
果物のダイエット効果は下記にまとめた。
http://www.kudamononet.com/LifeStyle/medical/obesity.html
2007/01/21 「発掘!あるある大事典2」でねつ造
「発掘!あるある大事典2」で1月7日に放送された「食べてヤセる!!!食材Xの新事実」でねつ造があったと番組を制作した関西テレビが発表した。
ねつ造は以下の5点であるという。1)被験者がやせたことを示すのに別人の写真を使用した。2)米の大学教授の発言の日本語訳の一部をねつ造した。3)被験者の一部の中性脂肪値が正常値になったとしたが測定していなかった。4)納豆を朝2パックまとめて食べた場合と、朝晩1パックずつ食べた場合の比較で、被験者の血中イソフラボン濃度の結果をねつ造した。5)被験者の血中のDHEA(副腎から分泌されて性ホルモン)のデータをねつ造した。また、年齢に伴ってDHEAが減少するとしたグラフを許可なく引用したことも発表した。
なぜ、ねつ造したのか。ねつ造が極めて悪質な問題であることは情報を発信するテレビ局としてのイロハではないのか。被験者の体重は実際に減ったとテレビ局は発表しているが本当か。この部分が崩れるとさらにねつ造のたちが悪くなる。
「部分的には事実と異なる内容を放送してしまったが、番組全体については学説に基づいて制作した」としているが、本当に充分な科学的根拠があるのかも検証の対象となるだろう。
関西テレビは社内に調査委員会を設け、原因の究明を行うとともに過去の放送分についても検証を行い、番組を継続するかどうかを含めて検討するとしている。また、関西テレビから同番組の制作を受注した「日本テレワーク」は、2年前にも番組で実験結果をねつ造し、放送が打ち切りになっていたと毎日新聞が伝えている。
2007/01/21 ねつ造事件のコメントを考える
新聞各紙がねつ造問題に対して消費者の怒りの声を掲載している。一方、メーカーなどは、「納豆にはあまり栄養がないとされるのが怖い」、「納豆は伝統ある食品。今回の問題には困惑しているが、納豆に対する消費者の信頼は崩れないと確信している」とコメントしている。だが、全国紙におわび広告を出した大手納豆メーカーT社の担当者は、「正直言って、テレビで放映されて良かったという声は社内では一つもない」とコメントしている。
ねつ造と科学的根拠のある納豆の健康効果とは直接的な関係はないが影響は避けられないだろう。だが、T社のコメントは予想の範囲内だが、やはり悲しい。
昨年の「発掘!あるある大事典2(第130回:10月22日)」で『あなたのダイエットフルーツはどっち?みかんorリンゴ』が放映された。その中で果物のダイエット効果についてコメントした部分には充分な科学的根拠があるので問題はない。が、番組の一部にねつ造があればやはり事件になる。そのとき、T社の担当者のように関係者から「正直言って、テレビで放映されて良かったという声は一つもない」とのコメントは必ず出てくるだろう。あるいは「勝手に情報を流して迷惑である」とも言われるだろう。
情報を発信するとは、リスクを負うことでもある。このリスクを避けるには情報を発信しないことである。どちらを選ぶかは研究者の選択だろう。私はこうしたリスクを選択した。ただし、ねつ造や科学的根拠のない情報、科学的根拠があっても納得できない報告は流さないと決めている。
2007/01/20 アメリカ:2年連続ガンの死者実数が減少
アメリカでガンによる死者の実数が2年連続で減少したとアメリカガン学会が発表した。2年連続の減少にアメリカガン学会のSeffrin会長は「予防、早期発見、治療の効果を高める努力が、命を救う劇的な結果をもたらしている」と述べた。
2003年にガンによる死者実数が前年より369人減少した。このことは1930年から統計を取り出して初めてのことであった。2004年の死者実数は553,888人で、2003年より3014人減った。
2004年は女性の肺・気管支以外の肺・気管支、結腸・直腸、前立腺、乳ガンにによる死亡実数が前年より減少した。
上記発表は下記のサイトで読める。
http://www.cancer.org/docroot/NWS/content/
NWS_1_1x_Cancer_Deaths_Down_Again.asp
2007/01/19 記者懇談会盛況
本日開催された「毎日くだもの200グラム運動」記者懇談会は盛況でした。多くの方にお集まりいただき、会場が狭いくらいでした。また、質問が多く、予定していた時間をかなりオーバーしましたが熱心な質疑で充実した懇談会でした。果物の力を知っていただけたのではないかと思います。
『食事バランスガイドに果物が初めて入った理由』
~医者にも誤解されている果物の効能~
「果物の摂取は糖尿病を誘発しやすい」というのは誤りで、逆に予防に効果的です。そのほか果物摂取はダイエットに効果的なことや生活習慣病予防に有効なことも科学的にも証明されています。
農研機構果樹研究所 果物&健康NEWS編集長 田中敬一
試食会:リンゴを使ったフルコースのオリジナルレシピの紹介~家庭で簡単に作れます~
サッポロライオン銀座ライオンブラッスリー小松店調理長 安齋功ニ氏
【 日時 】 平成19年1月19日(金) 14:00 ~ 15:30 (13:45より受付)
【 会場 】 銀座ライオンブラッスリー 小松店
中央区銀座6-9-5 ギンザコマツB1 TEL 03-3571-7000
問い合わせ・申し込みは下記までお願いいたします。
「毎日くだもの200グラム運動」記者懇談会事務局
㈱サン・クリエイティブ・パブリシティ内 青木
2007/01/19 ポリコサノールはコレステロールを下げない
アメリカでベストセラーの1つとして知られる栄養補助食品ポリコサノール(policosanol)は、コレステロールを下げると広告されているが、その効果はないと科学雑誌に報告された。
ポリコサノールはコレステロールを下げるスタチン(statin)と同じくらい有効であるとの報告が複数あるが、一つの研究グループからの報告のみであった。
そこで、ノースカロライナ大学の研究グループは、コレステロールがやや高い40人の成人に対して偽薬とポリコサノールを8週間以上飲用してもらった。その結果、偽薬と比べてポリコサノールのコレステロール改善効果は認められなかった。
【文献】
Dulin, M. F. et al.: Policosanol is ineffective in the treatment of hypercholesterolemia: a randomized controlled trial. Am. J. Clin. Nutr. 84: 1543-1548. (2006)
2007/01/18 カリフォルニアに大寒波、カンキツに大被害
アメリカ・カリフォルニア州に寒波が襲来し、氷点下の気温が数日間にわたって続いたため、収穫を控えたオレンジやレモンなどのカンキツが大きな被害を受けているとCNNが伝えている。収穫予定のカンキツのうち、4分の3が被害を受けた可能性があるとしている。カリフォルニア州のカンキツの生産量は全米一であり、販売されるレモンの86%、オレンジの21%を占めているため寒波による被害が価格や供給量に大きな影響を与えると予想されている。
CNNの記事は下記のサイトで読める。
http://www.cnn.com/2007/US/01/17/citris.freeze.ap/index.html
2007/01/17 低炭水化物、高タンパク質ダイエットで総死亡率が増加
ヨーロッパで健康な成人113,230 人を対象に総死亡率について追跡調査が行われた。その結果、炭水化物の摂取量が多いと総死亡率は減少したが、タンパク質の摂取量が多いと総死亡率は増加していた。炭水化物とタンパク質と摂取量に従って5分割した場合、低炭水化物で高タンパク質の食事をしている人の死亡リスクが22%高くなることが分かった。
【文献】
Trichopoulou, A. et al.: Low-carbohydrate-high-protein diet and long-term survival in a general population cohort. Eur. J. Clin. Nutr. Online Nov. 29. (2006) [doi: 10.1038/sj.ejcn.1602557]
2007/01/16 低タンパク質ダイエットはガン予防に効果的
アメリカ・ワシントン医科大学の研究から、長期的に低たんぱく質、低カロリーダイエットをする人は、定期的に持久運動している人と比べて血漿成長因子の一つIGF-1が極めて低くガンに対する保護効果がより強いことが分かった。
【文献】
Fontana, L. et al.: Long-term low-protein, low-calorie diet and endurance exercise modulate metabolic factors associated with cancer risk. Am. J. Clin. Nutr. 84: 1456-1462. (2006)
2007/01/15 ゆっくり食べると摂取カロリーが減少する
アメリカ・ロードアイランド大学の研究から、ゆっくり食事をすると摂取カロリーが減少することが分かった。若い女性30人にパルメザンチーズで付けられたトマトと野菜ソースの食事を好きなだけ食べてもらったところ、急いで食べたとき(9分)は平均646カロリー摂取したが、ゆっくり食べるとき(29分)は579カロリーの摂取であった。このことから、ゆっくり食べることで、食べる量も減り、食をより楽しむことができることが分かった。
【文献】
Andrade, A. et al.: Eating rate and satiation. 2006 Obesity Soc. Ann. Sci. Meeting. 20-OR (2006)
著者による解説記事は下記のサイトで読める。
http://www.uri.edu/news/releases/?id=3771
2007/01/14 肝臓ガンのリスクに影響する食品
イタリアで行われた研究によると、牛乳、ヨーグルト、果物などを多く摂取していると肝臓ガンのリスクが低くなることが分かった。185人の肝臓ガン患者と健康な412人を対象に研究を行った結果、肝臓ガンのリスクが牛乳とヨーグルトを多く摂取していると78%、卵では69%、トリ胸肉では56%、果物では52%低くなったが、野菜では統計的な差は認められなかった。
【文献】
Talamini, R. et al.: Food groups and risk of hepatocellular carcinoma: A multicenter case-control study in Italy. Int. J. Cancer 119: 2916-2921. (2006) [doi: 10.1002/ijc.22267]
2007/01/13 葉酸の摂取量が多い人とアルツハイマー病のリスクが低い
葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12は、ホモシステインレベルを下げる働きを通じてアルツハイマー病のリスクを下げるとされていた。
そこで、オーストラリア・タスマニア大学の研究チームは認知症のない65歳以上の965人を対象に追跡調査を行った結果、葉酸の摂取量が最も多いグループは、少ないグループと比較してアルツハイマー病の発症リスクが半分であった。一方、ビタミンB6とB12ではこうした関係は認められなかった。
以上の結果から葉酸の摂取は、アルツハイマー病の発症と関係していると結論づけた。
果物は葉酸が豊富であること、管ののの摂取量が多いとアルツハイマー病発症のリスクが少ないことなどがすでに報告されているが、こうした報告と今回の結果は矛盾しない。
【文献】
Luchsinger, J. A. et al.: Relation of Higher Folate Intake to Lower Risk of Alzheimer Disease in the Elderly. Arch. Neurol. 64: 86-92. (2007)
2007/01/12 腸内細菌が肥満と関係
同じだけ食べても太る人と太らない人がいるが、その理由に腸内細菌が関係しているとアメリカ・ワシントン大学医学部の研究チームが発表した。
マウスの腸内に棲む 主要な腸内細菌であるBacteroidetesとFirmicutesについて調べた結果、肥満のマウスの腸内のBacteroidetesは50%未満で、Firmicutesは50%以上であった。また、肥満の患者は、肥満のネズミと同様にBacteroidetesが少なくFirmicutesが相対的に多いことが分かった。さらに、肥満患者の体重が減少するに伴って腸内の Bacteroidetesは増加しFirmicutesは減少した。以上の結果より、肥満の現任の一つとして腸内細菌が関係していると結論づけた。
【文献】
Turnbaugh, P. J. et al.: An obesity-associated gut microbiome with increased capacity for energy harvest. Nature 444: 1027-131 (2006) [doi: 10.1038/nature05414]
2007/01/11 16世紀:イタリア・メディチ家当主の変死の理由解明
イタリア・フィレンツェの支配者だったメディチ家当主で、変死したフランチェスコ1世(1541―87年)夫妻の死因は、ヒ素による毒殺であったことをイタリアの研究チームが明らかにした。
夫妻は1587年10月、同時に倒れ1日違いで亡くなった。当時からフランチェスコ1世の弟で枢機卿のフェルディナンド1世が当主の座を狙い毒殺したとのうわさが広まったが、マラリア原因説も強くイタリア史の謎とされていた。
研究チームは、素焼きのつぼに納められ教会に保管されていた夫妻の肝臓組織を分析し、通常以上のヒ素を検出したことから毒殺されたと結論づけた。
【文献】
Mari, F. et al.: The mysterious death of Francesco I de' Medici and Bianca Cappello: an arsenic murder? BMJ 333: 1299-1301. (2006) [doi: 10.1136/bmj.38996.682234.AE]
2007/01/10 それでもリンゴはダイエットに効果的
1月6日付け毎日新聞に「本当?「2週間で2キロ程度やせられる」 過大評価は危険」(小島正美記者)と題した記事が掲載された。この記事は、「発掘!あるある大事典」の番組内容の検証であるが、放送された内容の一部のみ(ポリフェノール)を取り上げ、学者は疑問視として、高橋久仁子・群馬大学教育学部教授と度会隆夫・甲子園大学栄養学部教授のコメントを掲載している。
リンゴのダイエット効果は、ポリフェノールよりも食物繊維の寄与が大きいと考えているが、この点については、わずか60字程度触れているのみである。私たちの主張は、本サイト(下記)に掲載しているので読んでいただきたいが、検証取材として十分ではないと思う。
また、識者の「2、3の症例だけでは信頼できるデータとはいえない」とするコメントも承伏しかねる。リンゴはダイエットに効果的であるとする十分な論文があると考えており、こうした論文を読まれたあとの科学的な反論は考慮する必要があるが、読んでいないと思われるコメントには納得できない。むしろ、データを見てもいないのにコメントするとは科学者の態度としてどうなのかと疑問を感じる。
果物摂取でダイエット、肥満予防 - 目次
2007/01/03 若いときの運動は将来の骨折リスクを減らす
アメリカ・インディアナ大学の研究者らは、ラットの実験から若いときに運動しておくと大人になってからの骨折リスクが減ると発表した。若いときに運動しておくと骨のサイズや強さが増強され、運動による疲労の回復も良く、このことは一生涯続くことが分かった。
【文献】
Warden, S. J. et al.: Exercise When Young Provides Lifelong Benefits to Bone Structure and Strength. J. Bone Mineral Res. online (2006) [doi: 10.1359/jbmr.061107]
2007/01/01 謹賀新年
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿者
kudamononet
2006年12月
2006/12/30 隕石から地球外の有機物発見
カナダ北西部の氷原に落ちた隕石の中から、約46億年前の太陽系誕生当時に形成されたと考えられる有機物が発見されたと、米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターの研究チームが発表した。地球上の現在の有機物とは同位体の組成に大きな違いがあり、太陽や惑星が生まれつつあった原始太陽系の一番外側の区域で形成された有機物である可能性が極めて高いと述べている。
発見された有機物には、中性子が1個多い窒素15(15N)の含有量が地球の有機物に存在する比率より1.2~2倍多く含まれていた。また、中性子が1個多い重水素の含有率は地球の有機物に存在する比率と比較して2.5~9倍も多く含まれていた。
こうした有機物の特徴は、-260°前後の極寒の環境下で出来たことを示していると考えられることから、地球で最初の生命が誕生した際に材料になった有機物は、隕石などで地球外からもたらされたとする説を裏付けるデータである。
【文献】
Nakamura-Messenger, K. et al.: Organic Globules in the Tagish Lake Meteorite: Remnants of the Protosolar Disk. Science 314:1439-1442. (2006) [DOI: 10.1126/science.1132175]
2006/12/29 新サーバーへ移転
レンタルサーバーが更新されたため、すべてのコンテンツを新しいサーバーに移転しましたた。そのため、不具合が生じる可能性があり、ご迷惑をおかけすることがあります。分かり次第修正していきますのでよろしくお願いいたします。
2006/12/24-25 サンタ移動中
12月25日午前6時20分エジプトのピラミッド付近を通過中です。。
12月25日午前0時20分中国万里の長城付近を通過しました。
12月24日午後10時45分予定通り富士山のそばを通過しています。新幹線も新しい型になっています。
12月24日午後7時16分ニュージーランド上空でサンタの姿が発見されました。
2006/12/24 本日サンタは東京上空を23時頃に通過予定?
クリスマスに合わせて、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)によるサンタ追跡が始まる。昨年は18:17頃に北極上空でサンタさんが発見された。東京では23:00頃にサンタさんは東京上空を新幹線より100倍速いスピードで移動していると報告された。今年はどうだろうか?
サンタさん発見情報は下記のサイトで。
http://www.noradsanta.org/jp/tracking.php
2006/12/23 リンゴ赤色を制御する遺伝子の発見
オーストラリア・CSIRO Plant Industryの研究者らは、リンゴの赤色を制御する遺伝子を発見したと発表した。リンゴの皮の赤色はアントシアニンに起因する。また、アントシアニンは酸化防止剤として健康に寄与する。
そこで、光で活性化する遺伝子に焦点を合わせ研究を行った結果、R2R3 MYBがアントシアニンの生合成の転写制御因子であることが分かった。転写制御因子とは、最終的にタンパク質として発現する過程における、最初でかつ最大の影響を及ぼす制御因子のことである。
この遺伝子の発見により色が良くて健康に役立つリンゴの育成が進むと期待されている。
【文献】
Takos, A. M. et al.: Light-Induced Expression of a MYB Gene Regulates Anthocyanin Biosynthesis in Red Apples. Plant Physiol. 142: 1216-1232. (2006) [doi: 10.1104/pp.106.088104]
2006/12/22 水溶性ビタミン葉酸の吸収メカニズム
アメリカ・アルバート・アインシュタイン医科大学の研究者らは水溶性ビタミンである葉酸の吸収に係わるタンパク質(PCFT/HCP1)を発見したと発表した。
水溶性ビタミンは、小腸の脂溶性の細胞膜を簡単には通過できない。そのため、水溶性ビタミンを吸収する特別なメカニズムがあると考えられていた。
研究者らは、葉酸分子を小腸の細胞内へ輸送するPCFT/HCP1と名付けた膜タンパク質を特定した。また、PCFT/HCP1の遺伝子変異が遺伝性葉酸吸収不全症の原因となることを示した。
このタンパク質を持たない幼児は、葉酸の吸収が出来ないために遺伝性葉酸吸収不全症となることから、遺伝子診断による疾病防止に役立つと期待されている。
【文献】
Qiu, A. et al.: Identification of an Intestinal Folate Transporter and the Molecular Basis for Hereditary Folate Malabsorption. Cell 127: 917-928. (2006)
2006/12/21 仕事で燃え尽きると、2型糖尿病リスクが上がる
イスラエル・テルアビブ大学の677人中年男性を対象とした調査によると、仕事で燃え尽きた人は2型糖尿病が発症しやすい傾向にあることが分かった。
仕事で感情的疲労、肉体的疲労、認識的な疲れなどで燃え尽き症候群になった人は2型糖尿病のリスクが1.84倍に高まることが分かった。
【文献】
Melamed, S. et al.: Burnout and Risk of Type 2 Diabetes: A Prospective Study of Apparently Healthy Employed Persons. Psychosom. Med. 68: 863-869. (2006)
2006/12/20 BMIとウエストサイズで糖尿病を予測
BMIとウエストサイズは、前-糖尿病状態でインシュリン抵抗性の人の心臓病や代謝性異常のリスクを予測出来ることをカリフォルニア・スタンフォード大学の研究グループが明らかにした。
ボランティア261人を対象に、BMI、ウエストサイズ、コレステロール、中性脂肪、インシュリンなどを測定した結果、BMIかウエストサイズを測定することで糖尿病患者の心臓病リスクを予測できると結論づけた。
【文献】
Helke, M.F. et al.: Comparison of Body Mass Index Versus Waist Circumference With the Metabolic Changes That Increase the Risk of Cardiovascular Disease in Insulin-Resistant Individuals. Amer. J. Cardiol. 98: 1053-1056. (2006)
2006/12/15 赤ワインに含まれるポリフェノールは心臓病のリスクを下げる
赤ワインの適度な消費は冠状動脈性心臓病のリスクが低いが、特に、赤ワインに含まれているポリフェノールの一種であるプロシアニジンにその活性が強いことが分かったと、イギリスの研究グループが発表した。
また、フランスの南西地方やイタリアのサルデーニャ島のワインにはこのプロアントシアニジンが多く含まれており、75歳以上の男性の比率が多く長生きする傾向にあった。
【文献】
Corder, R. et al.: Oenology: Red wine procyanidins and vascular health. Nature 444, 566. (2006) [doi: 10.1038/444566a]
2006/12/12 講演「ナシの機能性と健康」
大分県なし生産振興大会(12月12日:大分県由布市狭間町中央公民館「未来館」(主催:大分県なし研究会)で「ナシの機能性と健康」について講演を行った。大会は、ナシ生産農家など約200名が参加しで盛り上がった。
2006/12/11 火星で新しい水の流れた跡の発見
アメリカの火星探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー(Mars Global Surveyor )」が撮影した画像を分析したところ、火星のクレーター内に新しくできた水の流れたあとのような地形が発見された。火星には太古に海があったことが確実視されているが、この発見から現在も地表に水が流れ出ていることが示唆される。
研究チームは1999年と2006年に撮影した火星表面の画像を比較したところ、7年前にはなかった新しいクレーター20個と、液体が流れてできた峡谷のような地形2カ所を見つけた。峡谷はいずれも南半球のクレーター内壁にあり、長さ数百メートルで、地下の氷が溶けて、水が地表に流出した跡と推測している。
【文献】
Malin, M. C. et al.: Present-Day Impact Cratering Rate and Contemporary Gully Activity on Mars. Science 314: 1573-1577. (2006) [DOI: 10.1126/science.1135156]
2006/12/10 世界では1%の人が富の40%を所有している
国連の世界開発経済研究所が「世界の個人の富の状況(The World Distribution of Household Wealth)」調査から、世界では1%の人が富の40%を所有し、2%では約半分の富を所有していた。一方で、世界の約半数を占める貧しい人々は「富」の1%しか所有していないことが分かった。世界を10人の集団にたとえると、1人が99%の富を独占し、残りの1%を9人で分けている状態となっていることになると述べている。
各国政府や国際機構の2000年の統計をもとに、不動産や預貯金、株式などの個人の資産から借金などの負債を差し引いたものを「富」と定義した。また、国有資産となっていることが多い原油などの資源や大企業の資産は除外された。
上記の報告は下記のサイトで読める。
http://www.wider.unu.edu/research/2006-2007/
2006-2007-1/wider-wdhw-launch-5-12-2006/
wider-wdhw-press-release-5-12-2006.htm
2006/12/09 アメリカガン学会によるガン治療後のガイドライン
アメリカガン学会(ACS)は、科学的な証拠に基づいたガンの治療と回復期の栄養、身体的活動について専門家による評価を行い新ガイドラインを発表した。
ガンと診断されたあとの最も良い治療は、最適栄養の摂取と運動である。治療後の最適栄養は、アメリカガン学会のガン予防のための栄養摂取基準と原則的には同じである。
果物摂取は、ガンの進行に影響するビタミン、ミネラル、ファイトケミカル、食物繊維など多数の成分を含んでいるだけでなく、低カロリーで満腹感を促進する食品であることから健康的な体重維持に有効と考えられるとし、積極的な摂取を推奨している。
【文献】
Doyle, C. et al.: Nutrition and Physical Activity During and After Cancer Treatment: An American Cancer Society Guide for Informed Choices. CA Cancer J. Clin. 56: 323-353. (2006)
2006/12/08 赤味の肉は大腸ガン発症のリスクを高める
赤身の肉および加工された肉を食べる人は大腸ガン発症のリスクが高いと、スエーデン・カロリンスカ研究所のグループが発表した。
赤身の肉に関する15の研究と加工された肉に関する14の研究を調べた結果、赤身の肉を食べる人は、結腸・直腸ガン発症のリスクが28%、加工された肉を食べる人は20%上昇することが分かった。また、男性で1日当たり120グラムの赤身肉を食べる人は28%リスクが高かった。また、加工された肉を1日当たり30グラムを食べる人は9%リスクが増加した。
【文献】
Larsson, S. C. and Wolk, A.: Meat consumption and risk of colorectal cancer: A meta-analysis of prospective studies. Inter. J. Cancer. 119: 2657 - 2664. (2006)
2006/12/02 高炭水化物・低GI食で心疾患のリスクと体重の減少
高炭水化物で低グリセミック・インデックス(GI)の食事は、心疾患発症のリスクを下げ、体重も減少すると、オーストラリア・シドニー大学の研究グループが発表した。
炭水化物を55%以上摂取する高炭水化物食と、タンパク質を25%以上摂取する高タンパク質食について、炭水化物のGI値が高い時と低い時の4つの食事について、肥満または過体重のヒト129人(18~40歳)を対象に12週間調査を行った。
その結果、高炭水化物・低GI食と高タンパク質・高GI食で体重の減少が大きかった。また、BMI値が5%以上減少した人の割合は両者とも50%以上であった。
一方、心疾患発症と関係するLDL-コレステロールでは、高炭水化物・低GI食で統計的に有意に減少していた。しかし、高タンパク質・高GI食では高くなった。
以上の結果から、研究者らは、高炭水化物・低GI食は、心疾患発症を予防できるだけでなく、体重も減らせることから、体重減少に有効な高タンパク質ダイエット(アトキンス・ダイエット)の必要性はない考えている。
【文献】
McMillan-Price, J. et al.: Comparison of 4 Diets of Varying Glycemic Load on Weight Loss and Cardiovascular Risk Reduction in Overweight and Obese Young Adults: A Randomized Controlled Trial. Arch. Intern. Med. 166: 1466-1475. (2006)
2006/12/01 血液中のビタミンEレベルの高い人は死亡リスクが低い
50-60才代の喫煙男性29.092人を調査したフィンランド・ヘルシンキで行われた研究によれば、血液中のビタミンEレベルの高い人はガンや心臓病などの死亡リスクが低いことが分かった。
血液中のビタミンEレベルの高い人は、低い人に比べて死亡率が18%低くかった。また、ガンでは21%、心臓病では19%、その他の疾病では30%低かった。また、最適な血液中のビタミンEのレベルは13-14mg/lと考えられた。
ビタミンEのサプリメントの摂取では死亡率改善効果が認められていないが、研究者らは、食事からビタミンEを摂取することは有益であると結論づけている。
【文献】
Wright, M. E. et al.: Higher baseline serum concentrations of vitamin E are associated with lower total and cause-specific mortality in the Alpha-Tocopherol, Beta-Carotene Cancer Prevention Study. Amer. J. Clin. Nutr. 84: 1200-1207. (2006)
投稿者
kudamononet
2006年11月
2006/11/30 札幌にて記者懇談会
札幌にて「毎日くだもの200グラム運動」の記者懇談会に出席し、『本当はすごいくだものの科学』―くだものでできる「ダイエット」と「ガン予防」「糖尿病予防」-について説明した。札幌ではもう雪が降っていた。
2006/11/29 心筋梗塞に血中コレステロール値は関係、卵は無関係
約9万人(男性43,319人、女性47,416人)を対象に心筋梗塞との関係を調べたところ、血液中の総コレステロール値が高いほど、心筋梗塞リスクが高くなっていた。総コレステロール値が180mg/dL未満の人に比べると240mg/dL以上の人の心筋梗塞のリスクは2倍であった。また、卵を「ほとんど毎日食べる」グループが、卵を食べる回数が少ないグループより心筋梗塞のリスクが高いわけではなかった。
以上の結果より、心筋梗塞予防には、総コレステロールを低く保つことが重要であり、卵以外の動物性脂肪などで総コレステロール値の上昇が起きると考えられる。
【文献】
Nakamura, Y. et al.: Egg consumption, serum total cholesterol concentrations and coronary heart disease incidence: Japan Public Health Center-based prospective study. Br. J. Nutr. 96: 921-928. (2006)
2006/11/28 大腸ガンのリスクは男性の方が高い
大腸ガンの原因となるポリープは、女性よりも男性に多くみられることをポーランドの研究グループが発表した。
大腸内視鏡を用いた大腸ガン検診プログラムに参加した40~66歳の被験者50,148人のデータを調べた。そのうち40~49歳の被験者は大腸ガンの家族歴がある人で、他の被験者は平均的リスクの人である。調査の結果、50~66歳では5.9%、40~49歳では3.4%に進行した大腸の病変またはポリープがみられた。また、男性では女性よりも73%多く、統計的に有意であった。
【文献】
Regula, J. et al.: Colonoscopy in Colorectal-Cancer Screening for Detection of Advanced Neoplasia. New Engl. J. Med. 355: 1863-1872. (2006)
2006/11/27 健康長寿の危険因子
ハワイに住む日系人の中年男性5,820人を40年間追跡調査したところ、冠動脈疾患、脳卒中、ガン、慢性閉塞性呼吸器疾患、パーキンソン病、糖尿病や認知機能障害、0.5マイル歩行不能な身体障害などの危険因子が6つ以上ある人の85才の生存の確率は9%であったのに対して、1つもないグループでは55%であった。
以上の結果から、中年期の危険因子を出来るだけ多く回避すれば、健康で長生きできると研究者らは述べている。
【文献】
Willcox, B. J. et al.: Midlife risk factors and healthy survival in men. J. Am. Med. Assoc. 296: 2343-2350. (2006)
2006/11/26 あすのそら色
TBSテレビ「あすのそら色」(午後6:25~6:30)でリンゴの健康機能性について話しました。短い時間でしたがリンゴの不思議なはたらきを解説しました。
2006/11/22 睡眠が不足すると体重が増加
アメリカで女性看護師68,183人を16年間追跡調査したところ、睡眠時間が5時間以下のグループでは、7時間のグループと比べて体重が1.14kg多いことが分かった。また、6時間のグループでは0.71kg多かった。8時間と9時間以上のグループでは、7時間のグループと同程度であった。
16年間に15kg以上体重が増加した人の割合は、7時間のグループと比べて、5時間以下のグループでは1.28倍、6時間のグループでは1.11倍であった。8時間と9時間以上のグループでは、7時間のグループと差がなかった。
以上の結果から睡眠不足は体重の増加や肥満に関連すると研究者らは述べている。
【文献】
Patel, S. R. et al.: Association between reduced sleep and weight gain in women. Am. J. Epid. 164: 947-954. (2006)
2006/11/21 丸ごとの果物は子供の体重を減らす
アメリカ・ペンシルベニア大学の研究から、丸ごとの果物の摂取が多い子供の体重は、そうでない子供と比較して減少していることが分かった。
また、今までに行われた研究では、果汁の摂取量と子供の体重増加とはリンクしていなかったが、今回の研究では、太り過ぎの傾向のある未就学児の場合、果汁の摂取は体重を増やす傾向が認められた。
ただし、この結果は果汁の摂取を止めると言うことではなく、適切な量を摂取する必要があることを意味すると研究者らは述べている。
【文献】
Faith, M. S. et al.: Fruit Juice Intake Predicts Increased Adiposity Gain in Children From Low-Income Families: Weight Status-by-Environment Interaction. Pediatrics 118: 2066-2075. (2006) [doi:10.1542/peds.2006-1117]
2006/11/20 糖尿病予防のための生活指導は、終了後も効果
フィンランドの研究によると、食事や運動に関するカウンセリングによって、2型糖尿病リスクの高い人の生活習慣を改善し、発症率を減らすことができることが明らかになった。
血糖値の高い糖尿病の予備軍に、生活習慣改善の個別指導を4年間行ったところ、終了から3年後も効果が続き、糖尿病の発生のリスクが36%下がった。
こうした結果から研究グループは、糖尿病予備軍に対する個別指導は、指導が終わってからも生活習慣の改善効果が持続し、糖尿病の発生率の低下につながると結論している。
【文献】
Lindstrom, J. et al.: Sustained reduction in the incidence of type 2 diabetes by lifestyle intervention: follow-up of the Finnish Diabetes Prevention Study. Lancet 368: 1673-1679. (2006) [DOI: 10.1016/S0140-6736(06)69701-8]
2006/11/19 世界で年間316万人の人が高血糖で死亡
高血糖は糖尿病、心疾患、脳卒中とリンクしており、世界で年間316万人が死亡していることが、アメリカ・ハーバード大学の研究から分かった。
世界各地の52カ国の血糖値のデータから最適値を超える血糖が心疾患および脳卒中による死亡に及ぼす影響を調べた。その結果、2001年に高血糖に起因する糖尿病により死亡したのは95万9,000人、同じく高血糖による心疾患および脳卒中による死亡はそれぞれ149万人、70万9,000人であった。これは、心疾患による死亡の21%、脳卒中による死亡の13%が高血糖に起因する。
高血糖による死亡数316万人は、糖尿病による死亡数を大幅に上回り、喫煙(480万人)、高コレステロール(390万人)、過体重・肥満(240万人)による死亡数に匹敵する。
そのため、研究者らは高血糖を危険因子(リスクファクター)として捉え、高血圧や高コレステロールと同じように、高血糖リスクを一般に知らせる必要性があるとしている。
【文献】
Danaei, G. et al.: Global and regional mortality from ischaemic heart disease and stroke attributable to higher-than-optimum blood glucose concentration: comparative risk assessment. Lancet 368: 1651-1659. (2006) [DOI:10.1016/S0140-6736(06)69700-6]
2006/11/18 明日を元気に くだもの教室 開催
荏原文化センター(東京都品川区中延1-9-15)
2006年11月18日(土曜日) 参加無料
午前 くだもの料理教室 フードプロデューサー 土井善晴氏
(親子料理教室は定員にが少ないので申し込みはお早めに)
午後 シンポジウム「知っトク、納得、おいしいくだものの不思議」
パネラー:和洋女子大副学長 坂本元子氏 農研機構果樹研究所 田中敬一
東京青果(株) 柿下秋男氏 フードプロデューサー 土井善晴氏
問合せ先:03-6418-6511 (財)中央果実生産出荷安定基金協会
http://www.kudamono200.or.jp/event/18kudamono-day.pdf
2006/11/17 メルマガ128号の配信は21日(月)に
ほぼ週刊メールマガジン「果物&健康NEWS」第128号の配信は配信システムが不安定なため21日月曜日になります。特集「果物摂取とぜん息予防」とクルミの記事です。しばらくお待ち下さい。
2006/11/16 女子学生は体重に対する意識は男子学生と大きく異なる
女子学生は男子学生よりやせる必要があると考えダイエットしているとアメリカ・ネブラスカ大学の研究チームが報告している。
研究者らは286人の大学生を調査したところ、男子学生の45.2%は、太りすぎか、肥満体であったが、女子学生は13.9%と少なかった。しかし、痩せる必要があると考えている男子学生は28.6%であったのに対し、女子学生は57.4%と、必要以上に多くが痩せたいと回答していた。
また、一度もダイエットしたことのない男子学生は79.1%であったが、女子学生は65.6%であった。男子学生も体脂肪に関心を持っているが女子学生ははるかに敏感であった。
大学生は脂肪、ナトリウムの摂取量が多く果実、野菜の摂取量が少ないなど、その食習慣は悪化の傾向がある。そのため、栄養改善の指導を行う必要があるが、男子学生と女子学生のダイエットに対する意識の違いを考慮した指導を行う必要があると研究者らは述べている。
【文献】
Davy, S. R. et al.: Sex Differences in Dieting Trends, Eating Habits, and Nutrition Beliefs of a Group of Midwestern College Students. J. Am. Diet. Assoc. 106: 1673-1677. (2006)
2006/11/15 睡眠不足の子供は肥満になりやすい
イギリス・ブリストル大学の研究から睡眠不足の子供は、肥満になりやすいことが明らかにされた。
睡眠不足は正常な代謝が阻害され、ホルモンが変化し食事の摂取量が増加する。また、睡眠不足による疲労が運動不足を引き起こす可能性がある。
摂食の抑制とエネルギー代謝の活性化に強く働きかける飽食因子(抗肥満ホルモン)ホルモンのレプチンが、毎晩8時間就寝する人より5時間の人で約15%低く、逆に、空腹のシグナルとして胃から分泌されるホルモンのグレリンが8時間睡眠の人より5時間の人で約15%多い。
以上のことから、睡眠と肥満との関係は、食事や運動と同じくらい重要であるとしている。
【文献】
Taheri, S.: The link between short sleep duration and obesity: we should recommend more sleep to prevent obesity. Arch. Dis. Child. 91: 881-884. (2006) [doi: 10.1136/adc.2005.093013]
2006/11/14 サプリメントは心臓病予防に役立たない
抗酸化成分やビタミンなどのサプリメントを摂取しても心疾患や脳卒中の原因となるを予防できないとアメリカ・ジョーンズホプキンス大学の研究者らが発表した。
今までに試みられた16の臨床試験の結果を分析した結果、サプリメント(葉酸塩、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンC、β-カロテン、セレニウム)を摂取してもアテローム性動脈硬化の進行を防ぐ効果がないことが分かった。
この結果は、サプリメントに心疾患などの予防効果がないことを示しているが、食事からのビタミンなど栄養素の摂取を重要性を否定しているわけではないことに注意が必要である。
【文献】
Bleys, J. et al.: Vitamin-mineral supplementation and the progression of atherosclerosis: a meta-analysis of randomized controlled trials. Am. J. Clin. Nutr. 84: 880-887 (2006)
2006/11/13 アメリカ人は減量のためのサプリメントの”誇大宣伝”を信じている
アメリカの成人は、減量のためのサプリメントを誤解していることがコネティカット大学の電話による調査から明らかになった。
調査に応じた1,444人のうち60%以上は減量のためのサプリメントは、FDAによって調査され安全で(65%)で、有効である(63%)と立証されていると誤ってい信じていた。また、アメリカ食品医薬品局(FDA)は減量のためのサプリメントを全く承認していないが、54%以上の人がFDAにより減量のためのサプリメントが承認されていると信じていることがわかった。
下記のサイトで調査の詳細が読める(英文)。
http://www.csra.uconn.edu/pdf/National_Dietary_Survey.pdf
2006/11/12 減量後の体重を維持すには行動計画が必要
減量した後にその体重を維持するには、リバウンドに備えて行動計画(自己規制プログラム)を立てることが重要であるとアメリカ・ブラウン大学の研究チームが発表した。
体重を減らすときには、洋服が似合うようになり、体重計の数字は下がり、周りの人が声をかけるなどがあるが、体重維持期に入るとこうしたことが少なくなり、リバウンドしやくなる。
そこで、米ブラウン大学の研究者らは、過去2年間で以前の体重より最低10%以上を減量した男女314人(平均で19.3kg(20%)減量)を対象にリバウンドに備えるための研究を行った。
被験者は3群に割り付けられ、「対照群」は、食事や運動習慣について書かれたニュースレターを年4回受けとった。「対面式対応群」は、定期的な体重測定に加えて専門家による助言やカウンセリングを直接受けた。「インターネット対応群」は定期的な体重測定に加えて専門家による助言やカウンセリングをインターネットで受けた。研究期間の18カ月後、約2.3kg以上体重が増加したのは、対照群で72%、インターネット群で55%、対面対応群では46%だった。
研究者らは、対面式対応群の成功には、毎日の体重測定だけではなく、体重報告の義務や、行動計画の必要性が関与していると述べている。
【文献】
Rena R. Wing, R. R. et al.: A Self-Regulation Program for Maintenance of Weight Loss. New Engl. J. Med. 355: 1563-1571. (2006)
2006/11/11 スウェーデンのカロリンスカ研究所の砂糖について報告
スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究グループが、ソフトドリンクなど砂糖をたくさん含む飲み物や食べ物を多く取る人は、そうでない人よりすい臓ガンを発症する危険性が最大約90%高いとする調査結果を報告した。
この発表の中ですい臓ガンのリスクを高める要因の1つとして「クリームの付いたフルーツ」とある。この料理は、スウェーデンでよく食べられている砂糖を使うスープのようなもののようであるが、まだどんな料理か分かりません。
ただ、この論文は、「Consumption of sugar and sugar-sweetened foods and the risk of pancreatic cancer in a prospective study. (Am. J. Clin. Nutr. 84:1171. 2006)」で、果物がすい臓ガンと関係していると述べているわけではなく、添加した砂糖についてのデータである。
また、研究者らが添加した砂糖がすい臓ガンのリスクを高める理由として「血糖値を調整するインスリンを分泌する膵臓のがんと、砂糖の取りすぎによる高血糖とに関連があるのかもしれない」としている。
果物は単糖類を含むが食物繊維も含まれているので、食べても血糖値を上げず、インシュリンの分泌も上げないことは科学的に明らかになっている。
一方、カリフォルニア大学の研究グループは果物の摂取はすい臓ガンのリスクを下げると報告している(Vegetable and Fruit Intake and Pancreatic Cancer in a Population-Based Case-Control Study in the San Francisco Bay Area. Cancer Epid. Biomark. Prev. 14:2093. 2005)。従って、果物がすい臓ガンのリスクを高めることはない。
2006/11/10 講演会「イチジクの機能性と健康」
千葉県君津合同庁舎で千葉県内のイチジク生産者を対象に「イチジクの機能性と健康」について講演します。多くの方が参加してくださるようです。
千葉県ではイチジクが約20ヘクタール栽培されていて地元市場や直売などで販売しており、わずかですが増加傾向にあるそうです。講演が生産者の皆さんに役立つと良いのですが。
2006/11/09 今週号のメルマガ「果物&健康NEWS」
今週号(Vol.127)のメルマガの話題はギンナンです。予告してあった「ぜん息とビタミンC」は来週掲載します。明日の講演会の準備と重なったので少々焦っています。締め切りに間に合えばよいのですが。
2006/11/08 低GIの食事は、女性の体重増を避けられる
食物繊維を多く摂取している女性では年齢に伴う体重の増加を避けることが出来るとデンマークの研究者らが発表した。果物や野菜など食物繊維を多く含む食品のグリセミックインデックス値(GI値)は低く、キャンディや白パンなどの食品のGI値は高い。
男性185人と女性191年を対象に6年間行われた研究では、GI値の低い食事をしていた女性の体重はGI値の高い食事をしていた女性に比べて体脂肪、体重などが低いことが分かった。特に座業的な仕事が多い女性で顕著な違いが認められた。しかし、男性ではこうした傾向は認められなかった。
【文献】
Hare-Bruun, H. et al.: Glycemic index and glycemic load in relation to changes in body weight, body fat distribution, and body composition in adult Danes. Am. J. Clin. Nutr. 84: 871-879. (2006)
2006/11/07 海洋生態系調査の衝撃:2048年には魚が食べられなくなる
世界の海で現在のような乱獲や汚染が続けば、人間が食べる魚介類は、2048年までに消滅すると国際研究チームが科学研究雑誌に報告された。
全世界の海洋調査、国連食糧農業機関(FAO)の集めた魚類に関する時系列データ(1950年~2003年)、各大陸の沿岸部に関する地層や考古学研究の結果などを基に、世界の海洋生態系について考察した。
その結果、乱獲と汚染が原因で、海洋生物の多様性が著しく失われていることが分かり、このままでは、人間が口にする魚介類が2048年までに消滅すると予測している。
一方、保護対策が取られている世界48カ所の海域では、生物の多様性が保たれ、その結果として、海洋生物資源の生産性が高くなっている。そのため研究者らは、まだ海洋生態系の回復は可能であると考えている。
【文献】
Worm, B. et al.: Impacts of Biodiversity Loss on Ocean Ecosystem Services. Science 314: 787-790. (2006)
2006/11/06 健康情報を探索する人は、情報源をチェックしない
アメリカのインターネットユーザーの7%(1千万人)がウェブ上で健康について検索しているが、このうち、情報源と日付をチックしているのは4分の1に過ぎない。また、チックしている人のうち15%の人は、定期的に健康情報のソースと日付をチェックしているが、10%の人は時々である。
その理由として、健康ウェブサイトで情報ソースや日付を提示しているところが2%しかないためと、検索が一般的なサーチエンジンであるGoogleやYahooを使っているためとしている。
最近、医学の話題だけに焦点を当てたサーチエンジンが利用可能になったので、今後、消費者の行動が変わる可能性があると研究担当者は述べている。
上記調査は下記のサイトで読める。
http://www.pewinternet.org/PPF/r/190/report_display.asp
2006/11/05 メタボリックシンドロームでも血圧が正常なら動脈硬化のリスクは同じ
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、生活習慣病の危険を高め、心臓病や脳卒中を招く動脈硬化につながるとされている。しかし、血圧が正常であれば、メタボリックシンドロームであっても、アロテーム性動脈硬化症(心臓病や脳卒中の主因)のリスクは同じと東京大病院の石坂信和らの研究チームが報告している。
1994年-2003年に人間ドックを受診した人のうち血圧がやや高めだが正常範囲である(140Hg未満/90Hg未満)の5661人を対象に、メタボリックシンドロームの有無とアロテーム性動脈硬化症のリスクとの関係を調べた。
その結果、男女とも、同じ血圧でも降圧剤に頼っていない人の動脈硬化のリスクは、メタボリックシンドロームがあってもなくても、変わらなかった。
以上の結果から、研究者らはメタボリックシンドロームとアロテーム性動脈硬化症とは関係ないのではないかと示唆している。
【文献】
Ishizaka, N. et al.: Metabolic Syndrome May Not Associate With Carotid Plaque in Subjects With Optimal, Normal, or High-Normal Blood Pressure. Hypertension 48: 411 - 417. (2006) [doi: 10.1161/01.HYP.0000233466.24345.2e]
2006/11/04 シーバックソーン・ベリーから健康成分を高回収
グミ科のシーバックソーン・ベリーはチベットや中国、ロシアでジュースとして飲まれている。この果汁にはコレステロールを低くする成分などが含まれているが現在の製造工程では回収率が悪いことが知られていた。そこで、インドの研究グループは高圧プレスにる製造方法を開発し、パルプオイル、ジュースを効率よく回収できた。
パルプオイルにはカロテノイドが4096-4403mg/kg、トコフェロールが1409-1599mg/kgが含まれていた。また、ジュースにはポリフェノールが2392-2821mg/kg、フラボノイドが340-401mg/kg、ビタミンCが1683-1840mg/kg含まれていた。
【文献】
Arimboor, R. et al.: Integrated processing of fresh Indian sea buckthorn (Hippophae rhamnoides) berries and chemical evaluation of products. J. Sci. Food Agr. 86: 2345-2353. (2006) [doi: 10.1002/jsfa.2620]
2006/11/03 レスベラトロール摂取で高カロリー食による寿命短縮防止
脂肪分が多い高カロリー食を摂取したマウスの寿命は標準食を摂取したマウスに比べて寿命が短くなる。ところがブドウなどに含まれるポリフェノール一種である「レスベラトロール」を、高カロリー食を一緒にマウスに与えると寿命短縮を防ぐ効果があったと、アメリカ・ハーバード大などの研究チームが発表した。
体重の増加を減らす効果はあまり大きくはなかったが、血糖値やインシュリンの分泌の改善が認められ統計的に有意の寿命の伸びが認められた。マウスに与えられたレスベラトロールの量はキログラム当たり22.4mgなので、ヒト(60kg)に換算すると1.344gとなることから投与量としては多いわけではない。また、今回の論文ではデータが示されていないが5.2mg/kgでも効果があったと記載されているので、この場合をヒトに換算すると312mgとなる。
以上の結果は、哺乳動物の肥満関連の疾病に対してレスベラトロールのような低分子が効果的であることを示している。
この研究は、肥満に関連した疾病予防に対する新しいアプローチであることから今後の展開が待たれる。しかし、コレステロールや中性脂肪に変化がないなど解明すべき点も残されているので、人への応用も期待されるがまだ先だろう。
【文献】
Baur, J. A. et al.: Resveratrol improves health and survival of mice on a high-calorie diet. Nature Online Nov. 1, (2006) [doi: 10.1038/nature05354]
2006/11/2 積極的な感情は低血圧につながる
メキシコ系アメリカ人2564人(65歳以上)を対象に積極的な感情と血圧との関係を調べた結果、積極的な感情をもつ人の血圧は、そうでない人と比べて統計的に有意に低いことが分かった。
【文献】
Ostir, G. V. et al.: Hypertension in Older Adults and the Role of Positive Emotions. Psych. Med. 68: 727-733. (2006)
2006/11/01 ω-3脂肪酸とアルツハイマー病との関係
ω-3脂肪酸のサプリメントを摂ることで、軽いアルツハイマー病患者の認識力低下を遅くするかもしれない。しかし、より進行した症状に対する効果についてはあまり期待できない。
スウェーデンの研究グループは、ω-3脂肪酸サプリメントと偽薬を使ってアルツハイマー病との関係を比較した。6カ月間、1.7gのドコサヘキサエン酸(DHA)と0.6グラムのエイコサペンタエン酸(EPA)を摂取した89人の患者(女51人、男38人)が1.7グと偽薬を摂取した85人の患者(女39人、男46人)を比較した。そのあとの6カ月間、両グループともω-3脂肪酸を摂取した。
2つのグループ間には、認知機能低下の速度の違いは全くなかった。しかしながら、偽薬を取った人々と比べて、非常に軽い認識的な損傷の32人の患者では、認識力の低下が遅くなった。
【文献】
Freund-Levi, Y. et al.: ω-3 Fatty Acid Treatment in 174 Patients With Mild to Moderate Alzheimer Disease: OmegAD Study. Arch. Neurol. 63: 1402-1408. (2006)
投稿者
kudamononet
2006年10月
2006/10/31 地中海ダイエットはアルツハイマー病のリスクを下げる
アメリカ・ニューヨークで行われた研究によると果物、野菜、オリーブオイルと少量の肉を食べる地中海ダイエットは、アルツハイマー病のリスクが統計的に有意に減少することが分かった。
【文献】
Scarmeas, N. et al.: Mediterranean Diet, Alzheimer Disease, and Vascular Mediation. Arch. Neurol. online Oct. 9, 2006 [doi: 10.1001/archneur.63.12.noc60109]
2006/10/30 「発掘!あるある大事典2」と「ためしてガッテン」の視聴率
10月16日~22日の教育・教養・実用部門の視聴率(関東地区)の世帯視聴率が発表された。それによると 「発掘!あるある大事典2 あなたのダイエットフルーツはどっち?」も「ためしてガッテン -甘さ6倍!栗・感動の新調理術-」もなかなかよい世帯視聴率であったようだ。
順位 タイトル 放送日 放送局 世帯視聴率
1 真相報道バンキシャ! 10月22日 日本テレビ 14.8%
1 発掘!あるある大事典2 10月22日 フジテレビ 14.8%
3 水トク!・激闘大家族東京下町五つ子ちゃん成長記’
06秋・嵐と涙の13年すべて見せます 10月18日 TBS 13.9%
4 開運!なんでも鑑定団 10月17日 テレビ東京 13.8%
5 ためしてガッテン 10月18日 NHK総合 13.6%
6 サンデーモーニング 10月22日 TBS 13.5%
7 スタ・メン 10月22日 フジテレビ 13.3%
8 クローズアップ現代 10月17日 NHK総合 12.9%
9 THE・サンデー 10月22日 日本テレビ 11.9%
10 さわやか自然百景 10月22日 NHK総合 11.6%
2006/10/29 クルミはオリーブ油より心臓健康のために良い
オリーブ油は炎症版のによいことが知られていたが、24人を対象にクルミの効果について調べた結果、クルミを食べたヒトの動脈は、コレステロールが適正値になり。オリーブ油を摂取したヒトに比べて、脂肪過多の食事の後でも柔軟で弾力的なままであったという結果が報告された。
Cirtes, B. et al.: Acute Effects of High-Fat Meals Enriched With Walnuts or Olive Oil on Postprandial Endothelial Function. J. Am. Coll. Cardiol. 48: 1666-1671. (2006) [doi: 10.1016/j.jacc.2006.06.057]
2006/10/28 明日を元気に くだもの教室
クレオ大阪南(大阪市平野区喜連西6-2-23)
2006年10月28日(土曜日)
午前 くだもの料理教室 フードプロデューサー 土井善晴氏
午後 シンポジウム「知っトク、納得、おいしいくだものの不思議」
パネラー:和洋女子大副学長 坂本元子氏 農研機構果樹研究所 田中敬一
大果大阪青果株 藤原裕司氏 フードプロデューサー 土井善晴氏
問合せ先:03-3586-1381 (財)中央果実生産出荷安定基金協会
2006/10/27 魚の摂取は健康に良く、リスクは小さい
アメリカ・ハーバード大学のMozaffarianらは、過去の論文を精査し、脂肪の多い魚なら、週1~2回摂取するだけでも死亡率が17%低下し、冠動脈疾患による死亡率は36%低下すると報告した。心疾患予防には、サケを週1回、6オンス(約170g)食べるだけでも十分であると述べている。
ただし、オオサワラ、サメ、メカジキ、アマダイなど水銀含有率の高い魚は、妊婦は避けるようにとしている。
【文献】
Mozaffarian, D. et al.: Fish Intake, Contaminants, and Human Health - Evaluating the Risks and the Benefits. JAMA. 296: 1885-1899. (2006)
2006/10/26 シリカに由来する肺疾患の進行抑制
シリカ由来の肺疾患は、長期の間、シリカを吸入することによって、引き起こされる。鉱山、 鋳造場、ガラス製造プラント、爆破作業現場などでシリカダストが発生しており、吸引すると活性酸素の生成される。アメリカでは、100万人以上の労働者がシリカダストにさらされていると考えられている。
ヘム鉄を分解する反応の補酵素であるヘムオキシゲナーゼ(heme oxygenase)の発現はストレスなどの刺激で誘導されることが知られていたが、横浜市立大学の研究チームが、この酵素がシリカ由来の肺疾患と関係していると発表した。ヘムオキシゲナーゼ1(heme oxygenase-1)はシリカ由来の肺疾患で増加し、活性酸素の分解して病気の進行を遅らせる働きがあることが分かった。
この研究はシリカ由来の肺疾患とヘムオキシゲナーゼ1との関係を最初に示した研究である。
【文献】
Sato, T. et al.: Heme Oxygenase-1, a Potential Biomarker of Chronic Silicosis, Attenuates Silica-induced Lung Injury. Am. J. Resp. Critic. Care Med. 174: 906-914. (2006)
2006/10/25 赤いリンゴでもダイエット効果は十分
「あるある大事典Ⅱ」放映後、赤いリンゴはダイエット効果はないの?との質問が寄せられている。赤いリンゴでもダイエット効果は十分にある。なぜなら、リンゴのダイエット効果は、カロリー密度(体積が大きくてカロリーが少ない)が低いことと食物繊維が多いことが主因のためである。そのため、青いリンゴでも赤いリンゴでもダイエット効果は十分に期待できる。
食前に食べると効果的なのは、リンゴを食べると満腹感が得られるため、主食の摂取量が意識せず自然と少なくなるためである。
2006/10/25 ハリー・ポッターのマント、それともスタートレック遮蔽装置
不可視な遮蔽、言い換えると物質の透明化が原理から一歩踏みだした。ハリー・ポッターの透明マントやスタートレックの不可視な遮蔽装置(cloaking device)のメカニズム仮説は、すでにイギリスの研究者が発表していた。その原理とは、光波(あるいは電磁放射)を物体の周囲に導き、あたかもその物体によって散乱していないように進ませることである。
アメリカ・デューク大などの研究グループが、特殊な微細構造の金属素材で物体を囲うことにより、物体に当てた電磁波を反射させずに裏側へ迂回(うかい)させる実験に成功した。
この研究は、電磁放射線から物体を隠す原理を立証する初の遮蔽装置で、磁放射線が排除、回避され、あたかも存在していないような空間を作り出した。しかしまだ、不完全で二次元レベルの実験に過ぎないが、それでも後方散乱(反射)および前方散乱(影)双方を減少させることができる(ビデオ参照)。
デューク大学のプレスリルースプレスリリースは下記のサイトで読める。
http://dukenews.duke.edu/2006/10/cloakdemo.html
ビデオ:研究チームによる説明と装置、透明化の実験経過などを下記のサイトで見ることが出来る(ビデオを見るためにはReal Playerが必要)。
http://realmedia.oit.duke.edu/ramgen/news/invisibility.rm
リアル・プレーヤー(Real Player)がない場合は下記のYoutubeでも見ることが出来る(ただし、画質が悪い)。
http://www.youtube.com/watch?v=Ja_fuZyHDuk
【原著】
Schurig, D. et al.: Metamaterial Electromagnetic Cloak at Microwave Frequencies. Science. Online Oct. 19, (2006) [doi: 10.1126/science.1133628] (Science Express Reports)
2006/10/24 果物と野菜の摂取は女性の胆石リスクを減らす
果物と野菜を食べている女性は、胆石形成のリスクが低いことが、77,090人の女性看護師を対象としたアメリカ・ハーバード大学の研究から明らかになった。果物と野菜の摂取量の多い人は摂取量の低い人に比べて胆石手術の必要性が21%低かった。最も多く摂取しているグループの果物と野菜の摂取量は1日あたらい7サービング以上で、最も低いグループは3サービング以下であった。
【文献】
Tsai, C-J., et al.: Fruit and Vegetable Consumption and Risk of Cholecystectomy in Women. Am. J. Med. 119: 760-767. (2006) [doi:10.1016/j.amjmed.2006.02.040]
2006/10/23 睡眠時間が短い人に肥満が多い
睡眠時間の長短が体重に影響することがアメリカ・アイオワ州で行われたの疫学研究(1999年-2004年)から明らかになった。990人を調査した結果、睡眠時間とBMI値は逆相関が認められた。睡眠時間が6時間以下の人のBMI値は30.24だったのに対して9時間以上睡眠を取った人のBMI値は28.25であった。
以上の結果から研究者らは、睡眠時間中に起きる穏やかな変化が体重のコントロールと関係している述べている。
【文献】
Kohatsu, N. D. et al.: Sleep Duration and Body Mass Index in a Rural Population. Arch. Intern. Med. 166: 1701-1705. (2006)
2006/10/22 フジテレビ・関西テレビ「発掘!あるある大事典Ⅱ」
あなたのダイエットフルーツはどっち?
10月22日(日)PM10:20-11:20(日本シリーズの試合が延びたため繰り下げ)
リンゴとミカン、見直してみたらダイエット効果がすごい。食べ方に秘密が。WHOの果物と中性脂肪に ついての報告も紹介(当サイトも番組の取材に協力しました)。
トピックス:果物摂取でダイエット、肥満予防
本サイトのフルーツ・ダイエットに対するサプリメントついての見解
ダイエットにはリンゴなど果物が有効であると考えていますが、サプリメントではその効果はありません。その科学的根拠は上記トピックスをご覧下さい。
2006/10/22 チャールズ・ダーウィンの資料電子化・公開
進化論で知られるイギリス科学者チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin )の文献や資料などを電子化し、ネットで公開された。「ビーグル号航海記」や「種の起源」を読むことができる。
2009年は、ダーウィンの生誕200年と、進化論のきっかけとなった「種の起源」の出版150周年にあたる。そこで、この年までに2年をかけ、ほぼすべての資料を電子化して公開する予定とのことである。
ダーウィンの文献・資料を公開しているサイトは下記である。
http://www.darwin-online.org.uk/
2006/10/21 食バランス重視でリンゴの健康効果は伝わるか
健康志向の中で機能性成分(サプリメント)がブームである。そのため、「疾病に対してこの機能性成分は有効である。従って、この機能性成分が含まれている食品は健康によい」とするサプリメントを重視する考え方がある。
しかし、リンゴでは、食バランスを重視した研究を行っている。「リンゴを食べると食バランスが改善されるため健康によい。」とする立場である。
こうした研究方向に疑問を呈する人がいる。いわく「アッピール性が弱い」、「宣伝のしようがない」などなど。そうだろうか。
果樹研究所が行った果物の健康効果についてのアンケート結果は下記のようになっている。
問 健康のためを意識して食べている食品はありますか
(複数回答可:2005年4月調査)
-------------------------
全体 男性 女性
1.リンゴ 50.5% 45.8% 52.8%
2.バナナ 48.7% 43.4% 51.3%
3.ミカン 37.8% 38.6% 37.4%
-------------------------
http://www.kudamononet.com/Kudamono&Kenko/
back_number/K&K_No58.html
また、日本バナナ輸入組合の調査では下記のようになっている。
問 健康・美容に良いと思う果物は?
(第2回バナナ・果物消費動向調査2006年6月)
-----------------------
1.リンゴ 43.7%
2.バナナ 43.4%
3.キウイフルーツ 37.3%
4.ミカン 37.0%*
-----------------------
*グラフからの読み取り値
http://www.banana.co.jp/chousa2/
両調査ともリンゴが果物の中で1位である。こうした調査から機能性成分(サプリメント)のアッピール度は高いが、食バランスを重視する人たちも大勢いることを示しているように思う。
果物の健康機能を伝える場合、食バランスを重視するのか、サプリメントを重視するのかを考えておく必要があるのではないかと思う。食バランス重視でリンゴの健康効果は十分に伝わっている。
2006/10/21 世界的な減塩キャンペーン始まる
48カ国194人の医療専門家により世界的な減塩キャンペーンが開始された(World Action on Salt and Health (WASH) )。高血圧は脳卒中の62%、心臓病の49%の原因となっている(文献1)。世界では、脳卒中と心臓病で1270万人が死亡しており、他の疾病よりも死亡率が高い(文献2)。また、摂取する食塩を6gまで減少させると脳卒中で24%、心臓病で18%死亡率を下げることが出来ると示唆されている(文献3)。そのため、高血圧予防の観点からWHOでは1日当たりの食塩摂取量を5g以下にすることを目標としている。
World Action on Salt and Health (WASH) のホームページは下記にある。
http://www.worldactiononsalt.com/index.htm
イギリス政府のFood Standards Agencyによる「Salt - eat no more than 6 g a day」キャンペーンは下記のサイトで読める。
http://www.salt.gov.uk/index.shtml
【文献】
1) World Health Organisation: World Health Report 2002: Reducing Risks, Promoting Healthy Life. World Health Organisation (2002) www.who.int/whr/2002
2) World Health Organisation: The Atlas of Heart Disease and Stroke. Sep. 27, (2006)
http://www.who.int/cardiovascular_diseases/
en/cvd_atlas_01_types.pdf.
3) He, F. J. & MacGregor, G. A.: How far should salt intake be reduced? Hypertension. 42: 1093-1099. (2003)
2006/10/20 フラボノイドの一種「フィセチン」に記憶力向上効果
野菜や果物に広く含まれるフラボノイドの一種「フィセチン(fisetin)」を摂取すると、記憶力が向上することを、武蔵野大と米ソーク研究所の共同チームが発表した。
ラットから記憶をつかさどる海馬を取り出して生きた状態に保ち、フィセチンの水溶液を細胞にかけると、長期増強を担う分子が活性化した。そこで、マウスを使って実験を行った。2個の物体を健康なマウスに記憶させ、24時間後、2個のうち1個を別のものに替えて再び見せる。前日、物体を見せる前にフィセチンの水溶液を飲ませたマウスは、替えた物体にだけ興味を示した。しかし、この水溶液を飲まなかったマウスは、どちらの物体にも均一に興味を示し、前日に見たことを忘れていた。
このことから、著者らは、フィセチンが脳の海馬に達し、記憶力向上物質として働いたと考えられると結論づけている。
【文献】
Pamela Maher, P. et al.: Flavonoid fisetin promotes ERK-dependent long-term potentiation and enhances memory. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. online Oct. 18, (2006) [doi: 10.1073/pnas.0607822103]
2006/10/19 NHK「ためしてガッテン」
-甘さ6倍!栗・感動の新調理術- 10月18日(水)PM8:00-8:43
http://www3.nhk.or.jp/gatten/archive/2006q4/20061018.html
栗のビタミンCはグレープフルーツ並み、食物繊維はさつまいも以上という健康食材! 縄文時代には主食として栽培されてきた。ところが、「殻をむくのが面倒」、「思ったほど甘くない」と、中国産の甘栗にすっかり押され気味。調べてみると、ほんの少しの工夫で甘さがメロン並みにアップし、殻も渋皮も指で簡単にむけちゃう方法を発見!(当サイトも番組の取材に協力しました)
ニホングリの渋皮はどうして剥けないか
続・ニホンナシの渋皮はどうしてはげないか
2006/10/18 睡眠不足は肥満、高血圧、心不全などと関連
アメリカ国立補完・代替医療センター(NCCAM)の研究チームは成人3万1,044人を対象とした健康調査データから不眠症や睡眠障害と肥満、高血圧、心不全、不安障害、うつ病との関連性が認められたと発表した。これまで不眠症は単独の疾患とみなされていたが、不眠症患者で他の疾患を有していなかったのはわすか4%であった。
睡眠の質と心身の健康との間に強い関連性を認めるエビデンス(証拠)が増えているがこの報告もその1つである。
【文献】
Nahin, R. L. et al.: Insomnia, Trouble Sleeping, and Complementary and Alternative Medicine: Analysis of the 2002 National Health Interview Survey Data. Arch. Intern. Med. 166: 1775-1782. (2006)
2006/10/17 果物・野菜の摂取は摂取カロリーや体重を減らす
今までの研究によるとエネルギー密度(Kcal/g)の低い食品(果物や野菜)は、摂取カロリーを下げると示唆しているが、体重との関係は明かではなかった。そこで、アメリカに住む7,356人を対象に摂取カロリーや体重と摂取している食品との関係を調査した。
その結果、低エネルギー密度の食品を摂取している人は、高エネルギー密度の食品(脂肪)を摂取している人より、摂取カロリーが1日当たり男性で425kcal、女性で275kcal低いことが分かった。ところが、低エネルギー密度の食品を摂取している人の1日当たりの食品の摂取重量は、男性で400g、女性で300g多かった。また、標準体重の人は肥満の人に比べて低エネルギー密度の食品(果物と野菜)を多く摂取していた。
以上のことから、研究者らは果物と野菜の摂取は体重のコントロールに重要な働きをしていると述べている。
【文献】
Ledikwe, J. H. et al.: Dietary energy density is associated with energy intake and weight status in US adults. Am. J. Clin. Nutr. 83: 1362-1368. (2006)
2006/10/16 最小ゲノムを持つ共生細菌の発見
生物が生きるために最低限必要なゲノムはいったいどのくらいなのか?
理研中央研究所などの研究グループは、半翅目昆虫「キジラミ」に共生する細菌「カルソネラ」のゲノムがたった16万塩基対であることを発見した。これは、これまで知られている生物界のゲノムのなかで最小である。
カルソネラは、キジラミの特殊な細胞(菌細胞)の細胞質内で生きており、この細胞の外では生存していけない。そのため、現在のカルソネラは2億年前に菌細胞内に侵入し、キジラミの親から子へと垂直感染することだけで生き続け、受け継がれてきたと考えられている。
発見したゲノムは、単に遺伝子の数が少ないだけではなく、遺伝子の長さが短く、さらに遺伝子同士がオーバーラップしているという、これまでに知られていなかった極限まで切り詰められた特殊な構造をしていた。ゲノムからは生命活動を維持するのに必須と思われる遺伝子の多くが失われているが、失った分を昆虫の遺伝子や代謝産物に依存していると考えられる。
今回の発見によって、かつては共生細胞だったと考えられているミトコンドリアや葉緑体はどのように細胞小器官になったのかについての疑問の回答にもなると期待されている。
【文献】
Nakabachi, A. et al.: The 160-Kilobase Genome of the Bacterial Endosymbiont Carsonella. Science 314: 267. (2006) [doi: 10.1126/science.1134196]
2006/10/15 南アメリカ・コロンビアで新種の鳥を発見
南アメリカ・コロンビアの密林地帯で、頭のてっぺんがオレンジ色、目の回りは黒色で、のど元から腹部にかけて黄色というカラフルな新種の鳥が見つかった。ヤブシトド(Brush-Finch)の仲間で、手のひらににすっぽり収まる大きさの鳥で、コロンビア北東部のサンタンデル州の密林地帯で見つかった。名前は、かつてこの地域で暮らしていた先住民族の名をとり、ヤリギエスヤブシトド(Yariguies Brush-finch)と名付けられた。
【文献】
Donegan, T. M. & Huertas, B.: A new brush-finch in the Atlapetes latinuchus complex from the Yariguies Mountains and adjacent Eastern Andes of Colombia. Bulletin of the British Ornithologists' Club 126: 94-116. (2006)
http://www.proaves.org/IMG/pdf/Donegan_Huertas_
Atlapetes_latinuchus_yariguierum.pdf
2006/10/13 国際稲研究所が研究目標を転換:貧困の解消を目指す
国際稲研究所(IRRI:本部フィリピン)は、かんがい地帯での稲作改善を目標としてきた方針を見直し、かんがい設備にない地域での稲作改善を重点目標とする「希望を呼び込み、豊かな暮らしを」と題した戦略計画(2007~2015年)を発表した。こうした地域は貧困が深刻なため、干ばつや水害、塩害に耐える品種の育成により生産安定を図り、貧困の解消を目指す。
国際稲研究所の新しい研究戦略は下記のサイトで読める。
http://www.irri.org/BringingHope/ImprovingLives.pdf?id=138
2006/10/12 民間団体TIが30カ国の「わいろ指数」を公表
行政や企業などの腐敗について調査・提言している民間団体「トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)」(本部ベルリン)が今年の「わいろ指数」を発表した。
125カ国のビジネスマン11,000人以上の回答をもとに、主要輸出国30カ国の「わいろ指数」を求めた。
1位はスイスで、以下スウェーデン、オーストラリアの順。イギリスは6位、アメリカは9位、日本は11位、フランスは15位、イタリアは20位だった。
TIは、国際的大企業によるわいろの利用は国際法違反であるにもかかわらず、なおも一般的だと指摘してる。汚職やわいろは、貧困国が貧困状態から抜け出せない一因となっているとしている。
Rank Country Average Percentage
territory score of globa
(0-10) exports (2005)
1 Switzerland 7.81 1.2
2 Sweden 7.62 1.3
3 Australia 7.59 1.0
4 Austria 7.50 0.5
5 Canada 7.46 3.5
6 UK 7.39 3.6
7 Gemany 7.34 9.5
8 Netherlands 7.28 3.4
9 Belgium 7.22 3.3
US 7.22 8.9
11 Japan 7.10 5.8
12 Singapore 6.78 2.2
13 Spain 6.63 1.9
14 UAE 6.62 1.1
15 France 6.50 4.3
16 Portugal 6.47 0.3
17 Mexico 6.45 2.1
18 Hong Kong 6.01 2.8
Israel 6.01 0.4
20 Italy 5.94 3.6
21 South Korea 5.83 2.8
22 Saudi Arabia 5.75 1.8
23 Brazil 5.65 1.2
24 South Africa 5.61 0.5
25 Malaysia 5.59 1.4
26 Taiwan 5.41 1.9
27 Turkey 5.23 0.7
28 Russia 5.16 2.4
29 China 4.94 5.5
30 India 4.62 0.9
TIが発表したリストは下記のサイトで読める。
http://www.transparency.org/news_room/in_focus/bpi_2006
2006/10/11 フルーツジュースの飲用と体重とは関連しない
アメリカ・疾病管理予防センター(CDC)が就学前の子供を調査した結果、100%フルーツジュースを飲むことと過体重との関連性は見られなかったと発表した。
就学前の子供〈2-5歳)1572人を対象に1999?2002 年の間調査を行った結果、子供たちは100%ジュースを1日当たり4.70 oz 飲用していた。そこで、100%フルーツジュースと小児用BMI判定基準を用いた体重との関係を調べたところ、統計的な関連性は見られなかった。
【文献】
O'Connor, T. M. et al.: Beverage Intake Among Preschool Children and Its Effect on Weight Status. Pediatrics 118: e1010-e1018. (2006) [doi: 10.1542/peds.2005-2348]
2006/10/10 果物摂取は男性の口腔ガン発症のリスクを下げる
アメリカ・ハーバード大学の研究チームが行った調査によれば、果物(ビタミンCを多く含む果実、カンキツ果実、カンキツジュースなど)の摂取量が多い男性は、口腔ガン発生のリスクが統計的に有意に低いことが分かった。
男性42,311人を対象に1986年から2002年の間、4年ごとに調査を行った結果、果物を多く摂取している人は、摂取量が少ない人に比べて30-40%口腔ガン発症のリスクが少なかった。
【文献】
Maserejian, N. N. et al.: Prospective Study of Fruits and Vegetables and Risk of Oral Premalignant Lesions in Men. Amer. J. Epidem. 164: 556-566. (2006) [doi: 10.1093/aje/kwj233]
2006/10/09 果物と野菜の摂取は中性脂肪を減らす
インドで行われた研究によると、果物(107.3g/日)と野菜(緑色の葉菜34.4/日、根・塊茎93.7/日、他の野菜193.6/日)の摂取は血清中の中性脂肪と負の相関があった(p<0.05)。一方、 ミルクの摂取は、血清中の中性脂肪(p<0.01)、LDL-C(p<0.05)、血糖レベル(p<0.1)と正の相関があった。また、飽和脂肪酸の摂取は、血清中のLDL-C(p<0.05)、中性脂肪(p<0.05)と正の相関があった。
【文献】
Bains, K. et al.: Food and nutrient intake in relation to cardiovascular disease among rural males of Punjab, India. Asia Pac. J. Clin. Nutr. 13(Suppl): S95. (2004)
2006/10/08 糖尿病は肥満より死亡リスクが高い
アメリカで行われた15,408人(44-66歳)を対象とした調査から、太っているか否かにかかわらず糖尿病患者は、非糖尿病患者と比較して死亡リスクが3倍高いことが分かった。一方、糖尿病に罹患していない肥満の人の死亡リスクは非肥満者と変わらなかった。
この結果は、糖尿病の死亡リスクが高いことと、肥満、糖尿病、疾病の関係は複雑であることを示している。そのため、研究者らは、肥満と疾病との関係についてさらなる研究が必要と述べている。
この研究で注目されるところは、糖尿病でない肥満の人の死亡リスクが、非肥満者と変わらないとしている点で、従来の予測と一致しない。生活習慣病に係わる血圧、コレステロールなどの危険因子が正常であれば、単純な肥満は死亡リスクにつながらないことを示しているのかも知れない。
【文献】
Slynkova, K. et al.: The role of body mass index and diabetes in the development of acute organ failure and subsequent mortality in an observational cohort. Critical Care 10: R137 (2006) [doi: 10.1186/cc5051]
上記論文は下記のサイトに公開されており全文を読める。
http://ccforum.com/content/10/5/R137
2006/10/07 女性のための骨粗しょう性骨折リスク判定の予測式
オーストラリア・メルボルン大学の研究チームは、女性の骨粗鬆症性の骨折を予測する式を開発したと発表した。開発された予測式は骨密度だけでなく、様々な危険因子を考慮して作られており、この予測式を用いて2年以内に起こる骨折リスクを75%予測できた。
予測式を用いてヒップ、背骨、上腕、前腕に障害のある231人の年配の女性と、障害のない448人の年配女性に対して調査を行った結果、2年以内の骨折を75%予測できた。
以上のことから、この予測式は、骨粗しょう症の女性の治療に役立つと、研究者ら述べている。
【文献】
Henry, M. J. et al.: Fracture Risk (FRISK) Score: Geelong Osteoporosis Study. Radiology 241: 190-196. (2006) [doi: 10.1148/radiol.2411051290]
2006/10/06 メルマガ第122号に特集記事がなかった理由
今日配信したメールマガジン「果物&健康NEWS」第122号に予定していた特集「カキ酢の作り方」の掲載を見送りました。
記事は完全にできあがっており、果樹花き課に転送しました。しかし、もう一度再読したとき、カキ酢の製造途中のアルコール発酵が酒税法に触れるのではないかと気づきました。そこで、インターネットで調べたのですがよく分からなかったので、国税庁に問い合わせたところ、やはり酒税法に触れるとの回答でしたので掲載をあきらめました。
製造過程で出来たアルコールを酒として飲まなくても、アルコール分が1%を越える場合は製造許可が必要と分かりました。そのため、食酢製造業者は、もろみ製造の許諾を受ける必要があるとのことでした。
以上のことから、家庭でカキから食酢を作ると密造ということになります。メルマガの読者からカキ酢の作り方を取り上げてほしいとのメールをいただいたのですが、残念ながら期待に応えられませんでした。
2006/10/05 簡単に渋皮むけるクリ品種「ぽろたん」の育成
渋皮がぽろっとむける新品種「ぽろたん」が農研機構果樹研究所で育成された。甘栗のように渋皮がむきやすいニホングリの新品種の育成は画期的な成果である。クリの実を加熱したあと、渋皮がポロンと簡単にむけることから、「ぽろたん」と名付けられた。
ただし、これからな苗木として販売され、実がなるまでに時間がかかるので、くりご飯や菓子の具など秋の味覚を手軽に楽しめるヨウになるまでは、早くて7,8年後となる。
渋皮が簡単にむける画期的なニホングリ新品種「ぽろたん」のプレスリリースは下記にある。
http://www.fruit.affrc.go.jp/announcements/kisya/
h18-10-04/porotan.pdf
2006/10/04 ノーベル物理学賞:ビックバン理論の証明に
今年度のノーベル物理学賞は、アメリカ航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センターのジョン・マザー博士(John C. Mather: 60)とカリフォルニア大のジョージ・スムート教授(George F. Smoot: 61)が受賞した。
受賞理由は「宇宙背景放射の不均一性の発見("for their discovery of the blackbody form and anisotropy of the cosmic microwave background radiation")」である。1989年に打ち上げられた観測衛星COBE(コービー)で、宇宙全体から届くマイクロ波(宇宙背景放射)を観測し、宇宙が爆発的に膨張して生まれたとするビッグバン理論を観測で裏付けたことと、放射が全天から均一に来るのではなく、10万分の1レベルの温度の違い(ゆらぎ)があることを発見した。
ノーベル財団のサイトは下記にある。
http://nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/2006/
2006/10/03 「RNA干渉」の発見にノーベル医学生理学賞
スウェーデンのカロリンスカ研究所は、2006年のノーベル医学生理学賞をアンドルー・ファイアー(Andrew Z. Fire)・スタンフォード大医学部教授(47)と、クレイグ・メロー(Craig C. Mello)・マサチューセッツ大教授(45)の2氏に授与すると発表した。
生物の遺伝情報を伝える役のRNA(リボ核酸)が対になった「二重鎖RNA」で、遺伝子の発現が阻害される「RNA干渉」という現象を線虫で発見し、1998年に発表した。この現象は人間にも共通しており、二重鎖RNAを人工的に作ることで新薬開発などに道を開いたことが評価された。
当初、この研究は特殊な現象と考えられ、生体内では働かないと思われ、マユツバな研究とされた。ところが、最近では、網膜の加齢黄斑変性症やC型肝炎、エイズ、ガン、ホルモン異常などの治療薬の研究へと発展している。
今回のノーベル賞受賞対象の研究も当初の評価は低かった。このことは、研究を1年単位で評価することが誤りであることを示している。
ノーベル財団のプレスリリースは下記のサイトで読める。
http://nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/2006/
2006/10/02 糖尿病患者はガン罹患リスクが高い
糖尿病患者はガンの罹患リスクが高いと考えられてきたが、その証拠はほとんどなかった。そこで、日本人97,771人(男性46,548人、女性51,223人:40-59歳)を対象に調査を行った結果、男性の糖尿病患者では、非糖尿病の人に比べてガン罹患リスクが27%高かった。特に、肝臓ガン、すい臓ガン、腎臓ガンの発症が多く見られた。
女性の糖尿病患者は、男性ほど高くなかったが、非糖尿病の人に比べてリスクが21%高く、胃ガン、腎臓ガン、卵巣ガンが多かった。
糖尿病患者にガンの発生が多い理由として、ガン細胞の成長を促進するインシュリンが多いためにガンの発症が多くなった可能性と、糖尿病患者に肥満が多いためガンの発症が多くなった可能性が考えられるとし、今後の検討が必要としている。
【文献】
Inoue, M., et al.: Diabetes Mellitus and the Risk of Cancer - Results From a Large-Scale Population-Based Cohort Study in Japan. Arch. Intern. Med. 166: 1871-1877. (2006)
2006/10/01 火星探査車オポチュニティーはまだ元気に活躍
火星の地表を調査しているアメリカ航空宇宙局(NASA)の無人探査車オポチュニティー(Opportunity)が、9月27日から28日にかけてビクトリア・クレーターの端に到着した。火星に着陸(2004年1月)してから火星時間で952日(約31ヶ月)かけて移動した。このクレーターは幅800m、深さ70mで、砂丘で覆われているが一部、岩石が露出しており、ででこぼこしている壁が見える。
ビクトリア・クレーターの写真は下記のサイトで見られる。
http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA08783
「地質学者の夢が実現するかも知れない。壁にある地層を調べられるなら、火星の環境に関する新しい発見があるのではないか」と、コーネル大学のSteve Squyres 博士は述べている。
同時期に着陸したスピリット(Spirit)は、火星の砂とほこりに苦戦しているようである。2006年4月4日の様子が下記のサイトで読める。
http://www.nasa.gov/mission_pages/mer/mer-20060404.html
探査機の寿命3カ月と考えられていたが、2年半以上も探査を続けている。当初、太陽電池パネルに砂ぼこりが積もって動かなくなると見られていたが、強風で砂ぼこりが払われるなどして寿命が延びているらしいとのことである。
投稿者
kudamononet
2006年9月
2006/09/30 ぜん息のリスクは肥満の女性で高い
カナダで行われた86,144人の調査から、肥満の女性は、肥満の男性よりぜん息になるリスクが高いことが分かった。また、肥満の女性は、標準体重の女性よりぜん息のリスクが85%高く、肥満の男性は、標準体重の男性より21%高かった。BMIが1ユニット増加するとリスクが女性では6%増加し、男性では3%増加した。
以上のことから、ぜん息は肥満と関係するが、女性と男性とでは異なっていることが明らかとなった。
【文献】
Chen, Y. et al.: The Association Between Obesity and Asthma Is Stronger in Nonallergic Than Allergic Adults. Chest 130: 890-895. (2006)
2006/09/29 サラダの栄養価
17,500人以上の男(8,282人)女(9,406人)の食事データを分析したところ、生野菜のサラダの摂取量は、血中の葉酸、ビタミンC、ビタミンE、リコピン、α-カロテン、β-カロテンの濃度と相関していることがアメリカ・カリフォルニア大学とルイジアナ州立大学の共同研究から明らかとなった。
【文献】
Su, L. J. and Arab, L.: Salad and Raw Vegetable Consumption and Nutritional Status in the Adult US Population: Results from the Third National Health and Nutrition Examination Survey. J. Amer. Diet. Assoc. 106: 1394-1404. (2006)
2006/09/29 バランス派とサプリメント派のそれぞれの目標
健康の維持・増進のためにバランス派は、どの食品をどのくらい食べたらか良いかを科学的に明らかにして、それぞれの食品の摂取目標値を決めることである。「食事バランスガイド」や「毎日くだもの200グラム」に代表される。
一方、サプリメント派は、機能性成分を濃縮し、加工食品などに添加して成分を強化し、特定保健用食品としての認可が目標である。果物など食素材そのものは特定保健用食品の対象外である。
従って、この両者は食品に対する考え方も異なる。バランス派は、果物など食素材を重視するのに対し、サプリメント派は、成分を高含有する加工食品を重視することにある。
2006/09/28 糖尿病予防には減量が最適
糖尿病予防のため肥満の人(1079人、平均BMI=33.9)を対象に3.2年間調査を行った結果、減量が糖尿病の発症リスクを減らすのに最も効果的だあることが分かった。1キログラム体重を減らすと糖尿病の発症リスクが16%減る。また、体重を減らすには脂肪の摂取を減らし、運動が効果的であるとしている。
【文献】
Hamman, R. F. et al.: Effect of Weight Loss With Lifestyle Intervention on Risk of Diabetes. Diabetes Care 29: 2102-2107. (2006) [DOI: 10.2337/dc06-0560]
2006/09/27 バランス派、それともサプリメント派?
大豆に含まれているイソフラボンは骨粗しょう症を予防できると注目されていた。しかし、イソフラボンを含む豆乳などの売れ行きが鈍っているという。
イソフラボンは女性ホルモンのような働きをする成分である。しかし、イソフラボンのサプリメントを女性が大量に摂取した場合、子宮内膜が厚くなるなどの研究報告から、厚生労働省食品安全委員会は、「妊婦、授乳中の女性、乳幼児、小児は、大豆イソフラボンを凝縮した錠剤やカプセル、粉末などを摂取しないこと」とした。
イソフラボンを含む豆乳の生産量が減少に転じたのはこうした厚生労働省の通知が影響したと考えられる。フジッコ(神戸市)による首都圏と近畿圏の男女500人を対象に大豆イソフラボンの意識調査によれば、安全性論議が気になった人の約6割が「豆乳の購入を控えた」と答え、かつ、約4割が「普通の大豆食品の取り過ぎにも注意した方がよい」と答え、大豆食品そのものが危険と誤解している人が少なからずいる傾向がうかがわれる。
サプリメントの場合、安全性論議は避けられない。一方、消費者は、「安全・安心」に敏感で議論されただけで、安全・安心に疑いを持つ現状がイソフラボンの例からも明かである。
特定成分は特定の場所で働くが、健康の維持・増進の主役ではない。なぜなら、バランスよく栄養素を摂取していなければ特定成分だけを大量に摂取しても生体内では働かず意味がないからである。
食品安全委員会などでは、バランス重視派が増えているようである。バランス重視派は、「最終的には消費者の判断だからサプリメントを飲むな、とは言えないが、臆病になるぐらいに慎重であってほしい」との医師の意見に代表される。
2006/09/26 ビタミンD不足は高齢者の転倒リスクを高める
男女1231人(65歳以上)を調査したオランダの研究から、血液中のビタミンDが不足している高齢者は、十分にビタミンDを摂取している高齢者に比べて、転倒する回数が多いことが分かった。また、ビタミンD不足の人は、1年間に2回転倒するリスクが78%高くなる。
ビタミンDは骨の健康維持に重要な役割を果たすが、筋肉質量や強度にとっても重要であり、筋肉を損なうと転倒リスクが高まるためと考えられている。
【文献】
Snijder, M. .B. et al.: Vitamin D Status in Relation to One-Year Risk of Recurrent Falling in Older Men and Women J. Clin. Endocrinol. Metabol. 91: 2980-2985. (2006) [doi: 10.1210/jc.2006-0510]
2006/09/25 将来5人に1人は肥満児:アメリカ
アメリカ医学研究所(IInstitute of Medicine: OM)が、アメリカの児童の17%が肥満であるが、今後10年で子どもの5人に1人が肥満児になる可能性があるとが報告したとCNNが伝えている(06/09/16)。
IOMによると、プログラムは肥満傾向にある児童を対象として、保護者や学校、地域社会、食品産業、政府が連携して取り組んできた。アメリカ疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)の実施した「Verb」プログラムでは、外遊びが減り始める9-13歳の児童の運動を30%も増やすことが出来た。しかし、予算削減に伴い、今年打ち切りに追い込まれた。
IOMの報告書は、最善策を見極めるためにはさらなる調査が必要だと述べ、子供の肥満が増えている現状を改革するのに必要な国の指導力が不足していると指摘している。
アメリカ疾病対策センターの元長官で、IOMの委員会のエモリー大学のジェフリー・コプラン博士は、「急性感染症への対応とは性質が異なるが、こうした疾病と同様に子供の肥満対策を重視するべきで、予算削減は問題だ」とコメントしている。また、カリフォルニア大学の研究者トニ・ヤンシー氏は、健康的な食習慣と運動が必要だという認識を定着させるため、社会全体の変化が必要と述べた。
上記CNNの記事は下記のサイトで読める。
http://www.cnn.com/2006/HEALTH/09/13/
child.obesity.ap/index.html
2006/09/24 リンゴは今も人工的なワックス処理しているのでしょう?
青森で栄養師さんに対してリンゴの健康効果について講演したとき、会場から「リンゴは今も人工的なワックス処理しているのでしょう?」と質問された。もちろんこの質問者は、リンゴの表面の白い粉やべとべとが「果粉」といわれるものでリンゴ自身が作り出すろう物質(脂肪に似た物質)であることはご存じです。
質問者は、かってリンゴの日持性を向上させるために人工的なワックス処理(ポストハーベスト農薬)が行われていたことを覚えておられてこの質問となったわけです。
この質問には驚きました。使われたのはもう20年以上も前の話です。日持性のよい品種が作出されたことと、消費者の志向に合わせて現在では全く使われていません。でも「安全・安心」に係わることなので覚えておられたのです。
リンゴの生産量が日本一の青森に住む食の専門家である栄養師さんのこの質問は大変重いと思いました。「安心・安全」に関する感情を軽く考えてはいけないと思い知らされました。
一方、新しく開発されたポストハーベスト農薬には、日持性向上効果があるため美味しいリンゴが長く食べられる。それは、消費者のメリットだから受け入れられるとの説があります。本当でしょうか。
昨年、天候不順で「つがる」の収穫が遅れ、次の品種の出荷と重なり供給量が増加した結果、リンゴの価格が暴落してしました。そして下がったまま、その後も回復することはありませんでした。このことは、「つがる」の販売日数が延びてもそれを吸収するだけの消費が市場にはないことを示しています。
「消費量を伸ばせばよいではないか」とすぐに反論されます。しかし、消費を伸ばすための「毎日くだもの200グラム」運動は、「安心・安全」と深いつながりがあり、ポストハーベスト農薬の使用とは両立しにくいのです。
青森の栄養師さんの「リンゴは今も人工的なワックス処理しているのでしょう?」の質問の重い意味がここにあります。我が国の果物は諸外国に比べて安全・安心であるとの認識が覆ると、せっかくの「毎日くだもの200グラム」運動も前に進まなくなるのではないでしょうか。
そのため、ポストハーベスト農薬はいらないと考えています。
ポストハーベスト農薬によるリンゴの日持性向上の研究は大変興味深い領域です。しかし、研究のおもしろさと消費者の志向とは一致するとは限らないのです。
2006/09/24 イギリスの給食改革:毎日、給食に果物・野菜を2品目
子供たちの肥満を防ぐためにイギリスでは、9月から学校給食にジャンクフード(チョコレート、ポテトチップス、炭酸飲料、質の悪い肉など)の利用が禁止され、果物と野菜を毎食ごとに2品以上とし、揚げ物は週2回までとする給食改革がスタートしたとBBCが伝えている(06/09/19)。
イギリスでは2-15歳までの約30%が太り過ぎとされ、子どもの肥満が大きな問題になっている。そこで、政府は学校給食の改善のために2.8億ポンドの支出を約束し、テレビの人気シェフであるオリバー(Oliver)さんを使ったキャンペーンが行われている。
イギリス教育技能省のアラン・ジョンション(Alan Johnson)長官は、今回の改革で示した新しい規格により、学校が提供する食べ物は健康的であることを保障すると語った。また、生徒たちは、学校給食から健康的なバランスのよい食事について学び、正しい選択が出来るようになると述べている。
BBCの上記記事のサイトは下記
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/education/4995268.stm
2006/09/23 マラソンランナーは渇きを感じたら給水が必要
マラソンランナーが走っているときどのくらい給水する必要があるかについては色々な考え方がある。例えば、アメリカンカレッジ・スポーツ医学(American College of Sports Medicine: ACSM)のガイドラインでは、1時間当たり600-1200mlの給水を推奨している。
一方、国際マラソンドクター協会(International Marathon Medical Directors Association: IMMDA)の専門家は、状況に応じ柔軟な対応が必要であり、最も普遍的な基準は「渇き」であると報告した(文献)。
【文献】
Hew-Butler, T. et al.: Updated Fluid Recommendation: Position Statement From the International Marathon Medical Directors Association (IMMDA). Clin. J. Sport Med. 16: 283-292. (2006)
2006/09/22 アルツハイマー病になっても新しい記憶が出来る:マウスで
アルツハイマー病が発症したトランスジェニック・マウスに酵素(ubiquitin C-terminal hydrolase L1 (Uch-L1))を注射したところ、マウス新しい記憶を作る能力が回復したとアメリカ・コロンビア大学の研究チームが報告した。今後、治療法への進歩が期待される。
【文献】
Gong, B. et al: Ubiquitin Hydrolase Uch-L1 Rescues β-Amyloid-Induced Decreases in Synaptic Function and Contextual Memory. Cell 126: 775-788. (2006)
2006/09/21 食事からのビタミンEの摂取量が低いとぜん息になりやすい
イギリスで2,000人の妊婦とその子供を5年間追跡調査したところ、妊娠中に食事からのビタミンEの摂取量が最低であった群の母親の子供は、最高であった群の子供の5倍もぜん息になるリスクが高いことが分かった。妊娠16週目までが特に重要な期間であると研究者らは述べている。
この研究結果から研究者らは、ビタミンEだけを摂取するべきではなく、バランスの良い健康的な食事から毎日のビタミンEの推奨量を摂取することが重要であると述べている。
果物摂取とぜん息との関係について近々、果物&健康NEWSで取り上げる予定。
【文献】
Devereux, G. et al.: Low maternal vitamin E intake during pregnancy is associated with asthma in 5-year-old children. Am. J. Respir. Crit. Care Med. 174: 499-507. (2006) [doi: 10.1164/rccm.200512-1946OC]
2006/09/20 リンゴが肺機能を良好に保つ
イギリスで行われた45~49歳の男性2,500人以上の食事と肺機能の調査から、良好な肺機能はビタミンC、E、ベータカロテン、カンキツ、リンゴ、果物ジュースの高摂取と関係があるらしいことが分かった。しかしながら、統計的に有意差が見られたのはリンゴだけであった。
1週間当たり5個以上のリンゴを食べている人は肺機能が良好で、そうでない人に比べて肺容量が138ml大きかった。
【文献】
Butlanda, B.K. et al.: Diet, lung function, and lung function decline in a cohort of 2512 middle aged men. Thorax 55: 102-108. (2000)
2006/09/19 果物を無料で学校に提供:意外な調査結果
アメリカ・ミシシッピー州で、リンゴ、オレンジなど新鮮果物を学校の子供たちに無料で提供した結果、果物の摂取量が増えたことが分かった。
2004-2005年にグレード5(小学5年)、グレード8(中学2年)、グレード10(高校1年)の学生851人に果物と野菜を無料で提供した。その結果、グレード8とグレード10の学生で果物の摂取量が増加し、果物の無料提供が効果的であると考えられた。しかし、グレード5では消費は増えたようには見えなかった。グレード5で摂取量が増えなかった理由として、幼い子供は、果物や野菜などカロリーに低い食品より、カロリーの高いバターなどの食品を好む傾向にあるためではないかと考えられている。一方、野菜ではどの学年でも消費が増えたとは認められなかった。
この調査結果は意外であった。小学生の方が学校の先生の言いつけを守るのではないかと思っていたが、むしろ、中高生に果物を配布する方が消費拡大につながることが分かった。思春期になると食生活がかわることと関係しているのかも知れない。この調査結果から考えると、ダイエットと結びつけて中高生に果物を配ることは有効ではないか。
【文献】
Schneider, D.J. et al.: Evaluation of a Fruit and Vegetable Distribution Program - Mississippi, 2004-05 School Year. Morbidity and Mortality Weekly Report 55: 957-961. (2006)
2006/09/19 果物の消費拡大にポストハーベスト農薬はいらない
安全と安心への関心が高まっている。安全は科学的な証明が可能であるが、安心は消費者の心の問題であるので簡単には変えることは出来ない。また、消費者に科学的な知識のないことを指摘しても始まらない。
国産果物の消費拡大には、安心感の醸成が不可欠である。現在、果物の国内流通と日本以外の諸外国の流通で最も異なる点はポストハーベスト農薬についての扱いの違いである。諸外国では果物を収穫した後に農薬を処理し流通過程での果物の損失を防いでいるが、我が国ではほとんどこうしたポストハーベスト農薬の処理を必要としない。このことが、国産果物の安心感を形成している。
日本だけポストハーベスト農薬を使用する必要がない理由は、単純化していえば収穫が丁寧だからである。1つ1つ丁寧に収穫し、選果をしっかりしているのでポストハーベスト農薬を使う必要がない。
国際化に合わせて、この安心感を古くさいイメージとして払拭する必要があるとの考え方があるが得策とは思えない。むしろこのイメージを大切にして果物の消費を拡大する必要があるのではないか。
2006/09/18 やせ過ぎモデル規制の動き、広がる
スペインでやせ過ぎのモデルがファッションショーへの出演を禁止されたが、イギリスでも同様の動きが出ている。
ロンドン・ファッションウィークが18日から始まるが、食事障害防止団体や閣僚がやせ過ぎのモデルへの懸念を相次いで表明した。スペインと同様に、身長と体重の比率BMIが18にを満たないやせ過ぎのモデルをショーに出さないよう求めている。
ガーディアン紙やデーリーメール紙によると、ジョウェル(Tessa Jowell)文化相は、もっと現実的な体型の健康な女性になるよう呼び掛けている。同相は「若い女性の行動や感情を形づくる上で、ファッションが果たす力を一瞬たりとも過小評価してはならない」と語っている。また、食事障害協会のスポークスマンは、規制は増大している拒食症や病的飢餓のレベルを減らすのに有益であると語った。
しかし、ファッションショーの主催者はこうした要請を拒否している。その理由として、ファッションに対して創造的な自由がデザイナーに与えられる必要があるとしている。また、モデルを決めるのはデザイナーで、こうした要請に冷淡というわけではないと述べている。
ガーディアン紙の上記記事は下記のサイトで読める。
http://observer.guardian.co.uk/uk_news/story/0,,1874322,00.html
デーリーメール紙の上記記事は下記のサイトで読める。
http://www.dailymail.co.uk/pages/live/articles/news/news.html?
in_article_id=405431&in_page_id=1770
毎日新聞(06/9/18)が、「少女らに誤ったメッセージを送る」としてスペイン・マドリードのファッションショーでモデル5人がやせ過ぎ禁止で失格となったと伝えている。
事前の身体測定では、モデル68人中5人が規定値に達せず出場禁止となった。身体測定はBMIが18以上とする拒食症防止のための地域規定に基づいて実施された。イタリア・ミラノのファッションショーも規定導入の動きがあるという。
2006/09/17 ネアンデルタール人と現生人は長く共存
約3万年前までに地上から姿を消したと考えられていたネアンデルタール人が2万8000~2万4000年前まで生存していたことを示す証拠がイベリア半島で発見された(文献1)。
このことは、現生人(現代型ホモ・サピエンス)の進出で滅んだとする従来の考え方を覆し、現生人との共存が数千年にわたって続いていたことを示す結果である。
国際研究チームは、イベリア半島南部ジブラルタル沿岸の洞窟(どうくつ)から、ネアンデルタール人の文化を示す石器類103個と火の使用跡を発見、地層中の放射性炭素などの分析で年代を特定した。
この科学的発見は、色々な想像を喚起する。ネアンデルタール人と現生人の交流はあったのか。コミュニケーションは可能だったのか。ネアンデルタール人は環境不適合などで自滅したのか、それとも、現生人に滅ばされたのか。食料を取り合ったのか。などなど。共存していた時代のそれぞれの文化程度の差も知りたいと思う。
南カリフォルニア大学のPlagnolらの研究では、ヨーロッパ人はネアンデルタール人の遺伝子を受け継いでいるのでないかと示唆している(文献2)。科学的に大変面白い状況になっている。
【文献】
1) Finlayson, C. et al.: Late survival of Neanderthals at the southernmost extreme of Europe. Nature Online Sep. 13 (2006) [doi: 10.1038/nature05195]
2) Plagnol, V. etal.: Possible Ancestral Structure in Human Populations. PLoS Genetics 2: e105. (2006) [DOI: 110.1371/journal.pgen.0020105]
2006/09/16 ヤングアダルトに対する果物・野菜摂取への動機づけ
アメリカ・南ダコタ州立大学の研究グループは、栄養学を学んでいない大学生(18-24歳)に対し、果物と野菜の摂取の動機づけを行った。
参加した大学生に対し、4回のニュースレター、1回のインタビュー、E-mailによる個別のフォローアップを4ヶ月間行った。対象グループの果物と野菜の摂取の増加量は1日当たり0.4サービングであったが、動機づけが行われたグループの果物と野菜の摂取の増加量は1日当たり1サービングと統計的に有意に摂取量が増加した。
以上のことから、コンピュータなどを使った上記の方法は、ヤングアダルトに対する果物と野菜の摂取量を増やすのに効果的であると著者らは述べている。
【文献】
Richards, A. et al.: Motivating 18- to 24-Year-Olds to Increase Their Fruit and Vegetable Consumption. J. Am. Diet. Assoc. 106: 1405-1411. (2006)
2006/09/15 高カロリー、低食物繊維食が子供の肥満の原因
高カロリー、低食物繊維食はホルモンのインバランス(不均衡)を招き、子供の過食につながると、アメリカ・カリフォルニア大学のRobert H. Lustig教授が述べている。
アメリカでは、子供の最も一般的な疾患は肥満であり、以前は成人にのみ見られた2型糖尿病などの疾患が、現在では子供の間で広がりを見せている。
現在の食品環境は、カロリーの摂取量が多く、食物繊維の消費量が低下しており、そのため、 脂肪組織へのエネルギーの蓄積や レプチンによる情報伝達などによりインシュリンの分泌に影響を及ぼし結果として肥満になるとしている。
【文献】
Lustig, R. H.: Childhood obesity: behavioral aberration or biochemical drive? Reinterpreting the First Law of Thermodynamics. Nature Clinic. Prac. Endoc. Metabol. 2: 447-458. (2006) [doi: 10.1038/ncpendmet0220]
2006/09/14 アメリカ31州で成人肥満率が増加
アメリカでは成人肥満率が31の州で増加し、およそ3分の2の人々が糖尿病、脳卒中、がんといった致命的疾患で亡くなっているとTrust for America's Health (TFAH)2006年版に掲載された。アメリカ・連邦政府や州政府が過体重を抑制する努力をしているにもかかわらず、成人肥満率は1980年の15%から、2004年には32%と増加した。
下記のサイトで報告の要約が読める。
http://healthyamericans.org/reports/obesity2006/
2006/09/13 果樹研究所と京都府立医科大のウンシュウミカンの研究がBBCに掲載
BBC(2006.9.11)は、果樹研究所で行われたカロテノイドを含むウンシュウミカンは肝疾患、動脈硬化、インシュリン抵抗性のリスクを下げる研究と、京都府立医科大学で行われたウンシュウミカンジュースを飲み続けると慢性ウイルス性肝炎の患者の肝臓ガン発症のリスクを減らす研究を、イギリスの二人の研究者のコメントともに報道した。
果樹研究所の研究では、三ケ日町に住む1,073人を調査した結果、ウンシュウミカンを多く摂取している人は、重篤な疾患と関係する化学マーカーの値が低いことを見いだした。
イギリス・ハート財団(BHF)のCathy Rossは、「この研究は、イギリス・ハート財団が推奨している果物と野菜を1日あたり少なくとも5単位食べることを支持する結果である」と述べている。そして、「異なった色の果物と野菜には、異なったビタミンとミネラルを含んでいるので、食事の中に様々な果物や野菜を取り入れるのがよい」とコメントした。
京都府立医科大学の研究チームは、30人の患者に対して慢性ウイルス性肝炎の患者にカロチノイド含んだウンシュウミカンジュースを毎日、1年間の飲用してもらったところ1年後に、肝臓ガンに罹患した人はいなかった。一方、ジュースを飲まなかった45人の患者のグループで8.9%の発症があった。今後この研究をさらに5年間を続けるのを計画している。
イギリス・チャリティー・ガン研究所のEd Yongは、この研究の意義を認める一方、サンプルサイズを大きくする必要があると述べるとともに、喫煙やアルコールの過度の飲用による肝硬変が肝臓ガン発症により影響するように見えるので、何か特定の果実で特に強い利益があるかどうかは不明瞭であるとコメントした。
BBCの上記ニューストは下記のサイトで読める。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/5333898.stm
2006/09/12 果物にアニメキャラクター:売り上げアップ
アメリカのスーパーマーケットで果物や野菜にアニメキャラクター(「ミッキーマウス」や「くまのプーさん」)が貼られている。子どもの肥満などに対する懸念を背景に、健康的なイメージ作りを図る娯楽業界と、市場拡大を目指す生産者らの思惑が一致し、キャンペーンが行われている。
青果流通業者のイマジネーション・ファームズ(本社・インディアナ州)は娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーからライセンスを取得し、今年5月以来、全米15カ所の生産大手から届く野菜や果物を、「ディズニー・ガーデン」というブランド名で卸している。すでに店頭に並んでいるのは、人気キャラクターのデイジーダックやグーフィーのシールが付いたモモ、ミッキーマウスの箱に入ったブドウなど。くまのプーさんの印を付けたリンゴも発売予定。
ディズニー・ガーデンの商品を青果売り場全体に広げ、子どもたちをファストフードから呼び戻し、果物の消費を伸ばしたいと同社は考えている。今のところ狙い通り、キャラクター付きのモモやスモモ、ネクタリンは、キャラクターのなかった昨年を上回る売れ行きを示しているという。
過去にも「ポパイのホウレンソウ」といった例があるが、ライセンス契約のコストなどが壁になり、普及しなかった。ディズニーはイマジネーション・ファームとの契約内容を公表していないが、青果業界誌を編集する専門家は、娯楽業界の目的は家庭向けのイメージアップで、ライセンス料でもうけるつもりはないとみられ、料金は低く設定している可能性が高いとみている。
上記CNNの記事は下記のサイトで読める。
http://www.cnn.com/2006/HEALTH/conditions/09/05/
cartoon.fruit.ap/index.html
2006/09/11 食物繊維を摂取するために
アメリカ・家庭医協会は、コレステロールを下げ、心臓病、糖尿病のリスクを減らす効果がある食物繊維の摂取を勧めている。健康の維持のための食物繊維を摂取するために、1)毎日、少なくとも4.5カップの果実と野菜を摂取する(食物繊維が豊富なのは、リンゴ、オレンジ、ベリー、セイヨウナシ、ブロッコリー、ニンジンなど)。2)精米されていない玄米や全粒小麦粉のパンを摂取する。3)朝食にふすまのシリアルを摂取する(ただし、食物繊維の量をラベルでチェックする)。4)小麦のふすまを他の食物に混ぜて摂取する。5)頻繁に料理した豆を摂取する。
アメリカ・家庭医協会のサイトは下記
http://familydoctor.org/099.xml
2006/09/10 長時間勤務は血圧を上げる
アメリカ・カルフォルニアで55,000以上の家庭を対象とした調査によると、週40時間以上働いている人は、週11~19時間働いている人より血圧が14%高く、また、週41~50時間働いている人は血圧が17%高いことが分かった。職業別では、事務職と非熟練労働者は専門職より高血圧が高かった。事務職は専門職より23%高く、非熟練労働者は専門職より50%高いことが分かった。
【文献】
Yang, H. et al.: Work Hours and Self-Reported Hypertension Among Working People in California. Hypertension Online Aug. 28. (2006) [doi: 10.1161/01.HYP.0000238327.41911.52]
2006/09/09 食事摂取基準に関するガイド版の発行
アメリカとカナダの専門家チームが「食事摂取基準:栄養所要量に関するエッセンシャルガイド(Dietary Reference Intakes:The Essential Guide to Nutrient Requirements」(2006年版)を発行した。推奨食事許容量、適量摂取レベル、生活習慣病予防のための許容限界摂取量、栄養表示の指導原理、食事摂取のための計画とその方法、食物繊維の新しい定義、摂取量確立のためのリスクアセスメントなど。
本の概要は下記のサイトにある(注文も出来る)。
http://newton.nap.edu/catalog/11537.html
2006/09/08 世界一高い木見つかる
先月、アメリカ・カリフォルニア州北部にあるレッドウッド国立公園内で、世界一高い木が、Chris AtkinsとMichael Taylorにより 発見された。高さは378.1フィート(115.2m)で、ギリシャ神話の神の名を取って「ヒュペリオン(Hyperion)」と命名された。
ギネスブックに記載されている最長の木は「ストラトスフィア・ジャイアンツ(Stratosphere Giant)」(112.5m)である。また、自由の女神像は93mである。
参照サイト
1)http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/
2006/09/07/MNGQRL0TDV1.DTL&hw=redwood&sn=001&sc=1000
2)http://www.nativetreesociety.org/bigtree/new_worlds_tallest.htm
2006/09/07 BMIやウエスト周り:高齢男性で健康リスクと関係
BMIやウエスト周りなどの簡単な測定で、適切に健康リスクを判断することができかについて議論されているが、少なくともイギリスの高齢の男性では効果的であることが断面研究から分かった。60~79歳のイギリス人男性4242人を調査したところ、BMIやウエスト周りの寸法は、体脂肪量指数と密接に関係していた。
【文献】
Ramsay, S. E. et al.: The Relations of Body Composition and Adiposity Measures to Ill Health and Physical Disability in Elderly Men. Am. J. Epidemiol. 164: 459-469. (2006) [doi: 10.1093/aje/kwj217]
2006/09/06 抗酸化物質が網膜退化を抑制
ビタミンE、ビタミンCなど抗酸化物質をマウスに投与したところ網膜退化の進行が抑制されたと、アメリカ・ジョンホプキンス大学の研究チームが発表した。
網膜退化は失明の原因でアメリカには10万人の患者がいるとされている。果物や野菜には、こうした抗酸化物質が多く含まれているが、人に対する治療効果については今後の課題である。
【文献】
Komeima, K. et al.: Antioxidants reduce cone cell death in a model of retinitis pigmentosa. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 103: 11300-11305. (2006) [doi: 10.1073/pnas.0604056103]
2006/09/05 ビタミンB6はパーキンソン病のリスクを下げる
ビタミンB6を多く含む食品を摂取するとパーキンソン病リスクが減少するとオランダの調査から分かった。
5,289人の男女を対象に調べた結果、ビタミンB6の摂取が最も多い群では、もっとも少ない群に比較してパーキンソン病の発症リスクが半分であった。
ビタミンB6は神経系の機能の代謝に必須で、牛のもも肉やナッツ、バナナなどに含まれている。また、カロリー単位で比較すると果物に含まれているビタミンB6は、牛乳などよりも多い。
【文献】
de Lau, L. M. L. et al.: Dietary folate, vitamin B12, and vitamin B6 and the risk of Parkinson disease. Neurology 67: 315-318. (2006)
2006/09/04 果物・野菜など低カロリーで体積の大きい食品は健康に有益
アメリカで、成人7500人を調査した結果、果物や野菜など低カロリーで体積の大きい食品を摂取する人は、食べる量は多くても総摂取カロリーは低く栄養素のバランスも良いことが分かった。
果物や野菜などを多く摂取している人は、肉やスナックなどを摂取している人に比べて摂取カロリーが1日当たり100kcal低いだけでなく、カルシウム、鉄、カリウム、ビタミンA、C、B6、葉酸の摂取量は逆に多かった。
その理由は、高カロリーで体積の小さい肉やスナックなどに比べて、果物や野菜などはカロリーが低く、体積が大きいので、満腹感が得られるためである。
【文献】
Ledikwe, J. H. et al.: Low-Energy-Density Diets Are Associated with High Diet Quality in Adults in the United States. J. Am. Diet. Assoc. 106: 1172-1180. (2006)
2006/09/03 「やせ」は太り過ぎより心臓病の死亡リスクが高い
80,845人の患者のデータから、心疾患や急性動脈症候群のリスクが高いのは「やや肥満(BMIが25-29.9)」や「肥満(BMIが30-39.9)」の人ではあるけれども、積極的な治療を受けて予後がよく、死亡率は「標準体重(BMIが18.5-24.9)」の人より低いことがアメリカ・カルホルニア大学の研究から分かった。
一方、「やせ(BMIが18.5以下)」の人は極端な肥満症の人と同様に心疾患による死亡率が高いことが示された。
若い人のみならず多くの人が「やせ」を目指しているが、その健康上の問題点も伝えていく必要があるように思う。
【文献】
Diercks, D.B. et al.: The obesity paradox in non-ST-segment elevation acute coronary syndromes: Results from the Can Rapid risk stratification of Unstable angina patients Suppress ADverse outcomes with Early implementation of the American College of Cardiology/American Heart Association Guidelines Quality Improvement Initiative. Am. Heart J. 152: 140-148. (2006)
2006/09/02 腎臓結石予防にはレモネードよりオレンジジュース
毎日1杯のオレンジジュースで腎臓結石を予防でき、レモネードなど他のカンキツよりも優れているとアメリカ・ユタ州のSouthwestern Medical Centerの研究者が発表した。
研究では、13人の被験者に対し、クエン酸塩、オレンジジュース、レモネードを飲用してもらい各段階の尿と血液を調べた結果、オレンジジュースが尿中へのクエン酸塩の排出レベルを上げ、尿酸血症の生成を抑える、レモネードよりも優れていることが分かった。
【文献】
Odvina, C. V.: Comparative Value of Orange Juice versus Lemonade in Reducing Stone-Forming Risk. Clin. J. Am. Soc. Nephrol. Online Aug. 30 (2006) [doi: 10.2215/CJN.00800306]
2006/09/01-2 健康な十代女子でもビタミンD不足
イギリスで行われた研究によると、健康な十代女子でも、ビタミンDの血中レベルが不足気味であることが分かった。14人の白人と37人の非白人の少女(平均15.3歳)を対象に血液中のビタミンDとの関係について調査を行った結果、73%はビタミンD不足、17%は非常に不足していることが分かった。また、白人に比べ非白人でビタミンDの血中レベルが低いことも分かった。研究者らは、その原因として日光への暴露が少ないことが原因と分析している。
この論文は骨の形成に必要なビタミンDが、多くの若い女性で不足していることを示している。同時に、カルシウムを十分に摂取していても、ビタミンDの不足が原因で骨の形成に問題があることも示している。
【文献】
Das, D. et al.: Hypovitaminosis D among healthy adolescent girls attending an inner city school. Arch. Dis. Child. 91: 569-572. (2006)[doi: 10.1136/adc.2005.077974]
投稿者
kudamononet