2004年8月


2004/08/31
 やはり台風16号で果樹菜などに大きな被害が出ているようだ。 暴風雨による果実の落下、ハウスの倒壊などが報告されている。福岡県は果樹産地を中心に落果などの被害がかなりある。熊本県南部ではハウスの倒壊、出荷の始まった栗や梨では落果や枝折れの被害も見られている。大分県宇佐地域はブドウに宮崎県内ではかんきつ類などの果樹の傷果がでているようだ。
 鳥取の梨や、佐渡のカキ、長野や東北地方のリンゴは大丈夫だろうか。
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2004/09/01
追記
 台風16号の影響で大阪市中央卸売市場本場、福岡市中央卸売市場の青果物の入荷が大幅に減少したようである。


2004/08/30

 台風が九州に上陸し、中国地方を縦断している。明日、東北地方に再上陸するかも知れないとの予報が出ている。大きな被害が出なければよいのだが。
 今年の果物の出来はとても良く、美味しい。しかし、今回の台風は果樹生産地帯を通過している。強風が吹くと果物は落下の危険が高まるので被害が出ないかと心配である。


2004/08/27
 アテネオリンピックのハンマー投げで1位となったアドリアン・アヌシュ(ハンガリー)が、国際オリンピック委員会(IOC)から求められていたドーピング(薬物使用)再検査を、期限までに受けなかったことから金メダルをはく奪される可能性が高まったと報道されている。そのため、2位だった室伏広治選手が繰り上がり、金メダルを獲得する可能性が高まった。
 今回のオリンピックで日本の金メダルラッシュが続いているが、もしかしたらドーピング検査の強化と関係があるのかも知れない。筋肉増強剤などの薬による効果の出やすい個人競技での金メダルメダルが多く、効果の出にくい団体競技では少ないこともそのことを裏付けているように思う。今までも、日本人選手の実力は世界レベルに達していたが、他国の選手は薬の使用により順位を上げていたため、メダルを取れなかったが、ドーピング検査が強化されため、同じレベルでの競争になったので、日本人選手がメダルを手にしたと考えられないだろうか。
 金メダルが多いことの主な理由は他にあると思うが、ドーピング検査の強化も少なからず影響していると思う。


2004/08/25-26
 アメリカ厚生省の研究チームが、アメリカの成人の3人に1人(約6500万人)が、高血圧状態にあるとの調査結果を発表した。10年前と比べて約30%増加していた。
 健康と栄養に関する1999-2000年の調査結果を基に、1988-1994年の調査結果を参考にした推定では成人の28.9%が高血圧だったが、今回の調査では31.3%に増えた。(CNN:8/23)
 高血圧の傾向は男女に関係なく、加齢とともに増加した。人種別では、白人やヒスパニック系の高血圧者は10人に3人の割合だったが、黒人では10人に4人だった。さらに、高血圧を自覚している人は、高血圧者のうち3人に2人にとどまり、治療を受けているのは3人のうち1人に過ぎない。
 調査主任のラリー・フィールズ(Larry E. Fields)博士は、「高血圧によって、心臓疾患や腎不全の可能性が高くなる」と指摘している。「定期的に血圧を調べ、もし血圧が上がったら、すぐに治療を受けることが必要だ」と話している。
 心臓病・脳卒中の原因となる高血圧を予防することは日本においてもますます重要性が増すと考えられる。DASH摂取プランを参考に、日本人のための高血圧予防のための摂取プランを作る必要がある。

http://www.cnn.com/2004/HEALTH/conditions/08/23/
blood.pressure.ap/index.html



2004/08/24
 金メダルが今回多い理由について語られ始めたが、何が本当かは時間がたたないと分からないと思う。例えば、今まで、日本人は本番に弱いと言われていたが、今回は、記録的には負けている選手が、本番で競い合いに勝利し、メダルを獲得している。従って、「本番に弱い」ことに関する今までの解説の多くは誤っていた可能性が考えられる。
 選手と食事についても語られ始めている。日刊スポーツに「Dr.平石貴久のアテネを診る」( 8月24日)に、長距離走における食事摂取のやり方が記載されている。参照されるとおもしろいかも知れない。
http://athens2004.nikkansports.com/column/hiraishi_040824.html


2004/08/23
 Googleで「くだもの・科学・健康ジャーナル」が検索できるようになった。Yahoo!Janan、Infoseekでは、すでに検索可能となっていたので、主な検索サイトに登録が完了したことになる。また、Open Directoryの「健康/食事・栄養/」にも登録された。
 果物の栄養・科学的情報やその周辺について、原著に当たるなど他のサイトとはひと味違う視点から、内容の充実を図っていきたい。

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 アテネの女子マラソンで野口みずき選手が金メダルを獲得した。キャサリン・ヌデレバ(ケニア)やポーラ・ラドクリフ(英国)、東京女子マラソンで高橋尚子選手を破ったエルフィネッシュ・アレム(エチオピア)らの追撃をかわしての1位には金メダルをさらに高める価値がある。それにしても日本代表は3人ともすばらしい成績を収めた。アップダウンが激しく、暑いアテネでは上位に食い込むことは難しいのではないかと思っていたので驚いている。
 ただ、気になるのは、野口選手がゴールしてから20分間医務室で休んだことである。高橋尚子選手が東京女子マラソンで、途中失速したこととあわせて、走るためのエネルギー補給と食事との関係が長距離選手には極めて重要なことが改めて認識された。
 今後、高橋選手も含め、日本選手の食事内容を科学的に検討する必要があるだろう。この解析により、持久力を必要とする運動選手にたいする有効は食事摂取の方策が明らかになると期待される。


2004/08/22
 アテネオリンピックでは、連日、メダルラッシュが続いている。期待以上の成果が上がっているがその理由は何なのであろうか。オリンピックが終わるとその解析が進むと思うが、その一つに科学的なトレーニングとそれを支える科学的な食事摂取法の進歩が上げられている。食事摂取法では、特に、糖質の吸収の指標であるグリセミック・インデクスが注目されている。この点を中心にオリンピック後の解析結果を注視したい。


2004/08/21
 ガンの発生率と体格指数(BMI)との関係について全国の40~60代の男女約9万人(男42,093人、女46834人)を追跡調査した結果、男性でBMIが23.0~29.9の人では、がん発生率がほとんど変わらなかった。しかし、やせ形になるに従って発生率は上昇し、発生率の最も低いBMI23.0~24.9と比較すると、BMI19.0~20.9では14%、最もやせていたBMI14.0~18.9だと29%発生率が高くなった。また、最も太っていたBMI30.0~39.9の発生率は22%高かった。一方、女性ではやせた人に顕著な発生率の増加はみられなかったと国立がんセンターのグループが発表した(Inoue M, et al. Cancer Causes Control. 15:671-680. (2004))。
 この研究は、新聞発表もされたので多くの個人サイトでもニュースとして載せているが、ニュースの元にあたる文献にふれたサイトは調べた範囲でなかった。くだもの・科学・健康ジャーナルでは、ニュースを鵜呑みにしないために文献検索サイトを紹介している。サイエンス欄の科学情報の無料検索サイトのパブメドから検索してみてほしい。
 キーワードとして「BMI Japanese Cancer Causes Control 2004」を入力すると最初に上記の論文が出てくる。


2004/08/20
 今日は、食品の健康機能性について考えてみたい。まず第一に、個々の成分含量の多少で食品の優劣を競うことは誤りであると考えている。どんなに優れた食品でも一つの食品の摂取だけで健康の維持向上を図れるはずはなく、ましてや一つの機能性成分が豊富であっても健康に寄与するとは思えない。例えば、何か特別な成分が豊富であれば、その成分の代謝に係わる別の成分が不足し、健康を害する可能性が考えられる。
 一方、ある特殊な成分が多く含まれていると健康によいと宣伝している。その考えが、疾病に対する薬と考えるなら分からなくもないが、日常摂取する食品には当てはまらない。なぜなら、食品は薬と異なり、摂取量を規制できないからである。薬には副作用があるため、薬は医師の診断により病状に応じて処方される。しかし、食品は、健康な人、病弱な人など老若男女を問わず様々な体質の人が食べるので、薬のようには処方できない。
 従って、食品は、食事全体のバランスを考えながら摂取することが何より大切であると考える。このような観点から日常の食生活を考えると、食バランスにおいて不足している果物摂取の重要性がより明確になると思う。


2004/08/19
 昨日、東京都栄養士会主催の生活習慣病予防セミナーで「なぜ今、果物の機能性が問われているのか」の講演を行った(参加者180名)。熱心にお聞きいただいたことに感謝したい。限られた時間ではあったが質問も多くほっとした。また、申し込みをしながら、会場の関係で出席できなかった人もいると聞き、その人たちにもいつかお話しできる機会があればと思っている。
 その後、講演会スタッフと懇親したが、とても楽しいひとときを過ごすことができた。このことにも感謝したい。今年の夏の暑さとジュースの売り上げとの関係については、とても興味深かった。もしかしたら秘密の部分もあるかもしれないので詳しくはここでは述べない。
 メルマガのパンフレットを配ったが、配信増につながることを期待してる。東京駅から会場の大手町サンケイプラザまで歩いていったが、暑かった。とはいえ、なんとはなしに秋の気配が感じられた。秋は果物の季節である。また、そのために研究が忙しくなる季節でもある。オーバーペースなので身体には気をつけねばと思っているが、時間を調整する余地がほとんどないのがつらい。


2004/08/17
 髪の毛は毛嚢(もうのう)から作られるが、毛嚢が失われると、そこから毛髪は生えなくなる。最近、毛嚢の再生についての研究が発表された(Nature Biotechnology 22(4):411-7. (2004))。マウスから「幹細胞」(様々な組織の細胞に分化する機能をもった細胞)を分離し、皮膚細胞と混合してマウスの皮膚にもどしたところ、それが毛嚢に成長し、毛が成長してきたと報告している。この研究は、なくなってしまった毛嚢が再生されたとするだけではなく、脱毛のメカニズムの解明や治療に新しい展望を開く成果である。
 「幹細胞」の様々な働き、可能性についてはいつか報告したい。


2004/08/16
 アメリカの研究チームが、赤身の肉や精白小麦粉、砂糖を多く摂取する西欧型食生活グループと、果物、野菜、魚、豆類、全粒穀物を多く摂取する食生活グループとを比較したところ、西欧型食生活をしているグループの脳卒中発生リスクは、統計的に有意に高いとオンラインジャーナルで発表した(Stroke 2004, doi:10.1161/01)。
 7万1千人以上の看護婦を対象に実施されたこの調査は、総合的な食事パターンと脳卒中の発生リスクを検証したものとしては初めてであると述べている。

 すでに、赤身の肉など動物性脂肪の摂取が多く、食物繊維や果物、野菜の摂取が少ない食生活をしていると、心臓病や糖尿病、ガン、肥満の発生リスクを高めるとされていたが、脳卒中も同じであることが証明された。


2004/08/15
 今日は「不戦の誓い」の日である。戦争の悲惨さと科学の進歩は平行しているように見える。古代の戦争は、兵士以外の死はほとんどなかったと言われている。一方、現代の戦争では、兵士以上に民衆が死亡するケースがほとんどである。

 大量破壊兵器として戦争の道具となったダイナマイトの発明者アルフレッド・ベルナルド・ノーベル(1833~1896)は、そのことを悲しみ、遺言で「基金を設立し、その利子を毎年、その前年に人類のためにもっとも貢献をした人に賞として与えるものとする。」と言い残した。「国家間の友好と軍隊の廃止ないし削減と平和会議の開催ないし推進のためにもっとも尽くした人に与える」平和賞や化学賞、生理学・医学賞、物理学賞、文学賞が設立され、1901年からノーベル賞が授与されるようになった(後に経済学賞が新設されている)。

 科学を発展させる大きな発見や発明は戦争とは無縁なところから生まれている。例えば、相対性原理の発見、DNAの発見などである。戦争と科学の発展が一見平行して見えるのは、そうした発見や発明を戦争の道具として利用する者がいるからである。そして、そうしたことに莫大な国家予算をつけるからである。『戦争は発明の母』などと言われることがあるが、これは戦争屋の宣伝文句に過ぎない。

 軍需産業がほとんどない日本の戦後における科学の進歩・発展の歴史が、戦争と科学とは直接結びつかないことを具体的に示していると思う。「不戦の誓い」だけでなく、ノーベルの遺言の精神に立ち返って科学の進歩とは何かを考える日でもあると思う。


2004/08/14
 いよいよアテネオリンピックが始まったが、なかなか生中継を見られない。開会式も今日の朝のNHKの録画放送で見た。開会式は整然と行進するとのイメージがあったが、今回は、かなり自由に行進していた。そのためか、日本選手団を含め笑顔が印象に残る開会式であった。

 各国のユニホームは白が多かったのは、やはり、ギリシャのイメージなのだろう。アフリカの国は、黒いユニホームが目についた。これは、アフリカの主張なのだろうか。

 各国の選手団がメインスタンドを通るとき、スタンドの貴賓席の首脳も立ち上がって手を振っていた。イギリスのブレア首相も満面の笑顔であった。国内で苦しい立場にあるブレア首相もそうだが、内戦の続くイラクやアフリカの諸国の選手団も喜びいっぱいで、ひとときの平和を十分に楽しんでいるように思えた。これがオリンピック精神なのかも知れない。

 古代オリンピックでは「オリンピック休戦」が守られ、平和の中で行う競技大会であった。オリンピックの間は、すべての戦いは禁じられた。それだけではなく、もう一つ重要なことについてはあまり知られていない。古代オリンピックの開催中は、対立する当事者間の交渉が行われる場でもあった。

 近代オリンピックでは、大会を契機に平和が実現したという話は聞かないが、貴賓席のメンバーや雰囲気を見ると、交渉の場に最適なように思われた。オリンピックが平和の祭典としてだけでなく、平和の創造の場でもあればもっと良いのだが。


2004/08/13
 糖尿病患者が増加しつつあるが、患者の増加数と精白炭水化物の消費量の増加とが一致するとする研究が報告された(Am. J. Clin. Nutr. 79: 774-779 (2004 ))。

 ハーバード大学のグループは、1909年から1997年までの食品の消費量と糖尿病発病率とを比較した結果、摂取カロリーが増大するにつれて糖尿病も増加していくことを報告した。この結果は、肥満が糖尿病のリスクを高めるという考えと一致している。 さらに、この報告では、食物繊維量が減少していることと、精製炭水化物(コーンシラップなど)の摂取量が多いほど糖尿病を発症するリスクが高くなることを明らかにした。

 ただし、この報告は、精製炭水化物が糖尿病増加の原因であることを完全に証明しているわけではない。しかし、この報告は、今までの研究報告と一致している点が多いので、糖尿病研究のリーディングペーパーとして各国の研究者によって検証されると思う。

 現在、糖尿病予防のため、栄養学者の多くは、精製された炭水化物を避け、代わりに食物繊維の多い全粒穀粉の食事をとることを勧めている。また、食物繊維の供給源である果物や野菜をとり、運動の回数を増やすことも奨励している。
 この研究論文については、メルマガ「果物&健康NEWS」などで、さらに詳しく説明したいと思っている。


2004/08/11-12

 緑茶をよく飲んでいる女性は胃がんが少ないと厚労省の研究班が調査結果を発表した。(2004.8.4、毎日新聞、朝日新聞など)

 この研究は、全国7地域の男女約7.3万人(40-60歳)を、7-12年にわたって追跡して調べ、胃がんになったヒトと、ならなかったヒトの1日に飲む緑茶の飲量を比べた結果、1日当たり5杯以上飲む女性は、1杯未満の女性に比べて、胃がんになるリスクが33%低かった。また、胃の下部にがんができるリスクでは、1日5杯以上飲む女性は1杯未満の女性の約半分だった。しかし、男性では統計的な差がみられなかった(Cancer Causes Control. 2004; 15:483-491)。

 緑茶の胃がん予防効果について、初期の症例対照研究と呼ばれるヒトを対象とした疫学調査の多くが「効果あり」とする結果を発表していた。一方、2001年、宮城県民2 万 6 千人を9年間追跡したコホート研究では、緑茶をたくさん飲むグループでも胃がんリスクが減少しなかったと発表された(New England Journal of Medicine 2001; 344:632-636)。

 さらに、2002年、文部科学省研究班による7.3万人を対象に胃ガンの死亡率を8年間追跡調査したコホート研究では、緑茶を飲むと胃がんの死亡リスクが減るという関係は認められなかったと報告された(British Journal of Cancer 2002; 87:309-313)。

 緑茶と胃がんについてのこれまでの研究では、症例対照研究が「効果あり」とし、コホート研究では「効果なし」とされていた。症例対照研究は比較的調査が容易であるが、科学的信頼性がコホート研究に劣ることから緑茶の胃がん予防効果は疑問視されていた。今回のコホート研究結果は、緑茶側に有利な報告となった。しかし、男性で緑茶の効果がないことが気にかかる。

 従って、今回の研究報告で、緑茶が胃がんリスクを下げる作用があると結論できないが、可能性が高まったと言えると思う。さらに、他の大規模なコホート研究による検証やヒト介入研究などによる証明が必要だろう。


2004/08/10
 いつの間にか稲穂が垂れ下がる季節になってしまった。早いところでは稲刈りが始まったとのニュースが報道された。今日はこれからの予定を記す。次回メルマガ「果物&健康NEWS」は、果物由来の食物繊維が心臓病予防に有効との論文紹介である。明日の「俗世夜話」では緑茶の胃ガン予防についてのいくつかの論文(有効、効果なし)を紹介する。8月18日は東京都栄養士会主催の講演会である。


2004/08/09
 農林水産省から食料自給率(食料消費について国産でどの程度賄われているかを示す指標)が発表された。それによると平成15年度の食料自給率はカロリーベースでは40%で、6年連続の横ばいであった。45%が目標であるが、残念ながら上昇の兆しがみえない。

 主食用穀物自給率は60%、金額ベースの総合食糧自給率は70%、穀類(食用+飼料用)自給率は27%、飼料自給率は24%である。
 品目別自給率(重量換算)は、果実類44%(前年度44%)、みかん104%(98%)、りんご62%(63%)となった。

 他の品目では、コメ95%(96%)、小麦14%(13%)、豆類6%(7%)、野菜82%(83%)、牛肉39%(39%)、豚肉53%(53%)、魚介類50%(47%)であった。
 平成2年では、カロリーベースの食糧自給率が48%、果実類の自給率は63%である。つい最近まで、かなり高かったことになる。

 自給率=国内生産量/国内消費量×100

 食用自給率を含む食料需給表(平成15年度版)は下記のサイトで見られる(2004.8.6発表)
 http://www.kanbou.maff.go.jp/www/fbs/fbs-top.htm


2004/08/08
 この土日はずーっと寝て過ごしてしまった。体力的に昔のようには行かない。暑い季節は、体力消耗も激しいように思う。計画が遅れ気味なので、今週はその分、仕事をしなければと思う。


2004/08/04-05-06
 現在公式に世界最古の鳥とされている「始祖鳥(Archaeopteryx)」の頭部化石をCTスキャンで分析した結果、視覚やバランス感覚を制御する脳や内耳の一部が現代の鳥類(Avialae類)並みに発達し、十分に空を飛べたことがわかったと英科学雑誌Natureに報告されたと伝えている。(朝日新聞など)

 原著(Dominguez Alonso P., et al., Nature 430:666-669 (2004))に当たるとともに周辺を調べてみた。それによると、始祖鳥(大きさはカササギと同じくらい)は、原始的な恐竜であるコエルロサウルス類(中国鳥竜)と歯や骨のある尾などが共通している。一方、、始祖鳥の翼や羽毛配列は現生の鳥類と共通している。そのため、半分はは虫類で、半分は鳥であった。始祖鳥は、1961年、ドイツのバイエルンで発見された。その時から、始祖鳥が空を飛んだかどうかが議論されていた。飛ばなかったとする説は、始祖鳥の胸骨が発達していないためパワー不足であるとしていた。

 今回の研究は、始祖鳥が飛べたことを論証している。今までも、自力で飛ぶ能力がある程度備わっていたとみられていたが、始祖鳥の脳や特殊な感覚がどの程度関与していたか不明であった。そこで、ロンドンの標本を用いて調べたところ、始祖鳥は視覚の比重が大きく、耳の聴覚や空間知覚が優れている点で現生鳥類に非常に近いことが分かった。すなわち、バランスを制御する内耳構造が鳥と同じであるなど、飛ぶのに必要な鋭い感覚、動作、バランス制御が整っているとした。従って、始祖鳥は神経及び構造面で飛ぶのに必要な新たな適応を遂げていたと著者らは結論づけている。そうすると、1億4700年前、ドイツのバイエルン州(州都ミューヘン)の上空を始祖鳥は飛び回っていたのでしょうか。


2004/08/03
 アジア・カップの準決勝で日本サッカーチームはバーレーンに劇的な勝利を収めた。負けたと思った時間帯もあったのでうれしい。監督に対して色々批判もあるようだけれど、今日の試合を見ると、選手は精神的にとても強くなっていると感じた。決勝戦も勝ってほしい。


2004/08/02
 ギネスブックのホームページを見るとテニスボール5個口にくわえたゴールデンレトリバーの写真が載っている。世界記録とのこと。7/27に載せた世界最小の魚はまだギネスには登録されていないようだ。ギネスブックの審査はどの様にしているのか興味がある。
http://www.guinnessworldrecords.com/


2004/08/01
 (独)国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性について解説したサイトを7/30に紹介し、納豆の説明に違和感があることを述べた。果物についても同様である。ブドウの解説にワインが含まれているが、食品として考えるなら、ワインは別のカテゴリーに分類する必要があるだろう。

 果物の摂取は、ガンや循環器系疾患など生活習慣病に有効であるとする科学的な証拠は蓄積しており、本年度のWHO総会でも、果物の摂取が推奨されている。ブドウを取り上げて、科学的証拠はないと論ずることの違和感は、こうしたところにある。

 別の例を上げよう。例えば、生活習慣病に有効な野菜なども、個別に取り上げて見れば、ほとんどの野菜で健康増進に有効であるとする科学的な証拠はない。日常摂取している食品で、科学的に評価された例は、ほんのわずかである。サイト制作者は意図していないと思うが、このサイトを見た消費者は、科学的に評価されていない野菜などは健康に寄与しないと考えてしまうのではなかろうか。

 ゲルマニウム、クマザサなど非食品や機能性成分と同列に、食品である納豆、ブドウなどを論ずることに、どうしても違和感がある。もちろん制作者は、『このサイトは「健康食品」の安全性について解説している』と述べている。「健康食品」の安全性を明らかにすることには賛成である。しかし、繰り返しになるが、やはり、「健康食品」と食品は分けて考える必要があると思う。