2005年10月


2005/10/31 褐変しないリンゴの新種
 切っても、すり下ろしても茶色にならない新種のリンゴが青森県りんご試験場で誕生したと毎日新聞が伝えている(05/10/30)。カットフルーツで売りやすく、「むくのが面倒」「1個は多い」と、敬遠していた人にも食べてもらえると期待されている。
 このリンゴは「青り27号」で甘くて香りの良い。リンゴは果肉が空気に触れると、果肉中のポリフェノール類が酸化酵素のポリフェノールオキシターゼ(PPO)によって変色するが、「青り27号」は(PPO)の働きが弱い。


2005/10/30 牛乳に含まれているカゼインは毒ではない
 「常識破りの超健康革命」(松田麻美子)では「牛乳に含まれているカゼインは強力な化学発ガン物質である!」と主張している。冗談ではない。科学的な根拠などまったくない。カゼインは、タンパク質の一種に過ぎず、蛋白質が問題であれば、すべての食品(動物性食品のみならず植物性食品も)が強力な発ガン作用があることになる。もちろん果物にもタンパク質は入っている。
 この本によれば、カゼインは子ウシにとっては自然が与えてくれた完全な健康食品であるが、人にとっては有害だそうである。その理由のいい加減さに驚く。いわく、「地球上で種族の違う動物のミルクを飲んでいるのは人間だけである」、「この地球上に生息する動物たちで生涯「乳離れ」していないのは人間だけである」。内容に虚偽を含みながら、外見上はもっともらしくいみせ、相手を欺く手法の典型である。


2005/10/30 ツタンカーメン王が飲んだワインは「赤」
 黄金のマスクで知られる古代エジプトのツタンカーメン王が飲んでいたワインの色は「赤」だったと、スペイン・バルセロナ大学のGuasch-Janeらの研究グループが突き止めた。大英博物館とカイロのエジプト博物館が保管するつぼに付着していた残留物を調査した結果、白ワインには含まれないアントシアニンの一種であるマルビン由来のシリンガ酸(syringic acid)を検出した。
 ツタンカーメンは、約3300年前の古代エジプト第18王朝の王で、発掘された墓からはこれまでに、ワインが入っていたと見られるつぼが見つかっていた。つぼには銘柄名のほか、収穫年や場所、醸造者について書かれていたが、中に入っていたワインの色は分かっていなかった。

【文献】
Guasch-Jane MR, et al.: Liquid chromatography with mass spectrometry in tandem mode applied for the identification of wine markers in residues from ancient Egyptian vessels. Anal. Chem. 76:1672-1677. (2004)


2005/10/29 「常識破りの超健康革命」は非科学的書2
 この本の著者松田麻美子らのグループは、そのホームページで「正統医学を拒否」すると述べている。従って、どんなに非科学的主張をしても良いのかも知れないがあまりにもひどいのではないか。
 この本が果物摂取を推奨しているからいいんだと考えている人もいるようだが誤っている。現在、果物の消費量は増えておらず、苦しい時期であるが、消費拡大のためには手段を選ばず、何でもありの世界ではないだろう。
 今は苦しくても正統医学に基づく果物と健康に関する情報を伝えていく必要があると考えている。科学的根拠に基づいて1人、1人説得していくのは困難で、回り道のように感じる知れないが、最後には大きな果実を得ることができると思っている。誤った手段で一時的な利益が得られたとしても、その後の損失は極めて大きいだろう。


2005/10/29 ウォーキングとスポーツは日本人の心臓病、脳卒中のリスクを減らす
 筑波大学の野田らの研究から、ウォーキングやスポーツ活動は心疾患の死亡率を減らすことが分かった。40~79歳の日本人男性3万1023人と女性4万2242人について、ワオーキングやスポーツ活動をしている人と虚血性脳卒中と冠動脈性心臓病との関係を調べたところ、1日に1時間以上ウォーキングをしているか1週間に5時間以上スポーツ活動をしている人は、ウォーキング1日に30分以下か1週間に1~2時間スポーツ活動をしている人に比べて心血管疾患の死亡率が低いことが分かった。虚血性脳卒中の死亡率ではウォーキングで29%、スポーツ活動で20%リスクを下げ、冠状動脈性心臓病の死亡率ではウォーキングで16%、スポーツ活動で49%リスクを下げた。

【文献】
Noda, H., et al. (2005) Walking and Sports Participation and Mortality From Coronary Heart Disease and Stroke. J. Am. Coll. Cardiol. 46: 1761-1767.[doi: 10.1016/j.jacc.2005.07.038]


2005/10/28 松田麻美子著「常識破りの超健康革命」は非科学的書
 松田麻美子著「常識破りの超健康革命」(グスコー出版)には、現代の科学常識では考えられないことが記述してあります。果物だけ食べていれば良いとする論理は、一般人に誤解を与え、非常識を超えるどころか、危険ですらあります。この本は問題だらけで、科学的な記述はすべて誤っています(一部ではありません)。

 例えばこうです。
 「バランスのとれた食事」をとらないようにすること-「バランスのとれた食事」をとっていると病気になる!
 牛乳に含まれているカゼインは強力な化学発ガン物質である!
 病院にはできるだけ行かないようにすること。医者がストライキがあると死亡率が激減する!
 朝食はしっかりとらず、果物だけを食べるようにすること
    ――「朝食信仰」を信じるな。朝食はとらないほうがよい

 これらは、科学的に根拠のない主張です。朝食に、著者らが主張する「果物だけ」と、私たちの「朝食に果物を」とは似て非なるものです。


2005/10/28 初めての三越劇場
 昨日、はじめて三越劇場へ行ってきました。エレベーターで6階に上がり、劇場入り口から楽屋に入りました。劇場の楽屋という場所も初めての経験です。6畳ほどで畳が敷かれ、鏡が3面あり、その上には電球が2つずつつけられていました。三越劇場の中は、装飾がヨーロッパ的でクラシックな感じでした。
 セミナーには多くの方にきていただき、1階も2階もほぼ満席のようでした。パネルディスカッションは、司会の樋口さんのおかげで個人的には楽しいひとときを過ごせたと思っています。おいでいただいた方も楽しめたでしょうか。


2005/10/26 明日は講演会
 明日、日本橋三越本店6階で「果物からはじまる健康生活」(日経健康セミナー21)が開催されます。パネラーとして第2部に出ます。天気はどうでしょうか。


2005/10/25 TBSで「リンゴパワーの新常識」
 明日、「はなまるマーケット」(TBS朝8:30~)で「リンゴパワーの新常識」が放映されます。リンゴの健康機能性やチーズとリンゴの関係などについて今泉清保アナウンサーが果樹研究所に取材にこられました。時間のある方は見てください。


2005/10/25 減量したあと体重を維持するには
 バンクーバーで行われた肥満に対する年次大会で、定期的に体重を記録することが減量に成功した人の体重を維持するのに有効であるとブラウン大学のチームが発表した。
 減量できた人のうち1/3が1年目に、2/3が2年目に元に戻ってしまう。そこで、Wingらは、2年以内に10%の減量に成功した人を、カウンセラーが面接指導するグループ、インターネットのチャットを介して指導するグループ、月ごとに減量に関するニュースレターを配布するグループに分け、体重の増減を調べた。研究を開始する前、どのグループも40%が毎日体重を記録していた。
 18ヶ月後に再調査した結果、毎日体重を記録していたのは、面接指導したグループで72%、インターネットグループで65%と増加していたが、ニュースレターのグループでは30%に減少していた。また、面接指導したグループでは18ヶ月後に2.5ポンドの増加、インターネットグループでは6ポンドの増加、ニュースレターグループでは10ポンドの増加が認められた。一方、毎日体重を記録していた人のうち68%は減量した体重を維持していた。
 以上の結果より、面接などで本人が定期的に体重を計測することを奨励するだけで、減量した体重を維持できるとしている。

【文献】
Wing, R., et al.; Can We STOP Regain after Successful Weight Loss: 18-Month Results of


2005/10/24 トップページのアクセス数2万件
 大塚栄寿氏の第2回「ブータンの『幸福度』」をUpしました。4000メートル以上の高地で撮影された写真には迫力があります。前橋のちーちゃんの瀑布の写真も必見です。
 ホームページのトップアクセス数が2万件を超えました。現在、Googleによるページランクは4/10で、alexaによるトラフィックランクは714,694です。ご愛読感謝いたします。今後ともアクセスお願いします。


2005/10/24 アジアでは高血圧が脳卒中と心臓病の原因
 オーストラリアとニュージーランドと比べて、アジアでは高血圧の人が多く脳卒中と冠状動脈性心臓病のリスクを高めている。従って、食塩の消費を抑えことが重要である。一方、オーストラリアとニュージーランドでは中性脂肪との関係が強いことが分かった。

【文献】
Asia Pacific Cohort Studies Collaboration&NA; A comparison of the associations between risk factors and cardiovascular disease in Asia and Australasia. Eur. J. Cardiovasc. Prev. Rehabil., 12: 484-491. (2005)


2005/10/23 講演会無事終了
 朝、羽田空港の第2ビルからANAで秋田に行きました。羽田では雨が降っており、飛行中も天候が悪く少し揺れました。そのため、お茶のサービスも途中で打ちきりとなりました。講演会は、熱心な参加者(約200名)のおかげで無事終了することができました。帰りはJALで帰ってきたのですが、機内の設定温度が高すぎ、上着を脱いでも、冷気を吹きかけるスイッチを高くしても、まだ暑く疲れました。


2005/10/21 秋田県栄養士会で講演
 明日(10月22日:1:00-2:30)、秋田市にある協働大町ビルで秋田栄養士会会員の平成17年度「生涯学習研修会」の一環として講演「果物の機能性と食生活への導入」に行ってきます。朝早く飛行機でこちらを発ち、その日のうちに帰ってくる予定です。天気が崩れそうなので飛行機が揺れなければよいのですが。


2005/10/21 離婚は環境に悪い
 ネーチャー・バイオニュース(03/1/23)に離婚は環境に悪いとの報告が掲載されている。サイトは下記。
http://www.natureasia.com/japan/sciencenews/bionews/

 離婚すると世帯数が増加するが、世帯数が増えることは人口増よりも環境に与える影響が深刻と述べている。居住者が1人から3人までの住居が多くなると、エネルギー、土地、建築資材、水の使用が急激に増える。たとえば、2人の世帯も6人の世帯も、使う冷蔵庫はふつう1つだからだ。そのため、世帯数が増えると環境が悪化すると生態学者の研究結果から分かった。

参考文献
Liu, J., Dally, G. C., Ehrlich, P. R., & Luck, G. W. Effects of household dynamics on resource consumption and biodiversity. Nature. Published online. d.o.i.: 10.1038 /nature01359.


2005/10/20
 ずっと長雨が続いましたが今日は久しぶりによい天気でした。朝夕めっきり冷え込み自転車通勤に上着が必要となってきました。10月はじめの長雨の前には半袖でいたのが不思議に思われるほどです。夜には、たくさんの虫の鳴き声が聞かれます。


2005/10/20 受精卵を壊さずにES細胞を作成
 1個の受精卵から、正常な赤ちゃんと、どんな細胞にも成長できる万能性を持ったES細胞(胚性幹細胞)の両方を得ることに、マウスの実験で初めて成功したとイギリス科学雑誌ネイチャーに報告された。
 ES細胞を作成する場合、受精卵を丸ごと犠牲にする必要があった。そのため、倫理的な批判があったが、今回の方法が人でも再現できれば、受精卵を壊すことなくES細胞を作成できる。また、将来のけがや病気の治療に備え、本人専用のES細胞を保存しておくことも可能となる技術でもある。
 マウスの受精卵が八つの細胞に分裂した段階で、うち一つの細胞を取り出し、別のES細胞と一緒に数日間培養すると、細胞は未熟な性質を保ったまま分裂を続け、筋肉や神経、内臓など多様な細胞に成長しうるES細胞になった。
 一方、1細胞を取り出した後の受精卵を代理母役のマウスの子宮に入れたところ、妊娠して正常な赤ちゃんマウスが誕生した。

【文献】
Chung, Y., et al.: Embryonic and extraembryonic stem cell lines derived from single mouse blastomeres. Nature (online 16 October 2005) [doi: 10.1038/nature04277]


2005/10/19 リンゴとチーズのサンドイッチが美味しい
 意外な組み合わせであるが、リンゴとチーズのサンドイッチが美味しい。リンゴをスライスし、その間にチーズを挟み込むだけの簡単なレシピだ。最初、リンゴが口の中に広がり、少し遅れてチーズの味を感じる。後味もとても良い。
 挟み込むチーズによってすこしずつ味が違う点もも楽しめる。クリームチーズ、プロセスチーズ、カマンベールチーズの評判がよい。塩味の少し効いたカマンベールチーズサンド、癖のないクリームチーズサンド、その中間のプロセスチーズサンド。チーズが苦手な人でもリンゴサンドなら食べられると思う。
 チーズが好きな人ならゴーダチーズ、チェダーチーズもまた違った楽しみを与えてくれる。ゴーダーチーズサンドはお菓子のような感じ、チェダーチーズはイギリス風と言った感じである。


2005/10/19 WHO報告書:生活習慣の改善で死亡者数が大幅減
 WHOの報告書によれば、がんや脳卒中、心臓疾患などの慢性疾患による死亡を年間2%低下させることができれば、2015年までに世界中で3,6000万人以上の生命が救われる計算になることが明らかにされた。
 報告書では、慢性疾患による死亡率を年間2%低下させることを国際的な目標にすべきであると提案している。この数値は、慢性疾患の予防対策をすでに実施しているオーストラリア、カナダ、イギリス、アメリカの成功例に基づいて算出された。
 2005年の死亡者数は世界中で約5,8000万人となり、このうち慢性疾患による死亡が3,500万人を占め、2015年までには、死亡者がそれぞれ6,400万人および4,100万人に達すると推測している。
 慢性疾患による死亡者数を年間2%低下させることができれば、2005~2015年間の死亡者数が約3,600万人少なくなる計算になる。回避される死亡のうち、2,800万例が中・低所得国における死亡者数と推定されている。
 報告書では、慢性疾患による死亡率を大幅に低下させるための知識はすでに得られていると指摘。健康的な食事、定期的な運動および禁煙の実践により、心臓疾患、脳卒中および2型糖尿病が80%, がんが40%それぞれ発症予防できるとしている。

WHOのプレスリリース 「Stop the global epidemic of chronic disease」は下記のサイト
http://www.who.int/mediacentre/news/
releases/2005/pr47/en/index.html

WHO報告書は下記のサイト
http://www.who.int/chp/chronic_disease_report/
overview_en.pdf



2005/10/18 リンゴについての取材
 今日はテレビ局の取材があり、リンゴの健康機能性について私たちの研究を紹介した。来週の水曜日(10/26)にTBSはなまるマーケットで放送予定とのこと。


2005/10/18 マウスに育たないクローン胚
 動物に育つことができないクローン胚をつくる技術が開発された。クローン胚は再生医療への応用が期待される一方で、子宮に移植すればクローン人間の誕生にもつながることから、研究を進めることに慎重な意見もある。
 研究グループはマウスの細胞を取り出し、子宮への着床にかかわる遺伝子Cdx2が働かないようにして、卵子に移した。できた胚は仮親の子宮に戻しても着床しなかった。 一方、この胚からES細胞を作ることができ、普通のES細胞と同様の能力を持っていた。従って、この方法を用いれば、クローン人間が生まれる可能性はなくなる。

【文献】
Meissner, A. and Jaenisch, R.: Generation of nuclear transfer-derived pluripotent ES cells from cloned Cdx2-deficient blastocysts. Nature, (online 16 October 2005) [doi: 10.1038/nature04257]


2005/10/17 リンゴ中生種の価格、早生種と競合し低調
 今シーズンのリンゴは、生育が進んだ前年に比べて1週間ほど遅れているがほぼ順調な仕上がりとなっている。しかし、「ジョナゴールド」などの中生種リンゴの販売が苦戦していると日本農業新聞が伝えている(05/10/14)。中生種のリンゴの東京市場の入荷量は前年より少ないが、価格は下回っている。その理由として、早生種のリンゴが市場にまだあるため競合していることがその一因であると分析している。
 この結果は、それぞれの品種が市場で重なると価格の低迷につながることを示している。現在、リンゴの日持性を高めるポストハーベスト農薬の登録が申請されているが、その経済的効果に疑問を投げかける結果である。
 我が国の消費者は、「安全では安心できない」と考えている。そうした中で、今まで、リンゴはポストハーベスト農薬を一切使っていないとする原理を崩してまで導入する必要があるのかと疑問に思っていたが、今秋のリンゴの価格の動向を見るとその思いが募る。


2005/10/17 謎の微生物ハテナ:砂浜で発見
 べん毛虫の一種の海洋微生物で、細胞分裂すると、一方は緑色にもう一方は無色の性質の異なる細胞になる。同じ生物なのに、半数は藻を食べて動物のように暮らし、残り半数は植物のように光合成で生きる海洋微生物を、筑波大の研究グループが発見した。このような生物の発見報告はなく、研究グループは「謎の」という意味で「ハテナ」と呼んでいる。海洋微生物から植物への進化を解き明かす可能性がありる。
 この微生物は長径約30μmで、単細胞のべん毛虫の一種。和歌山県の砂浜で偶然、見つかった。この微生物は体内に藻を持ちもともとは緑色だが、細胞分裂して二つに分かれると、一方は藻を受け継ぎ緑色になるが、もう一方は受け継がず無色の細胞になるという特異な性質を持つことが分かった。
 無色の細胞は口のような器官が発達して藻を与えると食べることも確認した。研究グループは、これらのことから微生物の半数は親から受け継いだ藻で光合成しエネルギーを生み出す「植物型」、半数は捕食した藻をエネルギー源として生きていく「動物型」であると結論付けた。
 海洋微生物が植物に進化する過程では、べん毛虫のような微生物が藻を取り込み、藻の葉緑体だけが発達し、藻のその他の器官は退化し、葉緑体のみが残ったと考えられている。この発見は、海中の単細胞生物が植物へ進化していくステップの一端を示している可能性がある。

【文献】
Okamoto, N.& Inouye, I. (2005) A Secondary Symbiosis in Progress? Science, 310: 287 [DOI: 10.1126/science.1116125]

ハテナの写真は下記のサイトでみることができる。
http://www.sciencemag.org/content/vol310/
issue5746/images/large/310_287_F1.jpeg

写真Bの右が植物型、左が動物型


2005/10/16 イチョウの果肉の匂い
 通勤途中の1軒の家の庭にイチョウの木がある。そのイチョウの木の半分は道路に張り出ていて今、実が道路に落下している。車にはねられてつぶれ果肉が出ていてそこが黄色くなっている。そのため、その付近にお世辞にもいい匂いとは言い難いとても強い匂いが漂っている。どちらかというと糞臭のような匂いである。 秋の味覚の一つであるギンナンは茶碗蒸などに入っているとうれしいのだが、この匂いはちょっと慣れないなぁ。


2005/10/16 柿酢で血圧を下げる
 渋柿を発酵させて造る柿酢に、血圧を下げる効果があることが分かったと和歌山県が、県立医科大学、JAと協力して行っ調査結果を発表した。
 柿産地の伊都・那賀地方の生産者やJA職員ら30~70代の住民94人を2群に分けて、それぞれ3月と6月から1日1回20mlの柿酢を8週間飲み続けてもらった。
 柿酢を飲んだ前後での定期検査で、血圧が比較的高い(最高血圧130mmHg以上か最低血圧85mmHg以上)グループの47人に限って調べたところ、平均で最高血圧が5mmHg下がるなど有意な結果が出た。
 柿酢にはカリウムやポリフェノールが多く含まれ、特に塩分を排出するカリウムは米酢の3~10倍あり、高血圧予防に効果があると考えられている。今後は血液検査の結果を分析し、抗酸化能力についても調べていくとのこと。

和歌山県の発表内容は下記のサイトで読める。
http://www.pref.wakayama.lg.jp/news/shiryo.php?sid=3951


2005/10/15 スミソニアン博物館でスペース・シップ・ワン展示
 世界ではじめて民間で有人宇宙飛行に成功した飛行船「スペース・シップ・ワン」がアメリカ国立スミソニアン航空宇宙博物館で展示されることになった。同船は「宇宙飛行の商業化」を踏み出した歴史的な機体として、大西洋無着陸横断飛行に初めて成功した「スピリット・オブ・セントルイス」と、世界で初めて音速の壁を破った「ベルX─1」の間に置かれることになった。

スミソニアン博物館のサイトは下記。
http://www.nasm.si.edu/events/pressroom/
releaseDetail.cfm?releaseID=138



2005/10/14 子供は朝食の摂取が必要:フロリダ大の研究から
 フロリダ大学のRampersaudらは、過去に発表された47編の栄養関係の研究論文を再検討して、朝食の摂取・非摂取の影響について報告した。この報告によれば、朝食を摂取している子どもは、とらない子どもと比べて、「頭の働きがいい」「学校の出席率が高い」「学校の成績が良い」傾向にあることがわかった。更に、朝食を摂ると、朝食抜きの子どもと比べると、太り過ぎの子どもが少ないこともわかった。
 以上の結果から、著者らは、朝食を必ず摂取するとともに、果物、全粒穀類、乳製品などの食物繊維が豊富で栄養の高い食品をとることを推奨している。

【文献】
Rampersaud, G.C., et al., (2005) Breakfast Habits, Nutritional Status, Body Weight, and Academic Performance in Children and Adolescents. J. Amer. Dietetic Association. 105: 743-760. [doi:10.1016/j.jada.2005.02.007]


2005/10/13 セイタカワダチソウ
 久しぶりに朝から良い天気である。空が真上から地平に向けて青から水色にグラデーションされていて秋を感じさせる。明るい日差しの中、自転車で走るとセイタカワダチソウが目に入る。セイタカワダチソウが手入れのされていない宅地用の土地や工事現場の盛り土、耕作を放棄した荒れ地などに群をなして、黄色い花を咲かせている。もとはススキなどが繁殖していた場所に入れ替わって生えている。しかし、通勤途中にある林の中には見られないので日の光が必要なのかも知れない。最近は、ススキが盛り返しているとのことだが、この周辺ではまだ数カ所ススキの群生が見られるだけである。


2005/10/13 カルシウムで女性の大腸ガン予防
 アメリカ・ミネソタ大学ガンセンターが、約45,000人の女性を8.5年間追跡調査した結果、毎日の食事からカルシウムを摂取している女性は、大腸ガンになるリスクが小さくなることがわかった。1日当たり800mgを摂取していた女性は、400mg以下の人に比べ、大腸ガンに罹った率が25%低かった。

【文献】
Flood, A., et al., (2005) Calcium from Diet and Supplements is Associated With Reduced Risk of Colorectal Cancer in a Prospective Cohort of Women. Cancer Epid. Bio. Prev. 14: 126-132.


2005/10/12 コレステロールを下げるには
 コレステロール値が高いと、心臓血管系の病気になり易くなるが、果物、野菜、豆類など植物性の食物を多く含んだ食事を摂取するとコレステロール値が下がるとアメリカ内科学雑誌(Annals of Internal Medicine )に報告された。
 果物、野菜、豆類などを多量に消費した人(59人)は、少ししか食べなかった人(61人)よりLDL-コレステロールの値が大きく改善された。

【文献】
Gardner, C.D., et al., (2005) The Effect of a Plant-Based Diet on Plasma Lipids in Hypercholesterolemic Adults. Ann. Int. Med. 142:725-733.


2005/10/11 研究の二元論的評価
 本年度のノーベル生理・医学賞の研究の歴史をたどると、最初はかなり批判を受けたようだ。このことは研究の評価はそう簡単にはできないことが示されているように思う。ところが、現在の研究の評価は、短期的・短絡的なワイドショー的良し悪しの二元論で論ずる傾向があまりにも強すぎると思う。特に、研究論文偏重にその傾向が顕著である。それでいいのだろうか。我が国の研究の将来を考えるとマイナスとなるのではないかと痛切に感ずる。


2005/10/11 気をつけないと太る
 今太っていなくても将来太る可能性があることがフラミンガム心臓病研究(Framingham Heart Study)から明かとなった。データによると、現在30歳の人のうち女性では74%、男性では92%が太る。また肥満となるリスクは、女性で39%、男性で48%であった。
 研究は1971~2001年までアメリカ人4117人を調査した。太り過ぎと肥満はそれぞれBMIが25と30以上と定義された。短期間(4年)の調査では、太り過ぎの割合が女性で5~7%、男性で7~9%増加した。一方、長期間(30年)の調査では、50%以上が太りすぎで、25%が肥満となった。極度の肥満(BMIが35以上)は10%以上であった。
 太り過ぎは、高血圧など生活習慣病の原因となるので注意が必要である。ただし、このデータはアメリカ人の結果であり、日本人ではこれほどではないのではないか。

【文献】
Ramachandran, S., et al., (2005) Estimated Risks for Developing Obesity in the Framingham Heart Study. Ann. Int. Med. 143: 473-480.


2005/10/10 今日は雨
  朝から雨が降り続いていた。強い雨ではないが、そのままでいると全身がしっとりと濡れてくる。カッパを着て約30分自転車に乗ると職場に着く。途中、工事中の高速道路の端を通る道を行くと川がある。今日は3羽の水鳥が泳いでいた。一瞬見えただけなのでよく分からなかったが鴨だろうか。半袖から長袖に替えた。いつもと同じようでもすこしずつ季節が変わっていく。


2005/10/09 ガンマ線バーストの瞬間の撮影
 宇宙で起こる謎の大爆発「ガンマ線バースト」を日米欧の研究グループが観測し、地球から20億光年ほど離れた「つる座」の、古い星が集まっている銀河周辺で起きたことを突き止めた。爆発が瞬間的なガンマ線バーストは観測が難しく、発生場所が特定できたのは初めてとのことである。
 ガンマ線バーストは、宇宙のかなたで突然、高エネルギーのガンマ線が爆発的に放射される現象。日・米・仏が共同開発した天文探査衛星「HETE2」が7月9日、わずか0.07秒間ほどで終わった瞬間的な爆発をとらえ、発生の方角を特定した。
 インターネットで速報されたHETE2の情報を基に、日本のすばる望遠鏡、米国のチャンドラX線観測衛星やハッブル宇宙望遠鏡などが、X線や可視光の「残光」を探した。
 瞬間的なガンマ線バーストは、星の進化の最終形態の一つである中性子星同士か中性子星とブラックホールが衝突、合体して起こるとの学説が有力視されているが、この理論を裏付ける結果であるとしている。

γ-光線バーストの図は下記のサイトで読める。
http://www.nature.com/nature/journal/v437/
n7060/fig_tab/437822a_F1.html


【文献】
1) N. Gehrels, N., (2005) A short -ray burst apparently associated with an elliptical galaxy at redshift z = 0.225. Nature 437, 851-854. [doi: 10.1038/nature04142]
2) Villasenor, J. S., (2005) Discovery of the short -ray burst GRB 050709. Nature 437, 855-858. [doi: 10.1038/nature04213]
3) Hjorth, J., (2005) The optical afterglow of the short -ray burst GRB 050709. Nature 437, 859-861. [doi: 10.1038/nature04174]


2005/10/09 土浦の花火大会
 くだもの・科学・健康ジャーナルで今一番人気のあるコラム「家庭菜園の果樹」を更新しました。今回は花火大会―土浦編です。
 土浦の花火大会は霞ヶ浦に注ぐ桜川の土手で開かれます。ずいぶん昔、土手の桟敷席をとってもらい家族で見に行ったことがあります。ところが、花火が始まるとまもなく凄い夕立がやってきてとても花火を見ている状況ではなくなりました。全身を打つ雨と大音響の雷、その上、車まで遠かった。
 子供が小さかったのでとても歩いてはいけなかったので背負って、雨の中を帰りました。雨音が大きく、帰り道は人影もなかったので背中の子供と大きな声で歌いながら歩きました。何を歌ったか記憶が定かではないのですが、たぶん「さんぽ」(となりのトトロ)を連続して歌っていたように思います。ずぶ濡れになり、やっとの事で家に帰ってきてほっとしたとき、子供が「今日は楽しかったね。」といいました。その言葉が強く印象に残っています。そのことを子供はもう忘れているだろうけれど。


2005/10/08 地元食材を使った充実給食
  佐賀県唐津市浜玉学校給食センターの栄養士、福山隆志さんたちは、地元の旬の食材を、ふだんから60%から80%も使っていると毎日新聞が伝えている(「ゆらちもうれ」第26回 05/10/6)。佐賀県の平均が40%というから、平均をはるかに上回っている。果物は地元浜玉の農家のものだそうである。
 浜玉中学のような、地元産を優先して、旬で新鮮でおいしい食材を、6割から8割、ときには100%近くそろえて取り組みを日常的に行っているところは、なかなかなく、地域によっては、地元の生産物は、形が揃わないからできないとか、手間がかかるから無理とか、はなから敬遠しているところもある。

毎日新聞のサイトは下記。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/travel/
green/news/20051006org00m100063000c.html



2005/10/08 回り道をしてみた
 今日は土曜日なので、家を少し遅くでた。いつもならまっすぐ行く道を曲がると狭い道で、両脇は元は田んぼだったらしく土が湿っている。その細い道は右に曲がっていて、そしてすぐに左に曲がっていた。雨は降っていないがまた降りそうな曇り空であるが、3日連休の最初の日は少し心に余裕がある。
 大塚栄寿氏(ジャーナリスト)の新連載「スロー風土抄」を今日、公開した。第1回は「プラハで『上を向いて歩こう』」だ。プラハの雰囲気が伝わってくる。今後の展開がとても楽しみだ。こうしたことも何となくうれしくさせる。


2005/10/07 中晩柑「すずっこ」(品種名:天草)に注目
 宮崎県のJA尾鈴は、中晩柑「すずっこ」(品種名:天草)のブランド化に力を入れている。露地ミカンよりひと回り大きく、濃いオレンジ色が特徴で皮もむきやすい。12月から翌年1月に出荷でき、贈答用として引き合いが強いと日本農業新聞が伝えている(05.9.29)。
 12~1月の贈答期は露地ミカン、ポンカン、デコポンなど競合品目が多いが、「すずっこ」の評価は高い。贈答期に出荷される商材として、人気が年々高まっている。食べると甘くて果汁が多いため、若者向きの果実である。


2005/10/07 新連載「スロー風土抄」に乞う、ご期待!
 大塚栄寿氏(ジャーナリスト)による新連載「スロー風土抄」が始まります。スローに内外の風土を楽しもうをモットーに執筆していただけることになりました。第1回は「プラハで『上を向いて歩こう』」です。乞う、ご期待!


2005/10/06 ノーベル化学賞発表される
 10月5日11時45分、2005年のノーベル化学賞が発表された。受賞者はフランスのショーバン名誉研究部長(Yves Chauvin、74歳)、アメリカのカリフォルニア工科大学のグラッブス教授(Robert H. Grubbs、63歳)、マサチューセッツ工科大学のシュロック教授(Richard R. Schrock、60歳)。
 メタセシス反応とは、二種類のオレフィンの間で二重結合同士の結合の組換えが起こる触媒反応のことである。ダンスでパートナーを替えて新ペアができるように、新しい有機物ができる。

受賞理由は下記。
"for the development of the metathesis method in organic synthesis"
「有機合成におけるメタセシス反応の開発」

ノーベル化学賞の発表サイトは下記。
http://nobelprize.org/chemistry/laureates/2005/index.html
ノーベル化学賞の選考過程は下記のサイトで読める。
http://nobelprize.org/chemistry/nomination/index.html


2005/10/06 ヒラメならいいの?
 「どうも人事が身びいきという状況のようで、ヒラメやカレイばかりが異常発生しそうだ。」と文句をいったらある人からこういわれた。
 「カレイじゃ困るけどヒラメならいいじゃないの。」
 な、なぁるほど。出自が立派ならそれだけで恐れ入る。見目麗しい人はそれだけで価値があるって‥‥。冗談がうまいんだから。

▽ ヒラメとカレイはよく似ているが、海の底で他のものに成りすまし隠れるやり方(擬態)が両者では異なる。ヒラメは周りの色に合わせ変化するが、カレイは色を変化させるのではなく砂の中の潜る。そのため、カレイの目は飛び出ている。
 周りの色に合わせるヒラメの方がやっぱり出世するのかぁ。なにしろ高級魚だもの。


2005/10/05 リスク管理検討会参加者募集/農水省
 食品の安全対策の政策決定段階で関係者の意見を反映するため、農水省は「リスク管理検討会」を設けることを決めた。検討会では、対策が必要なテーマの優先度や、食品安全委員会への評価依頼の方向性を決めることと、行政の政策決定の過程を透明化するのが狙い。
 これまでは方針を固めた政策について事後に関係者の意見(リスクコミュニケーション)を聞いてきたが、リスク管理検討会では、対策づくりの出発点となるテーマを選び、まず最初に関係者から意見を聞くとしている。
 検討会では、個人として意見を出す人も募集している。応募は、満20歳以上で平日の会合に出席できることが条件で応募締め切りは10月12日。

 農林水産省「リスク管理検討会における案件に応じて参加するメンバーの募集」のサイトは下記。
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050928press_4.html


2005/10/05 ノーベル物理学賞発表される
 スウェーデンの王立科学アカデミーは、2005年のノーベル物理学賞を、米ハーバード大のロイ・グラウバー教授(80)、米国立標準技術研究所のジョン・ホール上級研究員(71)、独マックスプランク研究所のテオドール・ヘンシュ教授(63)の3人に授与すると発表した。

 光は波と粒子の二つの性質をもつことがアインシュタインによって提唱されていたが、グラウバー教授は、光の性質を研究、電灯などの普通の光とレーザー光との違いを説明し、光粒子のふるまいの基礎理論を確立し、「量子光学」と呼ばれる分野を開拓した。この成果は、その後のレーザーや通信技術の発展につながった。

受賞理由は下記
"for his contribution to the quantum theory of optical coherence"

 ホール、ヘンシュの両氏は特殊なレーザー光を作りだし、レーザー光の周波数を誤差1000兆分の1で測定する精密な技術を確立した。これにより、極めて正確な時計を作ることが可能になり、GPS(全地球測位システム)などに活用されている。
受賞理由は下記
"for their contributions to the development of laser-based precision spectroscopy, including the optical frequency comb technique"

ノーベル物理学賞の発表サイトは下記。
http://nobelprize.org/physics/laureates/2005/index.html


2005/10/05 田中耕一さんのストックホルムでの言葉
 今年のノーベル生理・医学賞のエピソードを知って、3年前、田中耕一さんがストックホルムで現地の新聞社のインタビューに答えた言葉を思い出しました。

 Koichi Tanaka said it is important to stick to one thing with a belief until it is done, even though you may criticized by others. He said he succeeded by not caving in to others' criticism.(何かを言うのをためらっては駄目です。たとえ多くの人からそれは違うと言われても)(2002.12.8)

 ノーベル賞を受賞する人の言葉は、表現方法が異なっていても根っこにあるのは同じように思う。


2005/10/04 ノーベル生理・医学賞発表される
 スウェーデンのカロリンスカ研究所は2005年のノーベル生理・医学賞をオーストラリアのバリー・マーシャル教授(54)とロビン・ウォーレン名誉教授(68)に授与すると発表した。両氏は1982年、細菌の一種のヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)を発見し、ピロリ菌の感染が胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因になることを突き止めた。
 消化器の潰瘍は、ストレスや生活習慣が原因だと考えられていた。病理医だったウォーレン氏は1070年代末、胃の一部の組織を切り取る検査を受けた患者の半数で、胃の下部にらせん状の細菌が集まり、その周辺で胃粘膜が炎症を起こしていることを発見した。
 マーシャル氏は1982年、この細菌の分離と培養に成功し、ヘリコバクター・ピロリと名づけた。胃や十二指腸に潰瘍を持つ患者のほとんどが持っていることから、ピロリ菌が潰瘍の原因だと提唱した。ピロリ菌の除去で潰瘍が治ることも示した。
 強い酸性の胃液が出る胃の中に細菌がすめるはずはないとされ、ピロリ菌の存在を否定する専門家も多かった。このため、マーシャル氏は自らピロリ菌を飲み、急性胃炎になることと抗生物質で菌を殺すと胃炎が治ることを示し、自説を証明した。

受賞理由
"for their discovery of the bacterium Helicobacter pylori and its role in gastritis and peptic ulcer disease"
ノーベル生理・医学賞の発表サイトは下記。
http://nobelprize.org/medicine/laureates/2005/index.html

▽ 「強い酸性の胃液が出る胃の中に細菌がすめるはずはない」とする多数派の中で孤軍奮闘する姿がエピソードからもよく分かります。こうした研究経過も論文・成果主義が誤っていることを示しています。


2005/10/04 アンデルセン「裸の王様」のラストパラグラフ
 王さまだってみんなの言うことが正しいと思ったからです。でも、「いまさら行進パレードをやめるわけにはいかない。」と思ったので、そのまま、今まで以上にもったいぶって歩きました。めしつかいはしかたなく、ありもしないすそを持ちつづけて王さまのあとを歩いていきましたとさ。

▽ この王様はこの後反省して立派な王様になったでしょうか。それとも、仕立て屋の首を切り、さらにこの世にない服を探し求めたのでしょうか。秦の始皇帝は不老長寿の薬を探し求め、最後には不老長寿と称される毒薬で死んだと歴史書は伝えています。間違いに気づいた後どうするのか。そのことも人格と関係しています。


2005/10/03 収入低いと不健康感が増大
 群馬大学医学部のグループは、中高年で自分が不健康と感じている人の割合は、高収入層より低収入層で高く、中でも都市部の男性では2倍以上の差があると発表した。一方、農村部では収入による差はなかった。そのため、都市部では年収が低い人の労働条件は悪く精神的なストレスも多いためではないかと分析している。
 2000年に群馬県内の40~70代の男女計9,650人を調査し、健康状態が「まあまあ」「悪い」と答えた「不健康感ありの人」(46%)と、収入や生活習慣との関係を解析した。

【文献】
Wang, N., et al. (2005) Perceived Health as Related to Income, Socio-economic Status, Lifestyle, and Social Support Factors in a Middle-aged Japanese. J, Epidemiology 15: 155-162.

▽ 群馬大のグループは以前に、不健康感が強い人の死亡率が5~6倍高いことを報告している。国民の健康増進を図る施策として、安定した収入が得られる職業を確保することが大切であることが分かる。

2005/10/03 ハバネラとお別れ
 盲導犬候補犬ハバネラは今日、訓練所に旅立った。いつものように朝二人で散歩した。ハバネラはいつもと同じ道を進んでいった。いつもと違うのは散歩の途中で何枚かの写真を撮ったことだ。ウンチを処理し、犬小屋へ入れた。「元気でね。バイバイ」と声に出して言った。ハバネラはいつものように大きな目で私を見つめていた。


2005/10/01-02 仙台で園芸学会秋季大会
 園芸学会で「リンゴに含まれているケルセチン含量の品種間差異」について研究発表を行ってきますので、2日間更新はお休みです。