2006年3月


2006/03/31 大きな犠牲を払ったが一歩前進
 果樹農業発展を支えるためには研究目標の設定が大事である。
そのため、
 1)新品種の育成
 2)省力・低コスト・安定生産技術の開発、
 3)消費者ニーズに対応した品質・機能性・貯蔵性の向上技術の開発、
 4)環境負荷低減技術の開発 を掲げて戦ってきた。
 果樹農業は、消費・価格の低迷が続いている。そのため、消費拡大を図るとともに、低価格でも利益の出る栽培技術の開発が必要であると考えている。

 一方、K/F当局は、
1)気候変動に対応した高品質果実の安定生産・流通技術の開発、
2)生物機能等を利用した果樹の環境負荷低減技術の開発、
3)ゲノム情報等を活用した効率的な育種選抜手法の開発及び生理機能の解明 を昨年の2月に提案した。

 これに対して、私たちは提案されている地球温暖化対策は温暖化後の対策で、現在行われている地球温暖化防止対策が成功した場合には必要のない技術であること、また、仮に失敗したとしても確定した段階から対策を立てても技術的に十分に間に合うとし、緊急を要する主要研究課題ではないとしてきた。また、カンキツグリーニング病と地球温暖化とは直接的な関係がないと指摘した。さらに、健康機能性の研究と省力・低コスト・安定生産技術の課題化が必要と述べてきた。

 結果として、健康機能性の課題化、カンキツグリーニング病と地球温暖化との切り離しができた。しかし、重視していた省力・低コスト・安定生産技術の課題化には至らなかった。ただ、次期計画に「高収益園芸に関する技術体系の確立」を掲げさせることはできた。大きな犠牲を払ったが果樹農業の未来のために一歩前進できたのではないかと考えている。
 もちろん私たちだけの力によるものではない。志を同じくする多くの人たちの果樹農業の未来に対する熱い思いの結果だろう。これからも果樹農家が元気になる研究を推進していきたいと思っている。幸いにも次期果樹研究所長は果樹農業の未来を託すに足る人である。


2006/03/30 友よ!今日は戦う日だ

友よ!リストラされる日が来るかもしれない。
 だが、今日ではない。
友よ!いつか人には死ぬ日が来る。
 だが、今日ではない。
友よ!今日は戦う日だ。

恐れることなく、ひるむことなく前へ出よう。
友よ!今日は戦う日だ。


2006/03/29 悲しみを乗り越えて
 農業・生物系特定産業技術研究機構の40代、50代に、「悲しくてやりきれない」を贈りたい。

 胸にしみる 空のかがやき
 今日も遠くながめ 涙をながす
 悲しくて 悲しくて
 とてもやりきれない
 このやるせない モヤモヤを
 だれかに 告げようか
 
 苦しい時を乗り越え、農業の発展のためにと思って努力してきたことが虚しく思える機構改革と人事。リストラされたとか窓際とか言われ、云いようのない寂寥感に襲われる。もやもやとしたやるせなさを感じる時、この歌が胸にこだまする。

 しかし、悲しみを乗り越えて元気で行こう。こんな理不尽はない。戦いは今からだ。

 歌詞と演奏(クリックすると演奏が始まる)は下記のサイトにある。
 http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/
kanashikuteyarikirenai.html

 がんばろう!


2006/03/28 死馬の骨を買う
 戦国策(燕策・昭王)に「死馬の骨を買う」という諺がある。千里を駆ける名馬の骨にさえ大金を払うのであれば、必ず生きた名馬があつまるとの故事から、今いる人材を大切にすれば、よりすぐれた人材が次々と集まってくるというたとえである。
 この諺の逆をいっているのが今回の人事である。果樹農業に大きな貢献をした人や縁の下の力持ちの仕事をしてきた人に対する冷遇の一方で、訳の分からない抜擢人事。これでは、優れた人材が集まるどころか、皆がやる気をなくしてしまうだろう。
 果樹農業の未来を拓くためには、がんばった人が報われることが何より大事だと思う。


2006/03/27 研究者のモチベーションを奪ってどうする【再録】
 昨年、編集長俗世夜話2005/11/29で「研究者のモチベーションを奪ってどうする」と書いた。その文章をもう一度転載する。ここで述べたことがやはり現実となった。

【再録】
 研究組織をフラット化するという。従って、これまであった○○室長や○○係長という「肩書」がなくなる。今回の制度では、3人に2人の肩書きがなくなる。このことは、単純ではない。「たかが役職」と思っているかも知れないが、それでは済まない。
 これまでマネージメントとして、研究室予算の獲得や人を通して成果を達成する、あるいは、成果を達成できる人を育成する立場から、一転して他人はどうあれ自分自身で成果を出せではすまない。コツコツと研究を続け、年を経るに従ってマネージメントも行いながら職位を一つずつ上がっていくのが日本のシステムである。それを、ある日突然に、今までのシステムは間違いだったはないだろう。
 さらに、こうしたシステムは、日本の風土に根づいているので、その影響は研究組織内にとどまらない。家族も友人も近所の人もその他大勢の人も役職を知っている。ある日突然、○○室長でなくなったら、リストラされたと思われるだろう。社会的地位を失ったと噂されるだろう。子供にどう説明しても分からないだろう。
 研究者にとって最も大切なモチベーションを奪ってどうしようというのだろうか。


2006/03/26 熱い情熱と奮い立たせる未来の姿
 アメリカ・ゼロックス社の最近の歴史を見てきたが、組織を支え、発展させる大切な要素は、組織員の熱い情熱と奮い立たせる未来の姿であることが分かる。逆に、組織が崩壊する時は、多くの組織員が傍観者となってしまうことと、納得できない方針である。
 果樹農業の未来の見えない方針と傲慢な人事は、組織崩壊のセオリー通りに進行するだろう。こうした体制は長くはつづかない。そして、長く続けさせてはならない。


2006/03/25  ゼロックスの崩壊と復活4(最終回)
 ゼロックスの業績は、2000年に赤字に転落し、負債は186億ドル(約1兆9100億円)に達した。そんな危機のさなかの2000年5月、経営のトップに立ったのはアン・マルケイヒー氏である。彼女は、社員との粘り強い対話で、沈没寸前だった巨艦をわずか3年余りで再生させた。
 彼女は、業績悪化の中でみなが傍観者になっていたことに気づき、社員一人ひとりが、会社の危機を自分の問題としてとらえて対処しなければ再生はできないと考えた。そこで、社員の皆と問題点を正直に話し合った。社員が聞きたかったのは「会社は生き残れるのか」ではなく、「この危機を乗り越えられたら、会社はどんな姿になっているのか」だったという。そうした意思疎通が、皆を本当に奮起させ、改革に本気で取り組んでくれたと述べている。
 マルケイヒー氏は、「ビジネスの世界では論理や事実に基づきがちですが、感情や情熱が占める割合も大きいと思うんです。厳しい状況を乗り越えるには、単に「仕事だから」と思う以上の姿勢で取り組む必要があります。「この船を見捨てることはできない」という責任感や情熱があったからです。頭で考えるというよりも、もっとハートの部分だったと思います。」と言っている。

 ゼロックスの崩壊と復活を二人の発言から見てきたが、その過程で明らかになったのは、組織にとって重要なのは、株価で判断するとか論文数で判断するとかではなく、働く人を大切にするということだ。
 その観点から言えば、今回の組織改革、人事は、研究崩壊の道へ足を踏みだしたと言えるのではないだろうか。研究を進めるにはハートが一番大切である。ハートを踏みにじってどうするのだと私は考えている。


2006/03/24  ゼロックスの崩壊と復活3
 ゼロックスの崩壊時、社外取締役だった小林陽太郎氏は、取締役会で「株価や財務内容より、現場の雰囲気はどうなんだ」と質問したそうである。しかし、それでも営業現場の情報は伝わってこなかったという。その原因は、経営トップが、失敗を甘く見て、営業の現場を回っていなかったためとしている。
 こうした経営の崩壊を小林氏は、「ゼロックスをここまで追いつめたのは株価ですべてを判断するやり方だ」と述べるとともに、「こんなやり方が長続きするだろうか。」と言っている。
 ゼロックスの崩壊の過程は、論文の数だけで業績を判断する新しい研究組織体制の行く末を暗示しているようである。では、どのようにしてゼロックスは業績を回復したのだろうか。このことについては、昨年、朝日新聞be(2005/1/8)に掲載されたゼロックス会長兼CEOのアン・マルケイヒー氏へのインタビュー記事から見ていきたいと思う。


2006/03/23  ゼロックスの崩壊と復活2
 なぜゼロックスが経営危機に陥ったかについて小林陽太郎氏(当時富士ゼロックス会長)は次のように語っている。
 経営危機の時、CEOであったリック・トーマンは、改革派とされていた。彼は、CEOになると営業組織と事務機構の改革を行った。しかしどちらも失敗した。
 その理由について小林陽太郎氏は、「こんな重要な改革は、どこの会社でも相当慎重にやるべきものですよ。」と述べるとともに、「体質強化よりもコスト削減で株価を上昇させるという、結果重視の方針に代わった」ためとしている。
 リック・トーマンがCEOに就任するまでのゼロックスは、現場のプロセスを非常に重視していた。それに家族主義的な社風で、社員も役員も、互いにファーストネームで呼び合うほど親しかった。
 ところが、株価が経営判断の基準になり始め、だんだん現場に無理な負荷がかかるようになった。それにもかかわらず、現場の負荷が取締役会に伝わらなくなった。そして、気がついた時には現場も財務もめちゃくちゃになってしまったという。


2006/03/22 ゼロックスの崩壊と復活1
 今日は風がないためか体感温度が高い。
 プロセスを重視し、家族主義的な社風で、優良企業だったアメリカ・ゼロックス社が1998年に約9000人のリストラを行いながら販売不振になり、2000年には不正会計疑惑が発覚するなどして経営が崩壊した。しかし、その後、ゼロックス一家の女性社長アン・マルケイヒー氏により復活した。
 アメリカの会社は、冷酷非情で、簡単にリストラするとの印象であるが、ゼロックスは、その中で家族主義的な風土の会社として知られていた。ところが20世紀後半に経営が怪しくなった。この経営危機と家族主義とは関係があるのかどうか興味があった。
 小林陽太郎氏(当時富士ゼロックス会長)がゼロックス凋落について語った記事が日経BP社のサイトにあった(2001年 3月20日付け)。 


2006/03/21 ついに世界一、王さん、イチローおめでとう
 今日は風もなく朝から良い天気であった。11時からワールド・ベースボール・クラッシックの決勝戦、日本対キューバ戦を最初から見た。1回いきなり4点が入ったときは行けるかと思ったが、その裏に先頭打者がホームランを打ったときは、松坂大丈夫かと思った。キューバも8回には1点差に詰め寄るなど強かった。だから一層、感動的な勝利だった。
 優勝の瞬間、イチローは、クールな天才打者としてではなく、感情がほとばしる人間としての姿を見せた。ゆっくりとマウンドへ駆け寄り、全員と固く抱き合った。本当に嬉しかったのだろう。

 王さんもイチローも、人一倍の努力家である。王さんが素振りの特訓で使った部屋の畳は磨り減っていたとの逸話は語り継がれている。イチローも誰よりも早く球場に来て試合の準備をする。そんなイチローが王さんに「バッティングが簡単だと思ったことがありますか」と聞いた。王さんは「そんな時期は全くなかった」と答えたという。

 研究でもホームランを打ちたがっている若者は多いが、ホームランを打つための努力を知らないし、その厳しさも知らない。だからグランドを走ってこいと言うとすぐに弱音を吐く。困ったことに、その弱音につけ込んで悪意がささやく。「そんなに努力することはないよ」と。そうした「ささやき」を若者が選択したとしても、とやかく言うことではないだろう。人生の選択とはそうした局面から始まるのだから。
 問題は「ささやく」側である。ささやく側は、自分の地位の安泰をはかりたいとか、勢力を拡大したいとか、あいつは嫌いだとかが主な理由であるからやっかいだ。そんな管理者がいる組織は行き詰まる。研究組織も同じだ。

 王さんは、ダイエーの監督に就任してから数年間、チームはBクラスに低迷し、非常に精神的に厳しい、困難な時代を送ったことを、私たちは知っている。卵を投げつけられたこともあったと記憶している。「ささやき」にめげず勝ち取った世界一に、心よりおめでとうをいいたい。


2006/03/20 ダウリング神父の言葉
 今日も風が強く寒いが、飛び石連休の間の日なので少しゆっくりしている。
 最近は地上波のテレビ番組を見ることは少なく、ミステリーチャネルやAXN、スーパーチャネルなどをよく見ている。懐かしいというより、こうしたチャネルで放映されている番組の方が内容的に格段に優れているからだ。
 「名探偵ダウリング神父」(FATHER DOWLING MYSTERIES)も好きな番組である。教区の人々の幸せを常に心にとめている温厚なダウリング神父(Father Frank Dowling) が、元不良少女の経験を生かして神父のアシスタントを務めるおてんばシスター・ステファニー(Sister Stephanie)と二人で難事件を解決する1時間番組である。資料によると1987年から91年にかけて放送されたとある(87-89:NBC,90-91:ABC)。昔、NHKでも放送されていたので見た人もいるかも知れない。
 内容も面白いが主人公が神父であるためか、ステファニーなどとの会話にも含蓄に富んだ言葉がでてくる。「悪がはびこるのは善意の人が何もしないからだ」も心に響いた。
 なぜ、善意の人は何もしないのだろうか。それは、悪と戦うのは怖いということもあるかも知れないけれど、悪意と戦うには善意の人との評判を捨てなくてはいけないからかも知れない。また、悪意を知りつつ何もしなくても、それ自体は道徳的な不誠実を意味しない。でもそれでは悪意はなくならない。
 話は変わるが、悪意ある人事などが行われていても、自分はそうした悪意には与しないし、関与もしていないと離れた立場でいることもできる。でもそれでは悪意はなくならない。確かに、悪意による人格攻撃はすさまじい。そのため、善意の人でいることはできないが、何かしなくては悪意はなくならない。悪意に善意を期待するのは無理というものだ。
 明日は、ワールド・ベースボール・クラッシックの決勝戦である。日本チームを応援したい。ほとんど負けていた日本チームが復活したではありませんか。最後まであきらめてはダメだと思う。


2006/03/20 世界的に血圧が下がる
 アメリカほか4大陸21カ国の38地域を対象とした人口を基にした研究から、世界的に血圧が下がっていることが明かとなった。1980年代半ばから1990年代半ばにわたり収集したデータによると、血圧は平均2.26mmHg下降しており、男性よりも女性に顕著だった。
 今回の結果は、降圧薬などの薬物治療によるものとは考えにくい。なぜなら、治療の必要な高血圧症患者だけではなく、全体にわたって血圧の低下が認められるためである。その理由についてはよく分からないが、果物や野菜が一年中手に入るようになったこともその一因ではないかと推測されている。

【文献】
Tunstall-Pedoe, H., et al.: Pattern of declining blood pressure across replicate population surveys of the WHO MONICA project, mid-1980s to mid-1990s, and the role of medication. BMJ. 332: 629-35. (2006) [doi: 10.1136/bmj.38753.779005.BE]


2006/03/19 イチローはひるまなかった
 今日は朝から強い北風が吹いている。外へ出るのがいやになるくらいの強さだ。ワールド・ベースボール・クラッシックで日本が韓国に勝った。先発の上原投手が抜群に良かった。イチローはブーイングにひるむことなく安打を重ね得点に絡んだ。非常に熱い気持ちが伝わってきた。

 噂によると、職場でも今日の北風のような人事が行われるようだ。上からの問答無用の強引な人事のようだ。実績や貢献、努力を無視した文字どおり一方的なものだ。そのやり方をみていると、自らの振る舞いを楽しんでいるかのようにすら見える。傲慢さが丸出しになっている。
 福田康夫衆議院議員が最近、「困難な状況を打破するには革命的な進展が必要」と述べたそうであるが、職場もそんな状況である。イチローのようにひるむことなく前進する必要があるだろう。


2006/03/19 2030年までに平均寿命が100歳に
 がん治療などの医療や老化防止研究が現在のペースで進み普及すれば、人間の平均寿命が2030年までに100歳前後になる可能性が高いとの予測を米スタンフォード大のシュリパド・トゥルジャパーカー(Shripad Tuljapurkar )教授が報告した。ただし、恩恵は高価な先端医療を受けられる先進国に限られ、南北の格差は拡大する見通しである。
 アメリカ・セントルイスで開催されたアメリカ科学振興協会の年次総会で教授が講演した。それによると、世界各地の人口増加率や経済レベルのデータに、医療や老化防止の進歩と普及の予測を当てはめると、現在80歳前後の先進国の寿命は10年から30年にかけて飛躍的に延び、100歳前後に達すると推測できるという。
 しかし、進歩がめざましいがん治療や老化防止研究による医療を受けられるのは今後も豊かな国々の人に限られる見通しである。

スタンフォード大学ニュースリリースは下記のサイトにある。
http://www.stanford.edu/dept/news/
pr/2006/pr-atulja-021506.html



2006/03/18 山本周五郎を読む
 朝は春を感じる良い天気であった。NHK総合の「語ろう農業にかける夢」(AM:10:05-11:54)を見た。桜井洋子さんの司会で、糸井重里さんらが出演していた生番組である。その中で、糸井さんは、「21世紀、農業は成長産業で第四次産業である」と発言していた。今まで農業は一次産業として位置づけられてきたが、三次産業でもある。従って1+3=4次産業なのだとのことである。農業の夢をかたるのにふさわしいキャッチフレーズと思った。

 少し時間的に余裕が出てくると本を読みたくなる。長編はつらいので山本周五郎の短編集「生きている源八」(新潮文庫)を読んだ。人生に一途な強情者の話は、いつもと違わない感動を与えてくれる。
 最近、渡部恒三衆議院議員が「武士なら・・」と発言していたが、今はもう「武士」はいないのだろう。研究を本職と思って真剣に仕事をしている人もいなくなった様な気がする。


2006/03/18 土星の衛星「エンケラドス」に間欠泉
 土星探査機「カッシーニ」が、氷で覆われた土星の衛星の一つ「エンケラドス」に、イエローストーン公園の間欠泉のようなものがあることが確認された。そのため、この衛星に生命体が存在するかもしれないという期待が高まっている。
 この画像は、液体の状態の水が地球外に存在する可能性を示しているこれまでで最も確度の高い証拠であるとNASAの研究者は考えている。
 生命の発生にはいくつかの要素が必要であると考えられており、その中には、液体の状態の水、安定した熱源が含まれる。しかし、地球以外の天体に液体の水が存在するというこれまでの証拠は、岩石などのデータの分析を基にした、状況的あるいは間接的なものでしかなかった。
 カッシーニが撮影した高解像度画像には、エンケラドスの南極に、氷の粒子や水蒸気が間欠泉のように噴出する様子が映っていた。画像は実際に液体の水を示すものではないが、科学者は、この氷と水蒸気が地下の地表近くにある水源から出ていると考えている。

【文献】
Porco, C.C., et al.: Cassini Observes the Active South Pole of Enceladus. Science 311: 1393 - 1401. (2006) [DOI: 10.1126/science.1123013]

上記情報を記載したNASAのサイトは下記。
http://www.nasa.gov/mission_pages/cassini/
multimedia/pia07798.html



2006/03/17 具体的な問題点が見えてきた
 朝から強い北風が吹いていた。そのため、自転車のギアを軽くしてもなかなか前に進まず汗をかいた。
 年度末の仕事もようやく終わり、このコラムを書く余裕ができてきた。最近になって新しい体制の問題点が具体的に見えてきた。Aさん。それは、あなたの予想よりもひどくないですか。


2006/03/01 今日から三年目
 くだもの・科学・健康ジャーナルは2004年3月1日に創刊されたので今日から3年目に入ります。会議が多く、最近このコラムの更新が滞りがちですが何とか早く元に戻したいと思っています。