2005年9月


2005/09/30 毛髪の金属元素濃度でガン診断
 毛髪中のカルシウムなど金属元素の濃度が、乳ガンや肝臓ガンの患者で異常な値になっていることが、兵庫県立先端科学技術支援センターなどの研究で明らかになったと朝日新聞が伝えている(05/9/29)。
 大型放射光施設「スプリング8」で、毛髪に含まれる金属元素の濃度と、病気との間に関係があるかどうかを調べた。
 毛髪は1カ月で平均1cm伸びるため、12cmほどあれば、1年分の変化を分析できる。乳ガン患者17人では、ガン発見より8~12カ月前からカルシウムの濃度が、通常の5~10倍も高い値を示し、その後はゆっくり正常値に近づいていた。カルシウムの代謝が乱れることが原因らしいとのこと。 また、肝臓ガン患者11人ではカリウム濃度が、健康な人に比べ10分の1以下だった。健康な人で見つからない、食物からのゲルマニウムも検出された。
 この手法で異常が見つかった人が詳しい検査を受けるようにすれば、毛髪をさまざまな病気を見つける手がかりにできる可能性があるとしている。


2005/09/30 コスモスにあう
 朝早く、盲導犬候補犬ハバネラと草むらを散歩していると、突然にピンクのコスモスに出会った。今までも通った散歩道なのに今日まで気づかなかった。ちょっとびっくりし、柄にもなく綺麗だなと思った。
 日常の忙しさに紛れて忘れていた季節をコスモスは思いださせてくれた。ハバネラとももうすぐ分かれなければならない。


2005/09/29 世界で最初の発見:直流と交流を変換有機化合物
 直流電流を交流に変換するインバーターのような働きを持つ有機化合物を早稲田大などの研究チームが発見したと科学雑誌ネーチャーに発表した。単体でインバーター機能を持つ物質が見つかったのは世界最初で、次世代の電子部品として期待されている有機エレクトロニクス素子に応用できる可能性がある。
 BEDT-TTFと呼ばれる研究用の試薬に、セシウムやコバルトが結合した有機化合物サイリスタである。マイナス269℃に冷却した結晶に電流を流して特性を調べたところ、わずかな電流の変化で1000倍も電気抵抗が変わることが分かった。

【文献】
Sawano, F., et al. (2005) An organic thyristor. Nature 437: 522-524 (doi: 10.1038/nature04087)


2009/09/29 裸の王様では困る
 研究管理者が裸の王様となって、内部過剰管理により研究員を疲弊させ、研究員の目をひたむきに実験・研究に打ち込むことより内向きな優劣の競い合いへ、仲間どうし互いに励まし合って学徳を磨くことより上司のご機嫌とりへと向けさせています。
 裸の王様で困るのは、研究員だけではありません。農家が困ります。消費者が困ります。


2005/09/28 C反応性たんぱく質(CRP)が動脈硬化と関連
 C反応性たんぱく質(CRP)が動脈硬化と強く関連していることを、筑波大範江林らが突き止め、アメリカ病理学会誌に報告した。心筋梗塞の危険因子である可能性が強く、新たな動脈硬化予防薬の開発につながる成果である。
 CRPは肝臓で作られ、細菌に感染すると分泌される免疫たんぱく質。炎症の指標として用いられる。そこで、動脈硬化を起こすよう遺伝子を組み換えたウサギと正常なウサギを使った実験で、動脈硬化のウサギでは血液中のCRPが最大で正常の約28倍まで増加することを確かめた。一方、ヒトの心筋梗塞の患者の場合、動脈硬化の病変部分にCRPが特異的に多く沈着していることも突き止めた。
 以上の結果からCRPが動脈硬化の発症にかかわり、心筋梗塞の危険因子のひとつである可能性が強いと結論づけた。

プレスリリースは下記のサイトで読める。
http://www.md.tsukuba.ac.jp/public/rvpatho/
vascpatho/Press%20Release.htm

この論文に対するJan Torzewski氏の論評は下記のサイトで読める(日本語訳)。
http://www.md.tsukuba.ac.jp/public/rvpatho/
vascpatho/AJP-comment-JP.pdf



2005/09/26-27 熊野古道を歩く
 見渡す限り人のいない、丸くなった細石の七里御浜海岸を歩いてみた。太平洋からの波は時に大きく迫ってくる。その時、海岸の石に当たり不気味な音を立てる。遠く、この道を歩いた人へ思いをはせる。
 国道42号線から石の階段を上るとお地蔵さんが立つ松本峠に着く。登り口から500mだが急勾配である。竹林に囲まれた峠は静かだった。


2005/09/25 秋の果物
 味覚の秋、たくさんの果物が出回ってきています。ブドウでは「巨峰」や「ネオマスカット」、リンゴでは「つがる」や「さんさ」、ナシでは「豊水」、カキは「次郎柿」、ミカンも露地物が出回りまじめています。ほくほくしたクリも楽しみです。
 明日から2日間、会議で三重県の熊野市に行ってきます。そのため、更新はお休みです。メールマガジン「果物&健康NEWS」第74回「関節炎とカキ、ミカン」は明日発行の予定です。


2005/09/25 世界で6人に1人が太り過ぎ
 25日の心臓病予防デーに向けて世界保健機関(WHO)は、世界中で10億人以上が太り過ぎの状態とする推計を発表した。世界の人口は約63億人(2003年)で、約6人に1人が太っている計算になるという。
 推計によると、31歳以上の75%以上が太り過ぎとされる国は、女性では米国やメキシコ、エジプト、トルコ、南アフリカなど、男性ではドイツやアルゼンチン、英国、ニュージーランドなどである。
 これまで太り過ぎは高所得の国で問題となっていたが、現在は低・中所得の国で急増している。脂肪や糖分が多い高カロリーの食生活が世界的に広まったことや、労働形態の変化、交通の発達で運動不足になっていることが急増の原因と推定している。
 現在のペースで太り過ぎの人が増えれば、2015年には15億人に達し、その結果、心臓病や脳卒中が増えると警告している。

WHOのプレスリリースは下記のサイトで読める。
http://www.who.int/mediacentre/news/
releases/2005/pr44/en/index.html



2005/09/25 後藤田正晴氏の「遺言」
 毎日新聞の近聞遠見(岩見隆夫)に故後藤田氏の言葉が記載されている。
 「『官から民へ』について、ぜひ言いたいのは、一体官が担当しなければならない境界線はどこまでだ、利潤を美徳とする民が引き受ける限度はどこだと。そこの分界線を明示しないまま、『官から民へ』は乱暴だよ」。
 「民主主義は手続きがいちばん大事なんですよ。」
 サイトは下記
 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/
20050924k0000m070127000c.html



2005/09/24 コンビニで青果物取り扱い実験
 コンビニエンスストアが相次いで、生鮮食品取り扱いの実験がはじまったとのこと。ミニストップ、ローソン、セブン―イレブンなどで主婦層の取り込みに青果物が有効と販売が試みられている。トマト、ダイコン、ネギ、キュウリ、ほうれん草、キャベツなどに加え、キウイフルーツ、バナナなど果物もそろえている。


2005/09/24 いやな状況になっていないか
 上司にゴマをすって、自ら権力者になろうとする人が居るとしたら‥‥
 そういうのを見ると、一人になっても、戦うぞ!という気持ちになる。


2005/09/23 平均寿命と健康寿命
 「健康寿命」とは、世界保健機関によると「健やかに過ごせる人生の長さ」のことで、平均寿命から寝たきりになってしまった年数を引き算した数値である。日本人の平均寿命とともに健康寿命も世界一である。2002 年の世界保健機関の報告では、日本人の平均寿命は 81.4 歳(男性 77.9、女性 84.7)で、健康寿命は平均 73.6 年(男性 71.4、女性 75.8)。 残念なことに、この平均寿命と健康寿命との間には約8年の開きがる。


2005/09/21-22 TXショーケースで発表
 秋葉原コンベンションホールで開催された「TXテクノロジー・ショーケース ツクバ・イン・アキバ2005」で「リンゴによる健康維持・増進効果の解明」(P-22)について発表してきました。たくさんの方に興味を持ってもらいました。


2005/09/21 日本の出生率、女性の社会進出に比例せず
 女性の社会進出と出生率との関係を調査した結果、国際的に女性の社会進出が進んだ国ほど出生率が高い傾向があるのに対し、日本は女性の社会進出が同レベルの国と比べて出生率が低い状態にあることが明かとなった(男女共同参画会議)。
 1970年頃は労働力率が高い国ほど出生率が低かったが、1985年頃を境に関係が逆転し、2000年には労働力率が高い国ほど出生率も高くなった。2000年のデータでは、労働力率が84.9%と最も高いアイスランドは出生率も2.08と最高値となったほか、米国やデンマークなども同様の傾向を示した。
 出生率が高い国は、男性の短時間就業者の割合が高い、保育サービスの利用割合が高い、家事・育児時間に占める男性の割合が高いなどの傾向があった。そのため、日本の出生率が低いのは仕事と生活の両立支援や子育ての環境整備の遅れが背景にあるとしている。

男女共同参画会議の調査は下記のサイトで読める。
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/syosika/houkoku/index-kokusai.html


2005/09/21 「研究のリスクをとる」とは
 「研究のリスクをとる」とは、まだ海のものとも山のものともわからない未知の領域を研究するとき、うまくいかない危険性が高いことを認識すること。リスクをとるためには、目先の利益を追うのではなく、理想を捨てず、腹を決めやり抜く決意が必要である。


2005/09/20 任天堂が次世代ゲームコントローラを発表
 幕張メッセの日本コンベンションセンターで行われた東京ゲームショウ2005(9/16-18)で任天堂が新しい据え置き型ゲーム機「レボリューション(REVOLUTION)」(仮)と専用コントローラーを岩田聡社長が発表した(任天堂は展示会には出展していない)。
 次世代専用コントローラーはリモコン型で片手で操作する。ダイレクトポインティングセンサーを内蔵し、テレビ画面上での位置情報や、画面までの距離、ひねりなどの動きを検出できる。有線による拡張機能も備えており、従来型のアナログスティックを搭載したアダプタも接続できる。
 新しい据え置き型ゲーム機のコンセプトは、初心者でも熟練者でも同じスタートラインで始められ、間口が広く奥が深いゲームが楽しめることと、新しい操作系のスタンダードを構築するため、まったく新しいコントローラーを開発すること。
 テレビのリモコンのように、いつでも居間の机の上においてもらえ、誰でも触ってもらえるデザインを考えた結果、片手で操作できるリモコン型としたとのこと。そのため、このリモコンは、ゲームの中で、釣り竿のようにも、包丁のようにも、剣のようにも、懐中電灯のようにも、ハエ叩きのようにも、ドラムのばちのようにもなる。
 このレボリューションの発売は2006年が予定されている。

任天堂の下記のサイトでレボリューションのコントローラを見ることができる。
http://www.nintendo.co.jp/n10/tgs2005/index.html

任天堂の岩田聡社長の新ゲーム機の発表講演は下記のサイトで見ることができる。ブロードバンド(ADSL、光回線等)かナローバンド(アナログ回線、ISDN等)をクリック。全部を視聴すると約48分。新しいゲームコントローラの説明は25分過ぎから。
http://www.irwebcasting.com/050916/02/index.html

▽ 私は今までゲーム機を購入したことも操作したこともありませんが、もし、私がゲームのプログラマーだったらプログラムを作ってみたい。もし、私にゲームで遊ぶ時間があったら、遊んでみたいと思わせるゲーム機です。岩田社長の意図通りの行動をしてしまいそうです。新しいコントローラは、ゲーム市場を牽引し、他のゲーム機を圧倒、席巻するだろうと感じました。


2005/09/20 講演を上手に行うために
 「東京ゲームショウ2005」で行われた任天堂の岩田聡社長の基調講演「ゲーム人口の拡大に向けて ~ゲーム産業に今、何が必要か~」(2005.9.16)は、プレゼンテーションのお手本です。プレゼンテーションをうまくやりたいと考えておられる方は、ぜひご覧いただきたいと思います。

http://www.irwebcasting.com/050916/02/index.html(前記記事と同じサイト)

 講演の基本は、相手に言葉で考えを伝えることですから、スライドはサブで講演を補強するものです。従って、客席にお尻を向けることになるポインターを使うのはなるべく避ける方が良いと思います。そのため、スライドは、ポインターを使わなくても誰にでも分かるように作ることが大切です。今回の講演で岩田社長は、一度もポインター使っていません。その点に注目してください。また、スライドの文字は大きくし、色を多用しない方が分かりやすいのです。
 講演では、何を伝えたいかをはっきり示す必要があります。研究者の発表で、実験を行った順にだらだらと話す人がいますが、好ましくありません。講演では、伝えたいこと(結論)が相手に分かるように筋道(ストーリー)を立てて説明することが大切です。


2005/09/19 2018年、月に基地
 2018年に4人の宇宙飛行士を月に送る計画を米航空宇宙局(NASA)が固め、週明けにも詳細を発表すると「スペースドットコム(space.com)」が報じた。計画通り実現すれば1972年の「アポロ17号」以来である。
 将来、火星などの有人探査を行う拠点として月を活用する狙いとのこと。最初は飛行士らが月に1週間滞在する。

スペースドットコムのニュースは下記のサイトで読める。
http://www.space.com/news/050914_nasa_cev_update.html


2005/09/19 遠まきにしている味方の存在がおおきい
 今日の言葉は、糸井重里氏の「遠まきにしている味方の存在がおおきい」です。任天堂社長岩田聡氏との対談で語られました。糸井氏も言っていますが、若いときにはなかなか分からないものですが、チャレンジ成功の鍵かも知れません。

 対談は下記のサイトで読めます。
 http://www.1101.com/president/iwata06.html


2005/09/18 秋の味覚便り
 柿「刀根早生」の出荷がが本格化している。今年の食味は良好で秋商材都市的対されている。玉の肥大は平年並みで、糖度が高く、食味は良好とのこと。
 リンゴは早生の「つがる」が市場に出ているが、中生種と晩生種の出荷が10月以降に本格化する。出荷量は各産地とも前年を上回る見込みとのこと。
 温州ミカンは、前年比20%増と予想されている。販売方針は、ブランド品の銘柄確立、腐敗防止対策の徹底などに取り組むとのこと。


2005/09/18 研究はプラス思考で
 独創的な研究を行うには精神面がとても大事です。特に、プラス思考でなくては良い結果は出ないと思います。独創的な研究は、実験を始める前は、うまくいくかどうか分からないのですから、マイナス思考では、すぐに挫折してしまいます。


2005/09/17 運動会日和
 今日は、「初秋の風のさわやかに渡る季節」の言葉がぴったりする良く晴れた日です。近く小学校でも運動会をしていました。通勤途中の田んぼでも稲刈りがはじまっています。つくつく法師が「もーいーよー、もーいーよー」と鳴いています。


2005/09/17 ロビンソン・クルーソーの住居跡発見
 冒険小説「ロビンソン・クルーソー漂流記」のモデルとなった船乗りを調査していた探検家の高橋大輔さん(38)らが、チリの島で「船乗りが実際に暮らした約300年前の住居跡を発見した」と発表した。
 住居跡が見つかったのはチリ・サンティアゴ沖約756kmの太平洋に浮かぶ旧ファン・フェルナンデス島(現ロビンソン・クルーソー島)。記録によると、スコットランド人航海士、アレクサンダー・セルカーク(1676~1721年)は、当時無人だった同島で1704年から4年4カ月間、1人で暮らした後、海賊に助けられ本国へ戻った。人々は「奇跡の生還」と熱狂。これを英国の作家ダニエル・デフォーが1719年に小説化した。
 高橋さんらは今年1~2月に島を調査。島中心部の石垣の下からたき火や柱を立てた跡や金属片などを見つけた。金属片を鑑定したところ、18世紀の航海士が使っていたコンパスの針先と判明。同島に本格的に人が住み始めるのは19世紀になってからのため、セルカークの遺品と判断した。

住居跡の発見の経過は、「ナショナル・ジオグラフィック」のサイトで読めます。
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/topics/n20050914_1.shtml

▽ 発見された住居は、海岸近くではなく丘の上にあり、穴を掘って作られていたようです。何の準備もなく無人島に置き去りにされてからこの家ができるまでが、最初の生き残りの試練ではなかったろうか。島で一応の生活ができるようになってからが次の試練で、「いつまでこの生活が続くのか?」、「帰国することはできるのか?」との問いとの戦いの日々を思ってします。


2005/09/16 Klothoホルモンにより寿命延長
 テキサス大の黒尾誠らは、Klothoと呼ばれる遺伝子から産生されるホルモンが、マウスの老化を抑制し、寿命を延ばすと米科学誌サイエンス(Science)に発表した。
 すでに、黒尾らは、老化による機能低下を促すマウスのKlotho遺伝子の変異型を同定していたが、今回の研究では、過剰活性型のKlotho遺伝子を組み込んだトランスジェニック(遺伝子操作)マウスを作成し、その結果を調べたところ、通常のKlotho遺伝子をもつマウスよりも寿命が20%延長したという。
 Klothoホルモンは、インスリン様成長因子1の代謝経路を遮断する作用があり、この経路を遮断することにより寿命が延長すると考えられている。

【文献】
Kurosu, H. et al. (2005) Suppression of Aging in Mice by the Hormone Klotho. Science, [DOI: 10.1126/science.1112766]


2005/09/15 ネアンデルタール人と現生人類は欧州で共存
 約3万年前に死滅したとされるネアンデルタール人と、初期の現生人類は一時期、同じ場所で共存していたと科学雑誌ネーチャーに発表された。
 英ケンブリッジ大のGravinaらは、仏中部シャテルペロンにある洞くつから出土した石器などを分析した結果、初期の現生人類のものとされるオーリニャック文化の石器の層の上下それぞれネアンデルタール人の道具類の層があったことが分かった。さらに、周辺から出土した人骨の年代を放射性炭素で測定したところ、約3万8000年前に、両者がこの場所で共存していたとの裏付けが得られた。

【文献】
Brad Gravina, B., et al.: Radiocarbon dating of interstratified Neanderthal and early modern human occupations at the Chatelperronian type-site. Nature, 31 Aug. 2005 [doi: 10.1038/nature04006]

▽   ネアンデルタール人は当初、人類の祖先とみられていたが、その後の研究で、現生人類とは別系統の人類だったと判明した。考古学、人類学の研究者らの間ではこれまでに「ネアンデルタール人が死滅した後で現生人類が現れた」「時期は重なっていたが場所が離れていたため、接触はなかった」などの説もだされている。今回の発見は時期も場所も同じところで共存していたことになる。


2005/09/14 「年だもの最後だわねとまたハワイ」
 全国有料老人ホーム協会は、敬老の日に向けて募集した第5回「シルバー川柳」の入選作品20句を発表した。応募数は約1万2千句。ほかの入選作は「忘れえぬ人はいるけど名を忘れ」、「化粧品リフォーム詐欺と妻は言う」など。

全20句は下記のサイトで読める。
http://www.yurokyo.or.jp/topics/200509012.html


2005/09/13 長寿日本一は福岡の皆川ヨ子さん
 今月末までに100歳以上になるお年寄りは25606人で、昨年より2568人増えて35年連続で過去最高を更新したと厚生労働省が発表した。このうち女性は約85%を占め、初めて2万人を突破した。
 人口10万人あたりの100歳以上の高齢者は、全国平均で20.05人で、昨年より2.0人増えた。都道府県別では、沖縄で51.43人と33年連続の1位で、高知、島根と続いている。
 長寿日本一は、福岡県赤池町の皆川ヨ子(よね)さんで1893(明治26)年1月4日生まれの112歳。男性は、鹿児島市の徳田二次郎さんで110歳。

百歳高齢者についてのプレスリリースは下記のサイトで読める。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/09/h0912-2.html


2005/09/12 食育講演会「果物と健康、地域ぐるみの食育について」
 栃木県那須南農業共済組合大会議室で、食育講演会「果物と健康、地域ぐるみの食育について」があります(2時15分~4時/演者:田中敬一、本誌編集長)。主催は栃木県南那須農業振興事務所です。関心のある方はぜひおいでください。


2005/09/11 世界自殺予防デー
 9月10日は、世界保健機関(WHO)が定めた「世界自殺予防デー」です。世界的では、毎年およそ100万人が自殺しています。日本でも毎年3万人の人が自殺しています。そのため、WHOでは自殺を公衆衛生問題として認識し、自殺の予防のために政府、個人、専門家、およびボランティアが連携して対策に取り組むことを求める声明をだしています。


2005/09/11 「400字以上」は苦痛
 インターネットユーザーを対象した調査によれば、PC などで文章を読むとき苦痛を感じる文字数は「400字以上」がもっとも多かった。携帯電話を利用している10代~50代の全国インターネットユーザー300人で、男女構成比は男性42.7%、女性57.3%。 年齢層分布は、10代4.7%、20代24.3%、30代44.0%、40代20.3%、50代6.7%。
 PC などのモニターで長い文章を読むとき、どの程度から苦痛を感じるかの質問に対して、「400字以上」で33.7%、「800字以上」(18.0%)、「1,000字以上」(8.3%)、「100字以上」(7.7%)という結果になった。「特に苦痛は感じない」は12.7%で、「わからない」は19.7%だった。

上記調査結果の概要は下記のサイトで読める。
http://japan.internet.com/research/20050826/1.html


2005/09/10 染色なしで細胞を観察可能な新顕微鏡
 細胞内のたんぱく質やDNAなどの分子の動きや構造を、生きたままの自然な姿でカラー画像化できる顕微鏡ができたと大阪大のベンチャー企業「ナノフォトン」(本社・大阪市北区)が発表した。
 今までは、化学物質による染色を行った後に顕微鏡で観察していたが、今回開発されたレーザーラマン顕微鏡では「染色」することなく生体反応を観察できるという。
 開発された新顕微鏡は、観察対象にレーザーを当て、はね返ってきた光を検出する。この光には、分子の種類や構造の違いに応じて色が変化した微弱な光もわずかに混じっており、これをとらえて画像化する技術を確立した。ネズミの心筋細胞を観察すると、細胞内の小さな器官がさまざまな色に光って区別できた。 一台3300万円で市販している。

レーザーラマン顕微鏡RAMAN-11については下記のサイトで読める。
http://www.nanophoton.jp/


2005/09/09 夜遅く食べると太る仕組み
 生体リズムを刻む体内時計を調節しているたんぱく質が、細胞内への脂肪の蓄積と密接に関係していることを日大薬学部の榛葉繁紀らの研究で分かった。生体リズムを調節しているたんぱく質は「BMAL1」と呼ばれ、DNAに結合し、体内時計が正常に働くよう調節する働きがあると考えられていた。
 そこで遺伝子操作で、BMAL1を持たないマウスの細胞を作り、脂肪の蓄積の様子を調べた。この細胞にインスリンなどを加えて、栄養過剰の状態にしても、細胞内の脂肪は増えなかった。
 一方、皮膚などに存在する脂肪を蓄えない細胞には本来、BMAL1はほとんどない。こちらの細胞を遺伝子操作し、BMAL1を大量に作らせる実験をすると、細胞内には脂肪が蓄積された。
 他の実験から、BMAL1は、脂肪酸やコレステロールの合成を促進していることも分かっていたことから、BMAL1が脂肪の蓄積に必要だと結論づけた。

【文献】
Shimba S, et. al.: Brain and muscle Arnt-like protein-1 (BMAL1), a component of the molecular clock, regulates adipogenesis. Proc Natl Acad Sci USA. 102(34):12071-12076. (2005)

▽ たんぱく質BML1は昼間は体内でほとんど作られず、深夜になると増える。体内のBMAL1量は、一日のうち午後10時から午前2時ごろが最高で、最も少ない午後3時ごろの約20倍に達する。そのためBML1が多い時に食事をすると、脂肪酸やコレステロールの合成が促進され、脂肪が蓄積すると考えられる。そのため、夜遅くの食事をとると太る。


2005/09/08 2006年元旦は1秒長い
 日本の標準時の維持・通報を実施している情報通信研究機構(NICT)は、2006年(平成18年)元日に、7年ぶりの「うるう秒」調整が行われると発表した。これにより、2006年元旦は平常より1日の長さが1秒だけ長いこととなる。
 時刻を決めるために、現在では、原子の振動を利用した原子時計をもとに決められてる。しかし、天文時に基づく時刻は、地球の自転速度の遅れなどが影響し、原子時計に基づく時刻との間でずれが生じる。そこで、原子時計に基づく時刻を、天文時と0.9秒以上ずれないように調整を行った時刻を世界の標準時(協定世界時、UTC)として使うこととなっている。

情報通信研究機構によるプレス発表は下記のサイトで読める。
http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/
h17/050907/050907.html



2005/09/07 厳戒体制、青森・リンゴ農家
 台風14号の接近に備え、リンゴ生産量日本一の青森県ではリンゴ農家が少しでも被害を食い止めようと、収穫を早め、防風ネットを張るなどの対策を行ったと共同通信が伝えている。今冬の豪雪で樹木に大被害を受けた直後だけに「大雪の次は台風か」との声も聞こえた。
 青森地方気象台によると、台風14号の進路は1991年にリンゴに壊滅的な被害をもたらした台風19号と極めて似ているという。


2005/09/06 食育に「関心」7割
 「食育に関する特別世論調査」が内閣府から公表された。それによると、「食育」について、関心が「ある」「どちらかと言えばある」と答えた人が約7割を占めた。一方、食育の周知度を調べたところ、この調査まで「言葉も意味も知らない」という人は47.4%で、「言葉も意味も知っていた」と答えた人は26.0%にとどまり、「言葉は知っていたが、意味は知らなかった」は26.6%だった。
 食育に関心を示した人で、その理由を複数回答で選んでもらったところ、「食生活の乱れが問題になっているから」が69%で最も多く、「生活習慣病の増加が問題になっているから」(67%)が続いた。
 調査は全国の成人3000人を対象に面接方式で実施。回収率は54%だった。

「食育に関する特別世論調査」の概要は下記のサイトで読める。
http://www8.cao.go.jp/survey/tokubetu/h17/h17-syokuiku.pdf


2005/09/05 国産農産物使う企業6割
 農林漁業金融公庫は、2005年上半期の食品産業動向調査結果をまとめた結果、原料に使う国内産農畜水産物の割合は63%で、2004年下半期に比べて1.1ポイント増えたと日本農業新聞が伝えている(05/8/25)。
 国内産を使う企業は全業種で増えた。特に小売業は3.2ポイント、飲食店は6.6ポイントと高い伸びを示したが、製造業者は0.3ポイントの微増であった。
 製造業のうち、約半数が、国内産原材料は外国産に比べ「10~30%割高」としている。


2005/09/04 ニューオリンズからの穀物輸出ストップ
 超大型ハリケーン「カトリーナ」が、アメリカ産穀物の最大の輸出港のニューオーリンズ市を直撃した影響で日本向け飼料用トウモロコシや大豆の輸出がストップしていると日本農業新聞が伝えている(05/9/3)。日本国内には十分な蓄えがあるため、飼料供給には大きな影響はないとの見方が強いが、復旧が長期化した場合を心配する声も出ているとのこと。
 ニューオリンズ市はミシシッピ川の下流にあり、穀物の集積地で、日本向け穀物の大半を扱う。今回のハリケーンで、電力が止まるなどで輸出施設の機能が停止、船が貨物を積めなくなっている。今のところ輸出再開のめどは立っていない。
 JA全農によると、日本の配合飼料に使われる約1200万トンのトウモロコシのうち、ニューオーリンズの港からの船積みされる割合は6割強に上るという。全農は「国による備蓄や、飼料会社に在庫があるため、当面の間、影響はない」とみている。


2005/09/03 オゾン層の減少にストップ
 皮膚がんなどの原因になる紫外線から生物を守る成層圏のオゾン層の減少に、96年ごろから歯止めがかかったことを示す分析結果を、米海洋大気局(NOAA)とウィスコンシン大、シカゴ大などのチームがまとめ、地球物理学誌に発表した。
 チームは、オゾン層を監視する二つの人工衛星(TOMS、SBUV) と地上での1978-2002年の観測データについて、複数の統計分析手法を当てはめてオゾン層の減少に変化があるかどうかを分析した結果、南北半球とも40度以上の中~高緯度地域で1996年ごろを境に減少に歯止めがかかり、安定化する傾向があることが分かった。
 すでに、上部成層圏(高度35-45km)に限定して同様の傾向が発見されていたが、今回は成層圏全体を対象にした結果で、安定化の傾向は、緯度が比較的高い地域でより強く出ていた。

【文献】
Reinsel, G. C., A. J. Miller, E. C. Weatherhead, L. E. Flynn, R. M. Nagatani, G. C. Tiao, and D. J. Wuebbles (2005), Trend analysis of total ozone data for turnaround and dynamical contributions, J. Geophys. Res., 110, D16306, doi:10.1029/2004JD004662.

▽  科学者らは、変化が出て以降の分析期間が約6年と短いため、決定的な証拠とまでは言い切れないとしているがオゾン層を破壊するフロン類の規制など、国際社会の努力が奏功した結果とみられると評価している。
 フロン規制などでオゾン層の破壊を阻止できたのなら人類の輝かしい勝利といえるのではないか。地球温暖化も二酸化炭素などの排出量の規制で防げるのではないかと期待できる。


2005/09/02 秋は柿、ナシの季節
 秋の果実といえば柿。「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」(正岡子規)というぐらいで、奈良が有名。早生品種の出荷は9月半ばから、主力の富有柿は11月上旬から12月上旬。ナシは早生品種の幸水がすでに出回り、主力の豊水の出荷も始まったと毎日新聞が伝えている(05/8/31)。


2005/09/01 アメリカ:貧富の差が拡大
 アメリカ国勢調査局(the Bureau of the Census)が8月30日発表した2004年の所得調査によると、貧困層は3700万人に達し4年連続で増加した。総人口に占める割合も0.2ポイント上昇して12.7%になった。アメリカの景気は堅調に拡大し続けている一方で貧富の格差が拡大している。一方、2004年の世帯の平均年収は44,389ドルで、前年とほぼ同じだった。

U.S. Census Bureau Newsのプレスリリースは下記。
http://www.census.gov/Press-Release/www/
releases/archives/income_wealth/005647.html